文部科学省で教科書検定の調査官を務める人物が、北朝鮮のスパイリストに記載されていたと『アサヒ芸能』(7月30日号)が報じた。この報道を受け、7月31日、萩生田光一文科相は閣議後の会見で「考えられるすべての情報を収集し、(今後の)方向性を報告したい」と調査の意向を示した。
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同誌によれば、韓国の大学で講師していた際、北朝鮮工作員にスカウトされた日本人学者X氏が、教科書検定の調査官に就任していたという。
教科書検定といえば、2019年におこなわれた中学校の歴史教科書検定で、保守的とされる「新しい歴史教科書をつくる会」の『新しい歴史教科書』(自由社)が不合格となり、同会から抗議の声が上がった経緯がある。
一方で、検定に合格した教科書には「慰安婦問題」「南京大虐殺」などの記述があったことから、同誌は、X氏が日本を貶めようという意図をもって、裏で動いていた可能性を指摘している。
萩生田文科大臣の会見と同日、「文科省『不正検定』を正す会」も、都内で会見を実施。代表の加瀬英明氏は、報道内容について「真偽はわからないが、なぜ(X氏は)反論しないのか。徳間書店を名誉棄損で訴えないのは理解に苦しむところ。(国の)中枢にいる調査官の主任が工作員だというのは、日本国民に深い不快感を与えている。文科省は何らかの対応をする責任がある」と語った。
ただ、文科省はこの日の会見で、すでに本人に聞き取り調査をしており、「まったく身に覚えがない」との回答をもらっことを報告した。X氏は歴史教科書の検定に関わったものの、不合格となった自由社の教科書については「担当外だった」としている。
北朝鮮スパイが教科書検定に関わっていたとしたら、国家を揺るがす大問題となる。文科省の正式な調査結果が出るのを待ちたい。