新型コロナウイルスの感染者が再び増え、重症者も全国で増加傾向で、人工肺装置「ECMO」の増設が求められる中、ECMOを扱う医療従事者を育てるトレーニングの現場に、FNNのカメラが入った。
東京都内の病院「都立多摩総合医療センター」では、コロナの重症患者の治療に欠かせない人工肺装置「ECMO」が、突然止まってしまった事態を想定した訓練が行われている。
故障かどうか確認するため、救命チームはいったん、ECMOから患者の体への血液の流れを遮断する。
血流が止まるとできやすくなる血栓がないか、入念に確認後、直ちにECMOを手で回し、酸素を含んだ血液を患者の体内に送る。
血栓による血管の詰まりも機械の不具合がないこともわかり、患者の安全を確保をして、看護師は機械の周りを目視で確認する。
すると...。
救命救急センター・佐藤友紀看護師「コンセントがささっていないです」
初歩的なミスのようだが、ECMOは、コンセントが抜けても内蔵バッテリーが稼働し、電源はしばらく落ちないため、発覚しづらく、実際に発生した事態だという。
救命救急センター長・清水敬樹医師「ECMOは究極のチーム医療。そのキーメンバーの1人が、やはりどう考えても看護師ですね」
ECMOを扱う際のトラブルを覚知するには、医師よりも患者の近くにいる時間が長い看護師の「異変を察知する力」を育てることにかかっている。
救命救急センター・橋本雄大看護師「(合併症の)兆候を発見することが、わたしたちの仕事と思っています」
救命救急センター・佐藤友紀看護師「発見者になるのが、看護師になることが多いと思うので、(トレーニングをして)いつ起きても対応できる状態にしていく必要がある」
管理の難しいECMOを扱う医療従事者を増やし、習熟度を上げることが、重症患者を救う鍵となる。