政府の観光支援事業「Go To トラベル」が22日から始まることに、沖縄県内の観光関係者からは「観光回復のきっかけに」と期待の声が上がる。新型コロナウイルス感染者が出ていない宮古島市内でも多くの来島を望む声がある一方で、感染者の多い東京からの旅行者が「住民から白い目で見られたくない」などの理由でキャンセルするケースも相次いでいる。(宮古支局・知念豊、南部報道部・松田興平)
宮古島市内にあるホテルのマネージャーは「例年、観光ハイシーズンの7~8月は、市内はどこも満室」と話す。だが新型コロナの影響で、同ホテルは現時点で「稼働率は例年の約6割」と厳しい表情を見せる。さらに「Go To-」を巡って政府方針が二転三転し、予約状況も流動的になった。「うちは関東圏の客がメイン。東京発着が外れたのであまり期待していない」と声を落とす。7~8月の予約も、21日時点で20件以上がキャンセルという。
宮古島観光協会によると、7月の入域観光客数は例年の約半分。協会は20日から飲食店などの感染予防ガイドラインの実施状況を点検し、誘客に向けて取り組むが、市内の飲食店を訪れる観光客の中にはマスクを着用しない人もおり、住民から苦情も寄せられている。根間春仁事務局長は「マスク着用などの協力をお願いしつつ、誘客を図りたい」と気を引き締めた。
3日から約3カ月ぶりに営業再開した南城市の観光施設「おきなわワールド文化王国・玉泉洞」も、21日までの客足は例年の1~2割。施設を運営する南都の大城宗久総務課長は「Go To」の東京除外は感染状況を考えれば理解できるとしつつも、「観光回復のきっかけになると思う」と期待する。
誘客力向上へ、休業中に鍾乳洞の照明を発光ダイオード(LED)に変えて演出効果を刷新。10カ所以上に消毒液を置き、エイサー公演の観客数を半分の約200人に絞った。一方でレストランや土産店などは閉めたまま。集客と安全・安心をどう両立させていくかが鍵だと指摘した。