メーカーは巨額の費用損失? コロナワクチン開発の高い壁

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 新型コロナウイルスワクチン開発で先行する英国オックスフォード大学チームは、少人数の健康成人を対象にした第Ⅰ相の臨床試験で安全性と有効性を確認したと発表した。9月には実用化が見込まれるという。

 現在、世界で166種類の開発プロジェクトが進行中で、先のオックスフォード大チームを含め23のプロジェクトがワクチン候補として第Ⅰ相の臨床試験に進んでいる。

 新薬の開発は一般的に10年以上の時間を要し、数百億円以上もの費用が必要となる。臨床試験は第Ⅰ相から始まり、少数の患者に投与する第Ⅱ相、そして多くの患者に投与して有効性、安全性を確認する第Ⅲ相試験まである。その後、国の審査承認を経て実用化となる。

 オックスフォード大学チームが新型コロナワクチンの開発をスタートしたのは今年の1月、第Ⅰ相の試験結果が出るまでわずか6カ月だ。ワクチン実用化にはまだ時間がかかるという専門家が多いが、ニッセイ基礎研究所保険研究部の篠原拓也主席研究員が説明する。

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