もういちど木島先生に会いたい
以下の題名の新作の小説を投稿した。
◆勇者パーティを追放されたので最強スキル「確率操作」で復讐&ざまぁします 〜1億回コインを投げて1億回表をだす少年の成り上がり〜◆
とてもありがたいことに現在ハイファンタジーのジャンル別ランキングに乗っている。
しかも「余りもの騎士団」や「天候操作」と違い、落ち始めていない。
少しずつランクが上下していて、現在15位付近で停滞している。
なんとかここからランキングを駆け上がってくれればいいのだが。
どうかこのエッセイを読んでくださっている読者の方も、目を通して応援してくださると幸甚の思いである。
(どう「応援」してほしいか具体的に述べると規約に抵触するかもしれないので、「応援」の内容は読者の方に一任する)
嬉しい反面とても緊張している。
拙作「銀色のスナイパー」が、第4回ネット小説大賞の最終選考に残っている時の心境に似ている。
いわゆる「審査待ち」の状態だ。
第4回ネット小説大賞のときは審査員の評価を待っていた。
そして今は、無数の読者諸氏の評価を待っている状況だろう。
アクセス解析を見ると、上記の「確率操作」は1万人以上が見ているらしい。
1万人もの読者が自分の小説を「審査」していると思うと、やはり、緊張してしまう。
昔もこういう心境になったことがある。
恩師の木島先生に小説を読んでいただいたとき、こういう心境だった。
不登校になってから、自分はときどき木島先生にお会いすることがあった。
先生は紆余曲折あって、自分がいじめられているを知っており、時々中学の職員室に尋ねさせてくれたのだ。
その流れで、先生は自分を家に招待くださることがあった。
主に学校が長期休みに入るときだ。
ちょうど今くらいの時期である。
うだるような暑さで、蝉の声が響いてる中、自分は使い古したリュックに小説を書いたノートと、先生に借りた本を詰めて、ご自宅に伺った。
先生の家には庭に大きなくぬぎの木が植えられていた。
瑞々しい葉がたくさん付いたくぬぎの木の青さは、今でも思い出せる。
小説を見せる場所は、先生の書斎である。
上座に座った先生に、自分はまず小説を書いたノートを渡す。
すると先生は引き出しから鼈甲でできた老眼鏡を取り出され、それをかけて、拙作に目を通してくださった。
重厚な黒檀のテーブルに自分の小説を置き、少し背を丸めて黙読する先生を見ていると、どうにも自分は落ち着かなかった。
こっぴどく酷評されたらどうしよう。
あまりにも稚拙な小説を書いたので、先生が自分を怒鳴りつけて、そのまま絶縁されたらどうしようかなどと考えた。
いてもたってもいられない気分になっていた。
しかしそんな自分の心配とは別に、木島先生は必ず小説を褒めてくださった。
いまだにその作品は手元に残っていて読み返すこともできるが、はっきり言って今読み返すととんでもない駄作である。
もともと自分の作品は駄作ばかりだが、その駄作の中でもぶっちぎりで出来が悪い。
小説の体裁をなしていない怪文書を木島先生に読ませていた。
にも関わらず、先生はまず、褒めてくださった。
すると自分も気を良くして、いっぱしの作家になったつもりで、
「いや、先生、その解釈は違います」
などと意見したりもしていた。(今考えると汗顔の至りである)
そして木島先生は、一通り自分の作品を褒めてくださると、今度は必ず同じ数だけの修正すべき点を書いてくださった。
「」の使い方や、段落の字下げなんかの、ともすれば小学校の作文の授業で習いそうなことすらできていなかったので、この修正点は大変勉強になった。
自分は文章に関しては、木島先生に学んだと断言できる。
それから自分が先生のつてで就職しても、頻度は激減したが、時折先生の家に伺った。
その頃はノートではなく、原稿用紙に書いた小説を先生に見せた。
いつものように、書斎で自分の原稿用紙をめくっていた先生だったが、あるとき、珍しく申し訳なさそうに自分に言った。
「最近は、俺ももう歳で、読む集中力がなくてな」
と。
事実、昔はかなりの分量でも2時間程度で速読してくださっていたが、今ではもうつらいようで
「次の時までに読んでおくから」
と言った。
自分は「分かりました」とだけ言った。
後でわかったことだが、この頃木島先生は病気なさっていたらしい。
それからさらに先生の家を伺う頻度は少なくなった。
自分が仕事が忙しくなったのと、小説を公募に出し始めたからだ。
そして自分は、第4回ネット小説大賞を受賞してプロ作家になった。
8000人という狭き門から文壇に立ち、小説家デビューした。
そうして、先生への連絡を蔑ろにした。
入院なさっていたときも、自分は見舞いに一度だけ行ったきりである。メールや電話も返信すらしなかった。
自分はプロ作家だ。人付き合いよりも作品を完成させることを優先してなにが悪いのだろう。
そう思っていた。文壇に立った高揚感から、なにをしても許されると思っていた。
とても後悔している。
仕事を辞めたことや、この年齢になるまでなんの社会経験も積まずに逃げ続けてきた糞みたいな人生も後悔している。
だが、先生への連絡を怠った後悔に比べれば、微々たるものだ。
自分がいまだに先生の墓を見舞い、掃除しているのは、そういう後悔からくる罪滅ぼしなのだろう。
だが、いくら墓石をきれいにしても、先生が生前好きだった羊羹を備えても、先生は一言も話してくださらない。
自分の小説を読んでくれることもなければ、改善すべき点を上げてくれることもない。
この季節になれば、後悔はより大きくなる。
どうしてもっと先生を見舞わなかったのだろう。メールの返信や電話くらい、15分もあればできる。
なぜそれすらしなかったのだろう、と。
くぬぎの木を見ると、いつも先生の家を思い出す。
ノーベル文学賞を受賞した文豪のカズオ・イシグロは、
「記憶は死に対する部分的な勝利である」
と言った。
故人も、記憶の中では生き続ける。それは絶対的な死に対する相対的な抵抗であり、誰も妨害することはできない。こういう意味だ。
木島先生は、自分の中に生きている。
セミの鳴き声がやかましい夏の日。
あの黒壇の机で、老眼鏡を掛けた先生は、生意気な作家気取りの少年の小説もどきを、今でも添削してるのではないか?
だが、そう思ってみても、やはり、後悔は止まらない。
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