「Go To」どころじゃない…全国で1日最多795人感染 小池都知事、4連休の外出自粛要請
2020年07月23日 05:30
社会
東京都では、感染者238人を確認。7月は3829人となり、緊急事態宣言が発令されていた4月の3748人を上回った。
小池百合子都知事は会見で、23日からの4連休に向けて「第2波との覚悟を持ち、感染予防や対策を万全にし、外出はできるだけ控えてほしい」と都民に要請した。4連休は感染拡大を食い止められるかどうかの重要な期間として「“感染しない、させない”を合言葉に過ごしてほしい」と訴えた。
一方で、これに反するメッセージを発したのが菅義偉官房長官だ。会見で、外出を容認すべきとの見解を示した。「外出する際は3密を避けるなど、感染防止策を徹底してほしい」と発言。感染防止策を取れば外出しても構わないかと質問されると「専門家の皆さんからご理解いただいている」と答えた。
両者は旅行需要喚起策「Go To トラベル」を巡って溝を深めているが、この感染拡大の事態では、政府の対応を疑問視せざるを得ない。
《大阪も最多121人が感染》第2波の懸念が高まるのは東京だけではない。大阪府は、病床確保計画でピーク時の新規感染者数と推計した130人に迫る121人の感染を確認。最多だった4月9日の92人を大きく上回った。吉村洋文知事は会見で、状況の悪化した地域を除外する基準を国が示すべきだと指摘した。
愛知県も過去最多の64人。名古屋市は44人で、21日の22人を大幅に更新するなど大都市圏での増加が目立つ。
疲弊した観光業界からは“救世主”と期待される「Go To」だが、感染拡大で除外される地域が増えれば、十分な経済効果が出ない懸念もある。旅行で感染拡大を招き、経済に打撃を与える恐れも拭えない。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「東京以外にも感染が広がり、事業は尻すぼみになる可能性がある。政府は開始のタイミングを見誤った」と指摘している。最悪のスタートを切ったキャンペーン。感染者数の最高値を更新し続ければ、旅行を楽しむどころではない。