和歌山県 仁坂吉伸知事に聞く「和歌山モデル」の全貌

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保健所の隔離権限は最大の武器

 ――欧米では医療崩壊も起きました。

 欧米では隔離がないので、どんどんうつり、患者はみんな自由に医者に行くわけです。その結果、重症者の命が救えない事態が起こっていました。政府の専門家は、この欧米の状況から学んだ“教養”をベースに日本のコロナ対応に当てはめてきました。欧米のようにしたくないという良心としてね。だから、軽症者や37・5度が4日続かないと医者に行くなとガンガン言ってたでしょう。

 ――2月25日に政府が基本方針で軽症者に自宅療養を呼びかけると、知事は「早期発見し重症化させないことが大事。『医者にかかるな』というのはおかしい。従わない」と断りました。

 病院が逼迫していない状況で、政府の方針は明らかに間違っている。「従わない」と言って示した対抗モデルは、クリニックや診療所で発見してもらう方法です。「風邪症状で肺炎」の患者を保健所に連絡してもらい、PCR検査で陽性だったら隔離病棟に入院です。毎年、風邪のような症状で肺炎は1~2%。その肺炎の中で、コロナの陽性者は2%しかない。少ない陽性患者だけが大病院に行くようにすればいいのです。ところが、軽症者を自宅待機にすると、クリニックは暇なのに活用されない。医者にかからなければ、コロナと違う他の病気も見逃すことになる。自宅にいて症状が続き、いよいよヤバイとなると、クリニックを飛ばして大病院に行くでしょう。大病院が混んで、それこそ重症者も診られなくなります。

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