鮎釣りの第一人者として全国的に知られる京都府出身の室田正さん(70)が、移住先の飛騨市宮川町で市や地元漁協などと組み、宮川下流の鮎を「飛騨のあばれ鮎」の名でブランド化を目指している。豊富なコケを食べて他の河川より一回り大きく育った鮎は、「ひれを踏ん張り、『釣られまい』と暴れる力強さ」(室田さん)が特徴とアピール。全国に売り出すため、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングを始めた。
室田さんは、鮎の縄張りの習性を利用して釣る漁法「友釣り」の達人。10代の頃から釣り大会で優勝を重ね、大手釣り具メーカーから「室田モデル」の釣りざおの監修を任されるほどの腕で知られる。「日本プロ友釣り協会」の創設者の1人。
一線を退き、約3年前に「日本一うまい鮎がいる」と評価する宮川町に移住した。室田さんによると、川底の豊富なコケで育った鮎は強くたくましいという。「広葉樹の森から流れる栄養たっぷりの水が影響している」と分析する。
全国的に見れば、宮川下流の鮎の知名度は高くない。交通事情が良くなく、「比較的マイナー」(宮川下流漁協)な釣り場ともいえる。高知県で毎年開かれる「清流めぐり利き鮎会」のグランプリ獲得が、地元漁業関係者の悲願だ。
ブランド化に向けて、市、釣り人、漁協、民間の4者で協力体制を整えた。室田さんら釣り人は漁協に釣った鮎を買い取ってもらい、漁協は室田さんが監修し市が資金を出した冷凍設備で鮎を素早く冷凍保存する。同市古川町幸栄町の通販支援業「ヒダカラ」が全国に広くPRして購入希望者に送り届ける仕組みだ。
クラウドファンディングの目標額は100万円。集まった資金は鮎のPR活動に充てる。寄付した人には金額に応じて宮川下流の鮎が届く。15万円以上を寄付した先着3組限定で室田さんと一緒に釣りに出かける体験会に参加できる。室田さんは「日本中の人にこの鮎を知ってもらうため、力を貸してほしい」と呼び掛けた。