昨日(8月3日)、『産経新聞』が一面トップで、「中国、尖閣に漁船団予告 16日の休漁明けにも」と題した、おどろおどろしい記事を掲載した。
〈 中国政府が日本政府に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での多数の漁船による領海侵入を予告するような主張とともに、日本側に航行制止を「要求する資格はない」と伝えてきていたことが2日、分かった。16日に尖閣周辺で中国が設定する休漁期間が終わり、漁船と公船が領海に大挙して侵入する恐れがある…… 〉
中国公船の尖閣諸島の接続水域への進入は、4月14日から連続111日となった(8月2日現在)。2012年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降の最長連続記録を更新中だ。
では、その前は来ていなかったのかと言えば、そんなことはない。海上保安庁のホームページで確認すると、今年に入って来ていないのは、1月28日、29日、30日、31日、2月1日、17日、18日、3月5日、4月12日、13日の10日間だけだ。
1月末から2月初旬の5日間は、春節(1月25日の旧正月)休みだったのかもしれない。2月中旬は、新型コロナウイルスが中国側で蔓延していた頃だ。
これでは、海上保安庁の苦労は大変なものだろう。12カイリの領海への中国公船の侵入も、今年に入って計16日、延べ52隻に及んでいる(7月30日まで)。直近では、7月14日に4隻もの中国公船が、尖閣諸島の領海に侵入している。
これはもう、新たなステージに入ったと捉えるべきだろう。すなわち今後、尖閣諸島の海域が平穏になることはなく、逆にますます中国側の行動はエスカレートしていくと考えていた方がよいということだ。冒頭の『産経新聞』の報道も、そうした中国の傾向を裏付けている。