佐賀市は、小中学校から各家庭に配られる文書を多言語化した。授業参観の案内や個人懇談、校納金のお知らせなど7種類の定型文書を英語、中国語、韓国語など五つの言語で作成し、行事名や日付などを入力すれば、そのまま利用することができる。在留外国人の家庭に向けた情報提供に活用してもらう。
外国籍の母親から「学校の通知文書が日本語で分からない」という声が市国際交流協会に寄せられ、市国際課が作成した。
市ではこれまで、健康診断や放課後児童クラブなどの情報を多言語化して伝えていたが、今回は、小中学校で共通して配布される行事のお知らせを中心に選んだ。言語は英語、中国語、韓国語のほか、ベトナム語、タガログ語など市内の外国籍の児童生徒の主な母国語を設定している。簡単な日本語が読める子ども向けに、漢字にふりがなを振るなどした「やさしい日本語」版も作成した。
データは7月中旬以降、市教育委員会を通じて各校に送られた。
佐賀市の小中学校には3月現在、8カ国約60人の外国籍の児童生徒が通う。市国際課の武富将志(まさゆき)課長は「国によっては日本でいう授業参観や運動会がないところもあり、文書ではどんなことをするのかということも説明した」と話した。(松田美紀)