和歌山県 仁坂吉伸知事に聞く「和歌山モデル」の全貌

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 ――成功した和歌山モデルは全国で生かされていますか。

 全国の多くの県では、私のような知事が保健当局を指導して、同じことをやっている。感染者が出ても、その都度抑え込むから、ドッカーンといかない。ドカーンのところは保健医療行政が十分機能していない。それを政府がたしなめない。トップが現場にぐっと入って、担当者と同じぐらいのレベルまで一生懸命勉強しないと。それをやらずに、保健所に丸投げしていたら、いつまでも収まりません。

 ――感染抑制と社会経済活動の両立に苦労しています。

 コロナ対策は、保健医療行政に半分依存し、残り半分は国民行動の自粛、営業の自粛に依存します。緊急事態宣言で国民は緩い要請にもかかわらず、100点満点の対応をされました。ただ、後者の自粛にのみ依存するのはできるだけ避けなければいけない。生活、健康、経済が壊れますからね。前者の保健医療行政の責任者は知事です。厚労省でも専門家でもありません。知事がどれくらい一生懸命やるかによって、半分が違ってくるわけです。幸い、日本には優れた医療や保健所の隔離権限など保健医療体制が壊れない仕組みがあります。私も県庁の職員も医療従事者も大変だけど、県民に奉仕するのが僕たちの仕事ですから。

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