和歌山県 仁坂吉伸知事に聞く「和歌山モデル」の全貌

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 知事は保健医療行政の親分。知事がこういう基準でやるんだと決めないと、現場の保健所はどうしていいかわからないわけですよ。知事があいまいな態度だと、現場は国の「中国由来の人だけ検査」という通達にどうしても引っ張られてしまう。「国がけしからん」と言うばかりで、知事自らは何もしないのはよくありませんね。知事ができることはいくらでもあるのです。

 ――徹底検査の他に何をしましたか。

 3つやりました。県内外からの問い合わせなど大騒ぎになりましたが、その対応を主力部隊である保健所にやらせなかった。県庁に窓口をつくって、電話は5回線、24時間体制でコロナの受け答えができるようにした。「私、不安」「感染者はどこに住んでいるの」など変な電話もいっぱいありましたから、保健所が対応していたら大混乱になっていたでしょう。次に、やはり疑わしいのは中国由来。中国人旅行客はすでに帰国していたので、有田病院の周辺エリアで徹底的に聞き込みをしました。もちろん保健所ではない部隊にやらせました。中国人が泊まった可能性があるホテルや立ち寄ったコンビニとか飲食店に行って、「症状ないですか」と。調子の悪い人は皆無だった。さらに、県内の病院のよくわからない肺炎の入院患者に全部PCR検査をしたのです。結果は陽性者は見つからなかった。この3つで大丈夫かなと思いました。

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