FX業界の人種マップとその特徴
FX業界にはさまざまな人種というか役割の人たちがいます。職人気質の開発系の人から、ちょっと詐欺師っぽい商材屋さんまでさまざまです。
「FX」と耳にするだけで胡散臭いと思う人が多いので、今回はそんなFX業界に携わる人たちの特徴と性格についてご紹介します。
ただし、真の意味で第三者的視点に立つことは不可能なので、なるべく客観的になるようにしますが、主観も多少は入り混じってしまうと思います。
まずは一番接触確率の高いところから、
FX商材屋さん(アナログ)
おそらく、FX業界を世に知らしめたと同時に評判を落としもした層です。セミナーや喫茶店で勧誘します。MLMの人にちょっと近いですが、推しが強くないので、もう少しさっぱりしているかもしれません。
というのも、そこそこ儲かっているので、そんなにガツガツしなくても、他でたくさん儲けられるっていう事情があると思います。
なんとなくグレーとか白いジャケットを着ている印象があります。(ヘンケンー)
商品単価は2万円から高い場合は50万円くらいの印象です。昨今ではデータが入ったUSBを40万で販売している、なんてニュースもありましたね。
商品の内容は、テクニカル分析の教科書だったり、インジケーターだったり、自動売買ソフトだったりです。営業トークは磨きをかけますが、FXの知識には磨きをかけません(笑)。込み入った質問はしないであげてください。
2017年ごろは仮想通貨に流れていましたが、その後の暴落でどうなったことやら…
FX商材屋さん(デジタル)
オンライン上でFX商材を販売している人たちです。比較的プル営業です。ゴゴジャン(FXON)とかも広義にはこの部類ですね。アナログの人たちと違って、顔が見えないのでインフォトップやA8の忘年会や会合などに行かないとまず実際に会うことはないと思います。
決済手段にクレジットカードがあったりするので、仮に利用者の評判が悪くても社会的な信用はあります。カード決済会社はこの人たちによる売上の恩恵が大きすぎるのであまり強く言えないみたいですね。
あと、商品単価はアナログの人たちよりも小さいですが、販売数が桁違いなので儲けるレベルも(場合によっては)桁違いです。
特商法の関係で、法人でやっていることが多いですが、メンバーは数人規模です。東京の一等地の住所にしていることが多いですが、バーチャルオフィスかレンタルオフィスですよ、たぶん。
大抵は高級ペライチのランディングページを用意してプロダクトローンチとかをしています。微妙に間違えられやすいですがアフィリエイターではありません。
アフィリエイター
FX情報商材屋さん(デジタル)と混同しやすいですが、微妙に違いがあります。商材屋さんは商品を直接販売していますが、純粋なアフィリエイターは販売はしていません。もちろんどっちもやっている人もいます。
大きな違いは商品を直接販売する商材屋さんの場合、特定商取引法に基づく表記(責任者名とか住所とか)があるってことですね。
FXのブログの場合ももちろんそうですが、全然関係ない2chまとめブログでもXMなどの広告を見かけますね。
アフィリエイターに関しては顔が見えないですし、会う機会もないのでテキストからにじみ出る性格しか基本的にはわからないです。
ただ、あさーくひろーいページばかりを量産するサイトが多いので、あんまり知識はないんでしょうね。
この業界の中ではそこまでお金に対して欲求がないイメージです。
裁量FXトレーダー
裁量(手動)でトレードしている層は細かく分かれますが、個人的な印象では”中間層”がいないイメージです。
というのも、超天才トレーダーで億単位で勝っている人は裁量トレーダーですが、同時にすぐに退場するような下位層の人たちも裁量トレーダーだと思います。(2chでギャーギャー言ってる人たち)
かといってFXの場合100ロットでMax頭打ちになるので、優秀なトレーダーでも1~3億くらいが上限なんですよね。それ以上の資金なら株や仮想通貨に行かざるを得ないと思います。
勝ったり負けたりを繰り返しながら、”次こそは”という希望をもってまた負けてないですか、この人たち。好きな話は”FXで億儲けた話”(真偽不明)
自動売買トレーダー
自動売買でシステムトレードをしている層も大きく二つに分かれると思います。一つは自分で検証・開発などをして着実にスキルをためているトレーダー層です。2つ目はFX商材屋さん(アナログ)の話に乗せられてよく分からない間に自動売買トレーダーになっている人たちです。
スキル、知識面で言えば、自分で検証・開発している自動売買トレーダーの方が圧倒的に上なのですが、運用する資金はあまり大きくない(というか小さい)印象があります。おそらく、技術系特有の”極端にリスクを避ける性格”が災いしているのでしょうね。
頭がいいのか悪いのか、パターン分けの迷路にはまっている人が多いイメージです。
一方、FX商材屋さんの紹介で訳も分からず自動売買している層は、商材屋さんが目をつけるだけあって大抵がちょっとした富裕層です。なので、いきなり100万円、1000万円入金するような人もいます。逆に、紹介されて始めたのに数万円~十数万って話はあまり聞かないですね。
FX業者(親玉)
トレーダー視点で見ると、どのFX業者も大差ないように見えますが、実はFX業者にも上下関係があります。
端的に言うと、下請け(ホワイトラベル)のようなものが存在するんですね。
FXPROとかは明らかにトップの部類に入ります。ただ、資金力はあっても法的規制の影響を受けやすいので、各国の当局がなんやかんや言い出すとそれに従うか、逃げるしかないという弱い面もあります。
FX業者(ホワイトラベル)
ホワイトラベルという言葉に聞き覚えがない人のために簡単に説明すると、中身はそのままにしてロゴや名前だけ自社名変えたFX業者です。
具体的には、システムの中身は〇〇FXだけど、ロゴとサイトだけ変えて△△FXという名前でビジネスしてます、ってやつです。
月に数十万契約とかでホワイトラベルになれます。なぜ、わざわざお金を払ってそんなことをするかというと、抱えてる顧客(トレーダー)の囲い込みをしたい場合がほとんどだと思います。
スプレッドとかは親玉より悪くなることはあっても良くなることはまずないので、ホワイトラベルと分かったらその大元の業者を使った方がいいですよ。(ノミ業者になれば別)
小さいFX業者は数人で動かしている場合もあります。なぜかFXDD出身の人がやっていることが多いですね。
LP(リクイディティプロバイダ)
圧倒的な資金力を持ち、為替そのものを動かしている会社です。もはやFX業者の出る幕ではなく、大抵は世界的銀行だったりします。
ここで本来の為替取引が行われていて、FX業者はここからレートを引っ張ってきているだけです。
より多くのLPとコネクションできればそれだけ資金の流動性が増すので、FX業者としてはスプレッドを下げることができます。
イギリスのLMAXとかCITIとかがリクイディティプロバイダしてますが、個人レベルでは契約できないので諦めましょう。
自動売買ソフト開発屋さん(開発代行)
よくこの業界ではソフト開発屋のことを”開発代行”って言いますが、これには”プログラミング初心者でも開発できて当たり前”ってニュアンスがありますよね。
大抵はMT4用のEAが対象です。まれにMT5やcTrader,TradeStationのストラテジをやってくれるところもあるかもしれません。
商材屋さん(アナログ・デジタル)はここでソフトの開発を依頼しますが、開発屋さんは開発費以外の恩恵を受けることはまずありません。開発費は数万円程度なのである意味この業界で一番コスパが悪いかもしれません。
開発者は、他のCやC#などの言語をやっていた人よりも、”初めての言語がMQL”という人が多いので、思わぬ仕様上のバグや瑕疵が発生することが多いような気がします。
プログラマー気質な人が多いですね。
VPS会社(サーバー系)
FX業界のこまごました利害関係からはちょっと離れているのがトレード専用のサーバー系会社です。ほとんどBeeks社のことですが、新しいトレード専用VPS会社ができてもBeeksが買収してしまうので、だいたいBeeksになります。
トレードするわけでもなければ、営業するわけでもないので、基本的には一番”スタンドアローン”な人種です。でもプログラマーよりは我が強い、というか自己の利益を主張する印象です。
ほぼ寡占状態なので安定的な売り上げがあります。(おそらく年間5億円~10億円くらいかな)
近年、それに目を付けたFX業者がエクイニクスに自前のサーバーを用意して、トレーダーにVPSを提供する動きも出ているようです。
気質としてはFX業界の人というよりもサーバー系の人の性格なので、淡々としているイメージです。
メタクォーツ社
MT4,MT5を開発・提供しているロシアの会社です。実質ロシアですが、登記上はオフショアにしています。
FX業界のプラットフォームを牛耳っている企業です。MetaTraderはライセンス契約なのでFX業者がMT4を採用するにはシステム使用料を継続的に支払う必要があります。
似たようなソフトウェアを数々の企業が模倣しましたが、MT4のシェアに押されて消えていきました。しかし、MT4があまりに強すぎて自社のMT5すら全然売れないという始末…
実はTeamWoxっていうコミュニケーションアプリもあるんですけどね、知ってる人いるんですかね。
ファンド(MAM PAMM)
FXのファンドをやってる人たちです。
FX情報商材屋さん(アナログ)と層が比較的かぶります。日本では営業ができないことになっているので、アナログなプッシュ営業で富裕層に個別アタックしているイメージです。
セミナーをやっている話も聞かないですね。
あまり長生きするものではなく、長持ちしても3年くらいのものが多いと思います。短い場合は半年とかかな。
中にはトレードをはじめからしていないポンジスキームもあるので、”誘われた投資は受けない”ってスタンスでいいんじゃないでしょうか。
しかし中にはまじめなファンドもあって、利率はそれほど目立たないけど堅実な投資をしているところもあると思います。ただ、それを見極めるのって至難の業ですしおすし。
番外:FX被害者コンサル
FX関連で被害を受けた人たちに対して対応する人たちです。弁護士だったりですね。FX業界と言えるのかというと微妙ですが、お金の流れを考えるとFXが元です。
本物の弁護士ならいいですが、「被害者を救済します。その資金として〇〇円振り込んでください。」みたいな古典的な詐欺に引っ掛からないようにしてくださいね。とは言え、多額の資金の損失が出たら、冷静な判断ができないかもしれないので、こういうことはあらかじめ知識として知っておく必要がありますね。
出番は、ファンドが破綻したとき、商材屋さんにカモられたときです。
FX業者が破綻した場合はFX業者そのものを訴えることはまず困難なので、代理店があった場合には代理店にターゲットを絞りましょう。
「で、結局お前は何なんだ?」って?
それはご想像にお任せします。
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