埼玉労働局が31日発表した6月の埼玉県内の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.09ポイント低下の0.98倍だった。1倍を下回ったのは2016年3月以来4年3カ月ぶり。木塚欽也局長は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、求人が減るとともに求職者が増えており、雇用情勢に厳しさが見られる」とし、雇用判断を下方修正した。
同局によると、有効求人倍率は1.23倍だった20年1月から6カ月連続で低下している。同県は都道府県別で上位から37番目と、全国でも低水準で推移している。
新規求人数(原数値)は前年同月比17.5%減の2万8341件。業種別では製造業の下落幅が大きく、43.5%減の2257件だった。コロナによる経済活動停滞の影響で、化学製品製造やパン・菓子製造などの求人が大きく落ち込んだ。
生活関連サービス業・娯楽業は18.4%減の809件。コロナの影響でカラオケ店やパチンコ店などの経営が振るわず、採用数を減らした。宿泊・飲食も21.3%減の1165件だった。訪日外国人客の激減などを受け、調理人関係の求人などが減少した。
新規求職者数は前月比29.4%増の1万9866件と2カ月連続で増加。木塚局長は「新型コロナの影響で止まっていた経済活動は徐々に再開しているが、採用活動を控えるなどの動きが目立つ。コロナの雇用への影響は引き続き注視する必要がある」と述べた。