ボイロ用リズム自動調整アプリ《 KotonoSync 》の使い方3(設定編)
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ボイロ用リズム自動調整アプリ《 KotonoSync 》の使い方3(設定編)

2016-10-16 21:20

    VOICEROID用リズム自動調整アプリ
    《 KotonoSync 》の使い方3(設定編)

    1.KotonoSyncの紹介
    2.KotonoSyncの使い方1・基本編
    3.KotonoSyncの使い方2・リズム編
    4.KotonoSyncの使い方3・設定編(この記事
    5.KotonoSyncの使い方4・応用編

    アプリのダウンロード先やご利用の際の注意点は紹介記事をご覧下さい。

    (2018/3/5 追記)Ver.1.8.1時点までに新しく追加された設定を追加しました。


    アプリの設定を変更してみよう



    紹介動画の通りに操作するだけでもそれなりに曲変換は可能ですが、設定を調整してあげる事で更にもう少しだけ色々な事ができるようになります。

    この記事はKotonoSyncのVersion 1.7.9の設定内容を元に記述しています。
    今後のバージョンアップで設定可能な内容が変わる可能性があります。



    《プログラム連携設定》タブ

    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    VOCALOIDの設定
    シーケンスファイル(.vsqx)のパス
    VOCALOID EDITORなどのソフトで作成したVSQX形式のシーケンスファイル(歌データ)のファイルパスを入力します。参照ボタンを押すとファイルを開くダイアログが表示されます。直接アプリにVSQXファイルをドラッグしても設定できます。
    プロジェクトファイルを保存したフォルダからの相対パスでも指定する事が可能です。
    トラック番号
    シーケンスファイルに複数のトラックが存在する場合に何番目のトラックを歌わせるか設定します。1番目が最初のトラックになります。
    キー調整(音程の変更)
    元のシーケンスファイルから音程を変更したい場合に設定します。1上げるごとにキーが一つ上がります。12上げると音が1オクターブ分上がります。
    0.01刻みで数値を調整できるので少しだけ声の高さを変える事も可能です。

    VOICEROIDの設定
    VOICEROIDのライブラリ名
    歌わせたいボイロの名前をリストから選択します。

    リストに選びたいボイスロイド名が無かったり名前の横に(未登録)と表示されている場合は先に声の高さを行う必要があります。詳しくはライブラリ設定タブの説明を確認してください。


    VOICEROID2のプリセット名 《Ver.1.5.0で追加》
    VOICEROID2を使う場合はここからプリセット名を指定する事ができます。高さは1.00のままでも問題ありませんが、スタイル(感情)を変えるとその声で歌う事が出来ます。あとはテンポの速い曲では話速が高いプリセットを使うとタイミングを合わせやすくなります。 ただし話速が2.00を超えると上手くリズム調整できなるので注意してください。
    リズム調整後の音声保存
    リズム調整後に完成したWAVEファイルを自動的に保存させる事ができます。保存場所はプロジェクトファイル(.vcph)と同じ場所か自分で設定したファイルパスから選ぶ事ができます。不要な場合は「保存しない」にしてください。

    フレーズ辞書の見出し設定
    先頭テキスト・末尾テキスト
    ボイスロイドに読ませるときのフレーズの見出しを設定します。同じ見出し名のままだと別のプロジェクトで歌わせたときに上書きされるので、それを避けたいときは先頭テキストに適当な名前を付ける事をおすすめします。
    歌詞表示なし・ひらがな・カタカナ・歌詞の文字数
    フレーズの見出し名に歌詞の一部を追加します。追加する場合はひらがなとカタカナどちらにするのかを選べます。読みやすい方を選択してください。指定した歌詞の文字数を超える場合、それ以降は表示されません。
    時間の表示
    フレーズの見出し名にそのフレーズの歌い出しの開始時間を追加します。
    見出しのサンプル
    上記の見出しの設定を変えたときにどのようなテキストが作成されるかのサンプルが表示されます。

    《音声効果と位置設定》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    音声効果タブの設定(EXシリーズのみ)
    ※VOICEROID2を使う場合について
    VOICEROID2で歌わせる場合はここから音声効果の設定を行うことができません。代わりに話速などの数値を予め設定しておいたプリセットを用意してください。
    音量
    ボイスロイド本体の [音声効果] タブの音量をこの数値に合わせます。ボーカロイドエディタのDYNコントロールで音量を調整している場合は1.0から変更しない事をおすすめします。
    話速
    ボイスロイド本体の [音声効果] タブの話速をこの数値に合わせます。0.5~4.0の間で設定可能ですが、1.0~2.0以外の数値を設定すると正常にリズム調整できなくなります。テンポの速い曲では初期値の1.0のままだと歌わせられない場合があります。そんなときは数値を最大2.0までの範囲で上げてみて上手く歌わせられるかお試しください。
    高さ
    ボイスロイド本体の [音声効果] タブの高さをこの数値に合わせます。音の高さはボイスロイドごとの声の特徴と歌データから自動計算されるため、通常は1.0から変更する必要はありません。
    抑揚
    ボイスロイド本体の [音声効果] タブの抑揚をこの数値に合わせます。ここで抑揚を0にしなくてもフレーズ編集側で抑揚を0.0に設定するようになっている為、通常は1.0から変更する必要はありません。
    C3のときの高さ
    ヤマハ式でC3の音程に高さを合わせる時の数値です。ボイスロイドを変更するとここの数値も変わります。もしそれぞれのボイスロイドで出来るだけフレーズ編集側の高さの数値を一致させたい時は高さの欄にこの数値を入力してみてください。


    音量・高さ・抑揚の個別設定

    ボカロの対応パラメータ
    音量・高さ・抑揚の数値をボーカロイドのどのコントロールパラメータから取得するかを設定します。ただし音量はDYN、高さはPITとPBSで固定になります。
    パラメータの取得位置
    ボーカロイドのコントロールパラメータから音量・高さ・抑揚を調整するときの数値の取得位置を設定します。0%のときはノートの一番左側の数値、100%で一番右側の数値になります。

    取得位置の数値を変更するとその下に表示されるグラフサンプルも変わるので、実際に変えてみてどのような変化が起こるのかを確認してみてください。

    ノートがボイスロイド上で複数のモーラとして読み上げられる場合の挙動
    ボーカロイド側で打ち込んだ「」の音を歌わせる際に、ボイスロイド側で音の長さを確保するために長音符号(伸ばし棒)を後ろに付けて音を読ませる場合があります。例えば「ドーーー」と4文字分で読ませる場合はDYNの取得位置も4分割して設定されます。取得位置が0%の場合は [0%,25%,50%,75%]のDYNの数値が使われます。取得位置が50%の場合は「12.5%,37.5%,62.5%,87.5%」のDYNの数値が使われます。

    DYNと音量の対応について
    DYNが0のときに音量が0.00、64のときに音量が1.00、127のときに音量が2.00になります。

    PIT/PBSと高さの対応について
    PBSが1でPITが最大値の8191のときにキーが一音分高くなります。PITとPBSの詳細な計算式はボカロエディタのマニュアルを確認してみてください。


    《話速と長音設定》タブ



    (Ver.1.8.1の設定画面より)


    話速目標値のサンプル


    話速目標値について
    自動リズム調整を行う際にできるだけその話速に近づくように話速を調整します。 この目標値によって歌い方が結構変化するので非常に重要なパラメータになります。話速目標値についての詳細はその4の記事をご覧ください
    先頭音について
    一番最初のモーラを 《先頭音》と呼びます。
    発音が不明瞭なときは話速を下げる事ではっきりと喋らせやすくなります。 もう少しハキハキとした発音にしたいときは話速目を上げてみてください。
    長音符号について
    3モーラ以上のときの中間のモーラを 《長音》と呼びます。
    基本的に話速を下げておいた方が声を伸ばしたときの発音が安定します。
    末尾音について
    2モーラ以上のときの一番最後のモーラを 《末尾音》と呼びます。 話速を下げると声の高さの変化が緩やかになり、話速を上げると高さの変化が急になります。
    サンプル表示
    以降の設定で話速やアクセント句の結合がどのように行われるかを確認できます。サンプル上の話速をクリックして直接目標値を変えることも可能です。


    先頭音・長音・末尾音の話速目標値

    目標値
    話速の目標値を0.50から2.00の範囲で設定可能です。
    ボカロの対応パラメータ
    話速の数値をボーカロイドのどのコントロールパラメータから取得するかを設定します。デフォルトでは対応パラメータは設定されていません。以下にこの設定を活用する場合の一例を載せておきます。

    《参考例》
    対応パラメータをXSY(クロスシンセシス)に設定します。ボカロ上でXSYの数値を先に全て64に設定しておきます。話速目標値を高めに設定したいノートのXSYを上げて、逆に話速目標値を低めに設定したいノートのXSYを下げる事でリズム調整の結果を操作する事が可能です。 ただし話速を変えたときにどのような変化が起こるのかをある程度予想しておく必要があるため、この機能を活用するのは難しめです。
    パラメータの取得位置
    ボーカロイドのコントロールパラメータから目標値を調整するときの数値の取得位置を設定します。0%のときはノートの一番左側の数値、100%で一番右側の数値になります。


    末尾音の利用

    末尾音の話速調節を有効にする
    チェックを付けると末尾音を調整するときの話速目標値を長音の話速目標値と同じ数値にします。
    フレーズの最終モーラは末尾音として扱わない
    チェックを付けるとフレーズの最終モーラを末尾音ではなく長音符号扱いで話速を調整します。 最終モーラは声の高さの変化を調整する必要が無いため、長音符号の話速目標値を利用した方が都合が良かったりします。特に理由が無い限りチェックしておく事をおすすめします。
    長音または同じ母音に続くときは無効にする
    長音符号が続くときは末尾モーラであっても長音符号の話速目標値を利用するようにします。例えば長音の目標値が低めで末尾音の目標値を高めに設定している場合、これをチェックすると長音部分での高さの変化が緩やかになりますが、代わりに声の伸ばし方が滑らかになります。
    フレーズ末尾の長音符号2モーラを結合する
    フレーズの末尾に長音符号が二つ以上続くときに2モーラ分のアクセントを結合します。話速の低い状態で末尾のアクセント句を結合してあげる事で声の切り方が少し滑らかになる・・・かもしれません。




    ロングトーン設定

    音を伸ばす際の文字
    通常は声を伸ばすのに長音符号【ー】を使いますが、必要に応じて別の文字に置き換える事が出来ます。

    自動
    通常は長音符号と同じです。VOICEROIDに結月ゆかりを選択している場合はゆかりモードと同じ挙動になります。

    長音符号
    長音符号【ー】を使って声を伸ばします。

    母音
    直前の歌詞と同じタイプの母音を使って声を伸ばします。
    ここで使われる可能性のある文字は【アイウエオンッ】の7種類です。

    ゆかりモード
    直前の歌詞が【ン】のときだけ【ン】と【ウ】を交互に使って声を伸ばします。ゆかりさんの場合は長音符号を使うよりもこの方が多少自然に声を伸ばす事ができます。

    ゆかりモードEx
    上記のゆかりモードを更に【ウ】の部分だけ無声化されるように変えたものです。特定の条件下ではこちらの方が自然になる場合もあるようです。


    長音符号の結合

    長音のアクセント結合
    長音符号のモーラを全て結合する事ができます。通常はアクセント句を結合すると途中で高さや話速などを変更する事が出来なくなるので調整の幅が狭くなりますが、以下のようなメリットが存在します。

    リズム調整時間の削減
    調整時の話速の組み合わせが減るのでリズム調整の時間が若干短縮されます。

    辞書データのサイズ節約
    ボイスロイドにはフレーズ一つあたりに使える文字数や高さなどのパラメータ変更の数に上限があります。 息継ぎポイントの少ない歌の場合は一つのフレーズが長くなってしまうためこの上限に引っかかり歌う事ができない場合が出てきます。 そのときアクセント句を結合するとフレーズサイズを節約する事ができるのでこのサイズ制限を回避できる場合があります。 ただしそれでもやはり上限はあるためそれでも歌えない場合はどこかで休符を挟めないか検討してみてください。


    (アクセント句を結合したときの調整結果例)


    《休符とフレーズ分割設定》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    促音(ッ)の追加

    ボカロのVELが基準値以下なら促音を追加する
    チェックを付けるとボーカロイド上でVELが一定値以下のときにその直前に促音を挿入する事が可能になります。 これはVOCALOID3ではVELを下げると子音の長さが伸びて促音を追加したときと似たような効果が得られるのを再現するための機能です。

    ※この機能を利用していない場合でもKotonoSyncは短めの休符を自動的に促音で置き換える場合があります。また、後述の発音記号の促音変換機能を利用する場合でも促音は使われます。
    VELの基準値
    VELがこの基準値以下になると促音が挿入されます。
    VELの下限値
    VELがこの下限値以下になると最も話速が低い状態になります。
    話速の最小値・最大値
    VELの数値によって挿入される促音の話速は変動します。基本的にVELが高めなほど話速も上がって、VELが低めなほど話速も下がります。


    休符の無視機能《Ver.1.2.2で追加》

    特定の長さ以下の休符を無視して前後の音を繋げる
    ボーカロイドではBPM120(※)のときにノート間の空白が16分休符よりも短くなると前後の音を繋げて歌う仕様になっています。 そのためボカロでは繋がるように歌っていてもKotonoSyncでリズム調整するとそこで音が一度途切れるなどの差が出来ます。 そこでこの機能を利用するとボーカロイドのこの仕様をできるだけ再現して一定よりも短い休符は繋げて歌わせる事が可能です。

    ただしボカロの休符無視の仕様はかなり複雑なため、完全に再現するものではなく大体これくらいだったら音が繋がるといった作りにしているため、 音が切れるかどうかのギリギリのラインの長さだとボカロと歌い方に差が出る場合があります。

    ※BPM240のときはおよそ8分休符よりも短くなると前後の音が繋がります。
    BPMとTick設定
    特定のBPMのときにこのTick以下の休符を繋げるようにします。BPM120で105TickとBPM240で210Tickは同じ意味になります。通常はこの設定を変える必要はありません。


    発音記号の変換《Ver.1.7.3で追加》

    発音記号の【Sil】を促音【ッ】に変換する
    KotonoSyncでは通常、ボカロの発音記号に【Sil】が使われているとその部分を休符として扱ってその前後を別フレーズの扱いにしますが、これをチェックすると【ッ】に変換して前後を一つのフレーズとして扱うようになります。

    ちなみにボーカロイドで促音【ッ】を歌詞入力すると発音記号は【Sil】として設定されるのでこの機能を使うことで同じようにボイスロイド上でも促音にする事が出来ます。 ボイスロイドで歌わせるときはフレーズを分割するのと促音で繋げるので歌い方に差が出ますので、好みに応じて使い分けてください。

    この機能の弊害として一つのフレーズが長くなるのでリズム調整の時間が長くなる事があります。
    発音記号の【Asp】を促音【ッ】に変換する
    【Sil】の変換と同様に【Asp】も促音に置き換える事が可能です。SilとAspの違いについてはここでは紹介しないので気になる方は調べてみてください。


    ロングトーン設定

    音を伸ばす際の文字
    通常は声を伸ばすのに長音符号【ー】を使いますが、必要に応じて別の文字に置き換える事が出来ます。

    自動
    通常は長音符号と同じです。VOICEROIDに結月ゆかりを選択している場合はゆかりモードと同じ挙動になります。

    長音符号
    長音符号【ー】を使って声を伸ばします。

    母音
    直前の歌詞と同じタイプの母音を使って声を伸ばします。
    ここで使われる可能性のある文字は【アイウエオンッ】の7種類です。

    ゆかりモード
    直前の歌詞が【ン】のときだけ【ン】と【ウ】を交互に使って声を伸ばします。ゆかりさんの場合は長音符号を使うよりもこの方が多少自然に声を伸ばす事ができます。

    ゆかりモードEx 《Ver.1.6.7で追加》
    上記のゆかりモードを更に【ウ】の部分だけ無声化されるように変えたものです。特定の条件下ではこちらの方が自然になる場合もあるようです。


    フレーズの強制分割《Ver.1.1.8で追加》

    全ての休符でフレーズを分割する
    ボイスロイドはその仕様上、ポーズの長さを80ミリ秒よりも短くする事ができません。 そのため休符の長さが80ミリ秒を下回るような曲をそのまま歌うことが出来ないのですが、 KotonoSyncでは休符の長さがあまりにも短すぎると判断した場合にポーズの代わりに促音【ッ】を使って無音を表現しようとします。

    しかしこの機能も完璧ではなく、ポーズと促音のどちらを使うかの判断に失敗する場合があったり、フレーズが長くなりすぎてリズム調整の時間が延びたり辞書サイズの上限により歌わせる事が出来なくなったりする事もあります。

    このフレーズ分割機能を利用すると奇数番目のフレーズと偶数番目のフレーズを別々に歌わせてあとから一つの音声に合わせるため、80ミリ秒未満のポーズを設定できないという問題を回避できるようになります。 弊害として奇数番目を歌うパートと偶数番目のパートに分かれてしまうのでボイスロイド本体でそのまま通しで歌う事ができなくなるというデメリットがあります。


    《その他の変換設定》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    文字種別の無声化

    歌詞の文字種による無声化
    ボーカロイドに打ち込むときの歌詞をひらがなとカタカナで使い分ける事によって無声化の指示を行う事ができます。デフォルトの「なし」の場合は無声化を行いません。「ひらがな」を設定すると歌詞がひらがなのノートの先頭音が無声化されます。「カタカナ」を設定すると歌詞がカタカナのノートの先頭音が無声化されます。
    ひらがな入力・カタカナ入力・英語その他の歌詞
    ひらがな・カタカナ・英語のどのタイプでボカロ上の歌詞が入力されているかによって無声化を使い分ける事が可能です。 文字の種別によらず全ての歌詞の無声化状態を変えたいときは3項目とも同じ設定にすれば大丈夫です。 ただし長音の無声化はその次の無声化条件の設定の影響も受けるので注意してください
    無声化についての詳細はその4の記事をご覧ください

    無声化しない
    ボイスロイドを読み上げるときに無声化を行いません。ただし発音記号に【_0】が使われていたり別の設定で無声化を行う指示になっている場合は別です。

    全部無声化する
    先頭音もそれに続く長音も全て無声化します。

    一音目のみ無声化
    先頭音(1モーラ目)のみ無声化します。

    長音符号のみ無声化
    長音符号(2モーラ目以降)のみ無声化します。
    無声化条件
    長音の数が一定以上になったときのみ無声化を行う事ができます。例えば歌詞の方の設定で「全部無声化する」にしていても、長音数が2個以上のときは「ラー」は1文字目だけ無声化されて、「ラーー」は全ての文字が無声化されます。

    上級者向けの設定ですが、長音の数により無声化したときの発音の仕方が変わる事があるそうなのでそういうときに使えるかもしれません。


    ピッチ圧縮《Ver.1.1.0で追加》

    ピッチ圧縮機能を利用する
    ボイスロイドが歌う事のできる高さの範囲(0.50~2.00)を超えるような音は、変換時に全て0.50もしくは2.00に揃えられてしまいます。音圧を高める際に用いるコンプレッサーのように高さの変化を残しつつ範囲内に数値を納めたい場合はこの機能を有効にしてください。

    外部の音声編集ツールでピッチをあとから再調整する事を前提とした機能です。
    低音の閾値・高音の閾値・圧縮比率
    音の高さがこの閾値以下もしくは閾値以上になったら高さの変化量を比率に基づいて圧縮します。

    例)高音の閾値が1.80で圧縮比率が2対1の場合、元々の高さが2.10の音は1.95に修正されます。
      計算式:1.80 + (2.10 - 1.80) ÷ 2 = 1.80 + 0.30 ÷ 2 = 1.95
    圧縮範囲が最小になるように閾値を自動設定する
    音の高さの最大値・最小値を元に閾値が出来るだけ小さくなるように自動設定します。
    圧縮が必要な音が連続せずに離れている場合は、区間ごとに別々の閾値が設定されます。

    例)音の高さの最大値が2.40で圧縮比率が2対1のときは高音の閾値は1.60として扱われます。

    リズム崩し《Ver.1.2.0で追加》

    乱数によるリズム崩し機能を利用する
    この機能を使うと歌わせるときのタイミングや声の高さをランダムで少しずらす事ができます。
    少し変わった歌い方をさせたい時に使ってみると良いかもしれません。
    リズムの最大ズレ幅(ミリ秒)
    指定したズレ幅分だけ±の範囲で歌うタイミングがランダムでズレます。
    0にすると一切ズレが無くなり通常通りに歌い方になります。
    ピッチの最大ズレ幅(音程)
    指定したズレ幅分だけ±の範囲で歌う声の高さのキーがランダムでズレます。
    0にすると一切ズレが無くなり通常通りに歌い方になります。
    シード値
    シード値が同じときは何度曲変換をしてもズレも同じですが、シード値を変える事で乱数を変える事ができます。 ランダムボタンを押すとランダムな数字に変わります。数字以外の文字を入力することもできます。

    息漏れ追加(ボイスロイド2のみ)《Ver.1.7.1で追加》

    息漏れ追加機能を有効にする
    フレーズの語尾にハ行のモーラを追加してその直後の音量を0にする事で息が漏れたような歌い方にする事ができます。 ただし実際にはあまり綺麗な歌い方にならない場合も多いのであとから細かく調整できる人向けの機能です。 VOICEROID2で可能になった末尾のパラメータ調整機能を使っているのでEXシリーズでは利用できません。


    語尾の話速と無声化
    語尾に追加するハ行のモーラの話速と無声化の設定を行えます。

    リップシンク用のタイミング情報出力《Ver.1.7.7で追加》

    リズム調整時にlab形式のタイミングファイルを出力する
    自動リズム調整が終わったときにWAVEファイルと同名でlabファイルを保存します。

    【labファイルについて】
    CeVIOで使われているリップシンク用のタイミング情報のファイル形式です。一部の動画編集ツールなどではlabファイルを読み込んで立ち絵などを口パクさせる事ができるので、そういうツールと連携させたい時に使ってみてください。

    ※labファイルは手動で保存する事も可能です。その場合はメニューバーの【変換】>【タイミングファイルの保存】を選んでください。
    自然に動くように発音記号を母音で差し替える(β版)
    子音の発音を長めにして別の母音に置き換えた状態のlabファイルを出力するようにします。 これによってもう少し自然な口パクができる事もありますが、逆効果になる可能性も高いので注意して使ってください。 β版の為、後々仕様が変更される可能性があります。
    フレーズごとに個別のlabファイルを連番で出力する。
    通常は最初から最後までを一つのlabファイルとして出力しますが、このチェックを付けると1フレーズずつ別々のlabファイルを作るようになります。


    《一括リズム調整》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    一括リズム調整《Ver.1.7.4で追加》
    この機能についての解説
    作成したプロジェクトファイル(拡張子:vcph)をこのリストに登録しておくことで、一気に複数のプロジェクトファイルをリズム調整する可能になります。
    プロジェクトの登録方法
    右側にある【現在のプロジェクトの登録】を押すと現在編集中のプロジェクトをリスト登録できます。または直接vcphファイルをこのリスト上にドラッグする事でも登録可能です。
    プロジェクトの登録解除
    登録を解除したい項目を選択して右側の【削除】ボタンを押すかDeleteキーを押してください。
    一括リズム調整の方法


    まずは通常通り自動リズム調整の画面を開きます。 【一括処理】にチェックを付けて調整開始するとリストに登録されたプロジェクトが上から順番に調整されていきます。

    既に調整済みのプロジェクトがある場合は調整がスキップされます。
    選択項目を調整済みにする・未調整にする
    選択中の項目を調整済みや未調整の状態に切り替えます。この操作をする事によって実際のプロジェクトファイルが書き換わる事はありませんが、 変換をスキップして欲しいプロジェクトを調整済みにして飛ばしたり、 もう一度調整をやり直したいプロジェクトを未調整状態(※)に戻す事ができます。

    ※プロジェクトの中身も既に調整済みの場合は【リズム調整済みのフレーズも再度調整を行う】のオプションも併用する必要があります。


    《ライブラリ設定》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    ライブラリ設定
    VOICEROIDの声の高さ分析(Ver.1.1.0から仕様が変わりました)
    歌わせたいボイスロイド名がアプリに登録されていない場合は、ここから新しいボイスロイドの声の高さ分析を行うことで登録する事ができます。

    初期バージョンでは詳細な発音情報を分析していた為に20分~30分ほど時間を要していましたが、Ver.1.1.0からは音の高さのみを分析する仕様になった為、30秒~1分ほどで完了するようになりました。



    《システム設定》タブ


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    システム設定

    終了時に開いていたプロジェクトファイルを次回起動時に開く
    アプリの起動時に新規作成の状態ではなく前回の終了時に開いていたプロジェクトファイルを自動的に開くようにします。
    リズム調整後にプロジェクトファイルを保存する
    リズム調整は結構時間がかかるので調整後の保存し忘れを防ぐ為に自動で保存を行います。
    VSQXファイルが更新されている場合はリズム調整前に曲データを再変換する
    こまめにVSQXファイルを変更しながらリズム調整を繰り返す場合に毎回曲データ変換の操作を行わなくても済むように、VSQXファイルの変更を検知してリズム調整前に知らせてくれるようになります。
    リズム調整後に調整対象のフレーズだけテキスト欄に表示する
    通常はリズム調整後の全てのフレーズがボイスロイドのテキスト欄に表示されますが、このチェックを付けると調整対象のフレーズだけ表示されるようになります。

    自動バックアップ機能

    リズム調整前にVOICEROIDの設定をバックアップする
    リズム調整前にVOICEROIDの音声効果などのいくつかの設定を書き換える場合がありますが、この機能を使うとリズム調整前のVOICEROIDの設定を自動的にバックアップする事ができます。
    バックアップの保存数(ライブラリ別)
    ここで設定した件数分だけバックアップが保存されます。ライブラリ別での保存の為、複数のVOICEROIDを使い分けている場合はライブラリ数×バックアップ件数の分だけ保存されます。
    バックアップフォルダの表示
    バックアップデータが保存されているフォルダを表示します。KotonoSyncにはバックアップの復元機能までは搭載していないので、元に戻したいときはここに保存されているファイルをVOICEROIDにインポートしてください。

    ※このタブの設定内容は全てのプロジェクトファイルで共有されます。


    メニューバー内の項目


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    ファイル(F)

    新規作成(N) Ctrl+N
    新しいプロジェクトを作成します。
    開く(O)... Ctrl+O
    既存のプロジェクトファイルを開きます。
    上書き保存(S) Ctrl+S
    プロジェクトを上書き保存します。まだ保存されてない場合は名前を付けて保存します。
    名前を付けて保存(A)... Ctrl+Shift+S
    プロジェクトに名前を付けて保存します。
    開き直す(W) Ctrl+W
    現在開いているプロジェクトファイルを開き直します。設定を変更する前の状態に戻したい時にどうぞ。
    一括処理リスト(B) > リスト内の前のプロジェクトを開く(U) Ctrl+PageUp
    一括リズム調整リストに登録されている一つ前のプロジェクトを開きます。
    一括処理リスト(B) > リスト内の次のプロジェクトを開く(U) Ctrl+PageDown
    一括リズム調整リストに登録されている一つ次のプロジェクトを開きます。
    終了(X)
    アプリケーションを終了します。

    表示(V)

    ノートの表示位置(P) Ctrl+1 / Ctrl+2
    ノートリストを時間表示または小節・拍数表示に切り替えます。
    時間の表示桁数(N) Ctrl+3 / Ctrl+6
    時間表示を小数点以下何位まで表示するかを切り替えます。3位までの場合はボイスロイドと同じくミリ秒単位での表示、6位までの場合はマイクロ秒単位での表示になります。
    子音の再生時間を表示する(C)
    フレーズ冒頭の子音の再生時間が表示されるようになります。子音時間はノートリストの休符の部分に表示されます。


    ノート数とアクセント句数を表示する(N)
    フレーズリストにフレーズごとのノート数とアクセント句数を表示します。 アクセント句数が297以上になると正常にリズム調整を行う事ができなくなります。息継ぎの少ない歌の場合はこの数値が大きくなりすぎていないか確認してみてください。



    変換(C)

    曲データを変換(C) F5
    ボーカロイドエディタなどで作成したVSQXファイルを解析してボイスロイドで歌うためのデータに変換します。既にリズム調整済みの場合はその結果も表示されます。
    キャッシュなしで曲データを変換(F) Ctrl+F5
    VSQXを歌うためのデータに変換します。既にリズム調整済みの場合でも未調整の状態になります。
    リズムの自動調整(Z)... F9
    リズム調整画面の実行画面を表示します。
    調整処理の中断(B) Ctrl+F9
    リズム調整の実行処理を中断できます。
    フレーズの辞書登録(R) F6
    現在の歌データをボイスロイドのフレーズ辞書に登録します。通常はリズム調整時に自動登録されますが、ここから手動登録する事もできます。 もし既にボイスロイド側に辞書登録済みで調声内容をフレーズ編集で変更している場合はそれも上書きされてしまうので注意してください。
    フレーズの辞書登録解除(U)
    歌データをボイスロイドのフレーズ辞書から削除します。元々登録されていない場合は何もしません。
    VOICEROID2用のフレーズ辞書修正(U)
    KotonoSyncのVer.1.2.1以前で辞書登録したフレーズがあるとVOICEROID2に辞書ファイルをインポートする事ができません。 このコマンドを実行するとVOICEROID2でもインポート可能な辞書データに修正する事ができます。
    キャッシュ関連(H) > キャッシュデータを開く(O)...
    KotonoSyncのキャッシュファイル(拡張子:cache)を開きます。通常はプロジェクトを開く時に同名のキャッシュファイルも自動的に読み込まれる為、あえて違うキャッシュを利用したい時に使ってください。
    キャッシュ関連(H) > キャッシュデータを追加(A)...
    指定したキャッシュファイルの内容を現在のキャッシュリストに追加します。
    キャッシュ関連(H) > キャッシュデータを保存(S)...
    現在のキャッシュファイルを別名で保存します。
    キャッシュ関連(H) > キャッシュデータの軽量化(L)...
    現在の変換設定で調整済みのキャッシュ以外を削除して軽量化します。別の変換設定で調整した結果が消えてしまうので注意してください。
    キャッシュ関連(H) > キャッシュデータの削除(D)
    キャッシュリスト内の全ての調整結果を削除します。
    音声ファイルの保存(S)
    現在の歌データをボイスロイド側に登録して音声ファイルとして保存します。リズム調整完了時の音声保存と同じです。
    タイミングファイルの保存(L)
    リップシンク用のlabファイルを保存します。
    フレーズ編集画面のPNG保存(P)... Ctrl+P
    現在VOICEROIDで表示されているフレーズ編集内容をPNGファイルで保存します。KotonoSyncのリズム調整とは直接関係の無いオマケ機能です。

    再生(P)

    選択中のフレーズの読み上げ(S) F2
    現在フレーズリストで選択しているフレーズをVOICEROIDで読み上げます。
    チェック中のフレーズの読み上げ(S) F3
    現在フレーズリストでチェックしているフレーズをVOICEROIDで読み上げます。
    全てのフレーズの読み上げ(S) F4
    全てのフレーズをVOICEROIDで読み上げます。

    ノート(N)

    一つ前のノートに移動(P) / 一つ次のノートに移動(N)
    操作対象のノートを一つ前もしくは一つ次に切り替えます。
    長音数を一つ増やす(M) / 長音数を一つ減らす(N)
    ノートの長音数を増やしたり減らしたりします。
    話速を一つ上げる(S) / 話速を一つ下げる(T)
    ノートの話速を上げたり下げたりします。
    時間の再計測(C) F10
    上記のコマンドで長音数や話速を変更したあとに時間の再計測を行う事で、変更後の時間を表示に反映させる事が可能になります。

    ヘルプ(H)

    バージョン情報(A)
    KotonoSyncのバージョンを表示します。


    自動リズム調整画面


    (Ver.1.7.8の設定画面より)


    リズム調整画面の基本操作

    調整開始
    リズム調整を開始します。
    一時停止
    リズム調整を一時停止します。途中で調整を止めた場合でも再度調整を開始する事で続きからリズム調整する事が可能です。
    ※リズム調整の途中でアプリ自体を再起動してしまった場合は最初からやり直しになります。
    失敗時の再試行回数
    何らかの理由でボイスロイドの操作に失敗した場合にここで設定された回数分だけ再度操作を試みます。

    調整対象のフレーズ

    全てのフレーズ
    現在のプロジェクトの全てのフレーズをリズム調整します。
    チェック中のフレーズ
    画面左側のフレーズリストからチェックを付けているフレーズだけリズム調整します。
    一括処理
    一括リズム調整リストに登録されている複数のプロジェクトをリズム調整します。この場合は特定のフレーズだけリズム調整するという事はできません。
    リズム調整済みのフレーズも再度調整を行う
    通常はリズム調整時に調整済みのフレーズはスキップされますが、これにチェックを使うとそのフレーズも再度リズム調整されます。 一度目のリズム調整で上手くタイミングが合わせられなかったときは繰り返し調整する事で改善できる場合もありますが、必ずしも上手くいく訳ではありません。
    簡易調整モード
    必要最低限のみのリズム調整を行う事で変換時間を大幅に短縮しますが、リズム調整の精度もかなり落ちます。時間を掛けずに歌い方をおおまかに確認したい時に使ってみてください。

    VOICEROID2設定(EXシリーズが調声対象のときは表示されません)

    リズム調整前に一度ボイスロイドを再起動する
    VOICEROID2で操作を行うときは開始前に一度本体を再起動した方が動作が安定する事が多いです。特に理由が無い限りこのチェックは付けておく事をおすすめします。


    関連リンク

    1.KotonoSyncの紹介
    2.KotonoSyncの使い方1・基本編
    3.KotonoSyncの使い方2・リズム編
    4.KotonoSyncの使い方3・設定編(この記事
    5.KotonoSyncの使い方4・応用編

    連絡先:スズモフ(@suzu_dov)



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