ＷＨＯ＝世界保健機関の専門家は新型コロナウイルスについて検査結果の判明までに長い時間がかかっているケースが多いとしてスピード化の必要性を指摘しました。

　ＷＨＯの技術責任者、マリア・バンケルコフ氏は残念ながら世界の多くの国でかなり長い時間が経ってから検査結果が判明しているとしたうえで、「４～５日以上経過してから結果がわかっても感染拡大を抑える助けにはならない」と述べました。

　検査結果のスピード化をめぐってはイギリス政府が３日から介護施設などを対象に検査から最短９０分で結果が判明する方法を導入すると発表しています。

　バンケルコフ氏はイギリスの例を含め検査結果が早くわかることで隔離や感染経路の特定などの対策を速やかにとることができるとして、スピード化は感染抑止に寄与するとの考えを示しました。

　「７月１４日に受けて、きょう７月２９日ですから、まる２週間以上かかったということですね。今みたいに１０日も２週間もかかるようだと、やっぱりかなり心配ですし、やって意味があるのかなと、ちょっと心配になりますね」（ニューヨーク在住・西本義次さん）

　アメリカでも、「検査結果の遅れ」が問題となっています。ニューヨーク市に住むこの日本人男性は、ＰＣＲ検査を受けてから１５日後になって、ようやく結果を受け取りました。男性は、結果が「陰性」だったから良かったものの、もし「陽性」だった場合、結果を受け取るまでの１５日間で同居する家族などに感染させていた可能性もありました。

　アメリカでは検査結果を受け取るまでに１週間以上かかるケースが続出しています。アメリカメディアによりますと、南部や西部を中心に感染が拡大しているため、検査数が増加し、民間の検査会社などに検体が殺到していることなどが要因ということで、検査体制の拡充が課題となっています。