今年の米大統領選で民主党候補指名を確実にしているジョー・バイデン前副大統領(77)。
かなり早い段階で女性を副大統領候補に選ぶと述べ、その発表が8月初旬に行われる予定だ。
しかもバイデン氏は黒人女性を選択する公算が高くなってきている。なぜなのか。
バイデン氏が女性を副大統領候補にすると述べたのは、今年3月に行われた大統領選の討論会の席上である。
「もし私が大統領候補になったら、副大統領候補には女性を選ぶと決めています」
さらにバイデン氏は、「多くの女性が大統領としての資格があります」とまで述べた。
以後、「資格者」にあたる女性がメディアに取り上げられ、現在でも10人以上の名前が挙がっている。
ただ最近は黒人女性が選ばれる可能性が高いとの見方が強い。2つの大きな理由がある。
最初は、黒人女性たちからバイデン氏に直接、「副大統領候補には黒人女性を選んでください」という強いアピールがあったことだ。
バイデン氏が女性を選ぶと述べた翌月の4月24日、200人以上の女性たちがバイデン氏に公開書簡を送っている。
書簡の中にある名前を眺めると、現在有力候補として取り沙汰されているスーザン・ライス元大統領補佐官(55)、カマラ・ハリス上院議員(55)、バル・デミングス下院議員(63)、ステイシー・エイブラムス元ジョージア州知事候補(46)、カレン・バス下院議員(66)といった名前が見える。
全員が黒人女性である。
この段階で、女性たちは指名されるのを静観するのではなく、積極的に売り込みに動いたのである。書簡には次のような言葉もある。
「副大統領候補に黒人女性を選ぶことで歴史的機会を創設していただくように、あなた様に要望いたします」
「私たち(黒人)は米国のすべての市民に関わる問題に対処していきますし、選挙での決定的な勝利とバイデン政権の成功のお手伝いをいたします」
こうした黒人女性たちからの希求だけでなく、世論調査でも有色人種の副大統領候補を求める声が高まっている。
今年3月のポリティコ・モーニング・コンサルトの調査では36%の回答者が有色人種の選択は重要と答えていたが、6月の調査では46%に上がっている。
公開書簡に署名した数人の女性たちはバイデン氏とスタッフに面会し、連絡をとりあっている。
関係者の一人は黒人女性が副大統領候補に選ばれることに「十分な手応えを感じている」とさえ述べている。