加えて、資料(図表6)の「企業金融」を参照にして、CP(無担保約束手形)発行残高、社債発行残高、民間銀行貸出残高のチャートを使って説明し、<今般は、金融システムが安定的に推移しており、リーマン・ショック時とは違う。>と指摘した。
もちろん、実体経済の不振が続くと、先行きは不透明となり、金融面からの下支えが必要となる、と“逃げ”は打っている。それにしても、「躊躇なく追加緩和を講じる」(黒田発言)は、業況判断DI(6月の日銀短観)を見ても(図表2)、底打ち感が出始めているとした雨宮講演できちんと担保されたのだ。
僅かこれだけを見ても分かると思うが、雨宮講演を記事化しなかったことに疑念を抱いた筆者の方がおかしいのだろうか。雨宮氏はこの他にも、企業等への資金繰り支援(総枠約120兆円+α)、金融市場の安定確保(円貨及び外貨を潤沢かつ弾力的に供給=80兆円/年の規制枠を撤廃)、資産市場におけるリスク・プレミアムの抑制(ETF・上場投資信託=J-REIT・不動産投資信託の買い入れ)などについても語った。
いずれにしても、最近の各紙経済・金融面の記事量そのものが減っているし、際立った解説記事が少ないことを憂いているのは筆者だけではないはずだ。