新型コロナウイルスに感染した飼い主から預かった犬2匹がPCR検査の結果、陽性だったと3日、ペット保険「アニコムホールディングス」が公表した。国内でペットの陽性が確認されるのは初めて。
同社は新型コロナウイルスに感染した2世帯から7月下旬、それぞれ1匹ずつを預かった。2匹は今月3日まで複数回実施したPCR検査で陽性となった。2匹とも健康状態に異常はなく、1匹は既に陰性と変わっている。他のペットや従業員も検査したがいずれも陰性で、体調不良もみられない。同社は2匹を隔離し、世話を続けている。
同社は感染者のペットを無償で預かる事業を4月から行っており、これまでに犬や猫、ウサギの計42匹を預かった。
同社によると、飼い主のウイルスが一時的に口に入り込み、反応している可能性も否定できないとの理由から、感染とまでは確定できない。抗体検査の結果を待つ必要があるという。
ペットへの感染は香港や米国、ベルギーなどで確認され、多くが軽症。人間から感染したとみられている。中国では「ペットから人に感染する」とのうわさが拡散し、犬や猫の飼育放棄が相次いだとの報道もある。
環境省動物愛護管理室の担当者は「ペットを感染源とする証拠はこれまでの事例にはなく、冷静な対応が重要。まずは飼い主が感染予防に努め、ペットとの過度な接触は避けて」と呼び掛ける。〔共同〕