[メルボルン 31日 ロイター] - オーストラリア南東部のビクトリア州は31日、新たに627人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。前日の723人に次いで過去2番目の多さとなり、アンドリュース州首相は感染抑制に向けた行動制限の強化を示唆した。
ビクトリア州で新たに報告された死者は8人で、過去最多となった前日の14人から減少した。
豪州全体のコロナ感染症による死者の累計198人の半数以上をビクトリア州が占め、全国の累計感染者数およそ1万6900人の約6割が同州で確認されている。
アンドリュース氏は記者会見で「(感染者や死者の)数字が依然として高過ぎるのは誰の目にも明らかだ」とし、「追加措置を講じる必要があるかもしれない。追加措置が必要か、どのような措置が必要かは、データと専門家が示すだろう」と述べた。
ビクトリア州の州都メルボルンではロックダウン(都市封鎖)が再び導入されている。封鎖は8月19日まで6週間の予定で実施されているが、州当局は感染拡大の傾向を詳しく分析し、新たな制限措置を導入するか判断する。
モリソン豪首相はこの日、最大都市シドニーでは感染拡大は抑えられているとの見解を示す一方、第2の都市メルボルンでの感染者急増では難しい対応を迫られていると認めた。
モリソン氏はラジオ番組で「ビクトリアでの市中感染の規模が大きな課題になっている」と指摘。「多くの取り組みがなお必要で、まだ対処しきれていない」とした。
一方、シドニーを含むニューサウスウェールズ州については接触者追跡がビクトリアよりもはるかにうまく機能しており、パブやレストラン、高齢者福祉施設から感染が広がるのを抑えたと説明。
「大きな違いは、ニューサウスウェールズでは感染経路が不明なケースがないということだ」と強調。これが同州について安心感を抱く理由の1つだとした。
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