波と潮流

先週から二週続けて週末に台風の打撃を受けている南西諸島ですが、ここで台風到来時における海況の話をします。

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画像は「GPV気象予報」様より転載したものですが、現在発生している台風19号の沖縄本島における13日時点の沿岸波浪状況図になります。
ご覧の画像で台風は本島を通過し、本島の北側に台風の中心がある状態です。
本島北側(台風の目側)の海域は台風の影響を直撃し、波の高さは赤色の5m以上になっています。
この状態は高波と強風が打ち寄せ、非常に危険な状態である為、沿岸部に近づいてはなりません。
これに対して、本島南東側の海域は台風が通り過ぎ、台風からの高波は本島北側にて消波され、波の高さは青色の1m以下の凪に近い状態になっています。
 
次の画像はある島で撮影した景観画像ですが、海の状態はご覧の通りベタ凪です。
 
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実はこの時に島の反対側は台風の接近にて海況は荒れ、海には全く入れる状態ではありませんでした。
しかし、台風方向とは逆である画像場所の島裏側は、島全体が消波の役割を果たし、台風の接近を全く感じさせない穏やかな海になっています。
 
私の仲間で遠征を重ねている者も当然にこの内容は把握しており、飛行機が飛んでしまえば風向きを避けてポイントを選び、台風直撃の海でも採集を楽しめています。
また、南の島はリーフが数多く存在している所が多いので、外洋部で多少の波があっても、干潮時は潮が引くため、リーフエッジの隆起した部分にて消波され、リーフ内は凪状態の海となっています。
海を知っている者は、上記内容は基本中の基本である為、ダイバーなどは波を避けられるポイントを選んで海に入っています。
海を知らない外野で渡航できない事を僻んでいるのかまでは解りませんが、遠い所から吠えている者もいる様です。何様のつもりか?と思いますが、哀れとしか感じません。
但し、上記内容は決して台風接近の海で入水を勧めているワケではありません。
全ては自己判断でお願い致します。

上記内容で参考にして貰いたい事は、観光で渡来した際に低気圧や強風の影響で若干波が高く感じた際は、島の反対側(風下側)へ行けば波は凪に近い状態である為、安心して海水浴を楽しむ事が可能です。
夏季の離島で海水浴に来たものの、波が高くて困っているオネエちゃんには、今日の天候では島の裏側の○○辺りに行った方が良いですヨ!と親切にアドバイスしてあげます。^^)ゞ
 
上記は波について記しましたが、波は予報や現地での海況を見れば、誰もが安全であるか否かの判断は簡単にできます。
海で怖いのは波よりも潮流を最も注意しなければなりません。
私は色々なポイントを沖の方まで泳いでいますが、入水前に絶対的に確認することが潮がどの方向に流れているかを慎重に確認しています。
岬の先端部付近は潮の流れが速く、複雑な潮流になっているので特に注意が必要です。
またリーフ内でも引き潮の際は、リーフエッジ部分が隆起している為、引き潮が溝を狙って流れていきます。
例えで言うと、洗面器の表面一か所に破損部分があって、そこから水が零れ出ている状態です。
この溝付近はリーフ内の海水が一気に外洋へと流れ出ていくので、非常に強い離岸流が発生します。
これを知らずして流されてしまう海水浴客も多いので、潮流には厳重注意が必要です。