新型コロナウイルス感染症対策について専門家から意見を聞く厚生労働省のアドバイザリー・ボードが30日に開かれ、換気の悪い密室で空気中に漂う微粒子「マイクロ飛沫」を介した感染について、新たな感染経路として注意を呼び掛けた。
飛沫感染や接触感染の感染経路の具体的な事例も示し、改めて「3密」の回避を促した。
マイクロ飛沫感染は、呼気などに含まれて空気中を漂う飛沫より小さい微粒子を介する感染。通常、くしゃみや会話で飛散するつばなどの飛沫は1~2メートル程度で落下するが、小さな飛沫はマイクロ飛沫となって広い範囲をしばらく漂う。
アドバイザリー・ボードは、換気の悪い密室でマイクロ飛沫感染が起きやすいことを指摘した。一方、感染対策がとられている店舗での買い物や食事、十分に換気された電車での通勤・通学で、「マイクロ飛沫感染」が起きる可能性は限定的とした。
これまで、新型コロナの主な感染経路は飛沫感染と接触感染と考えられてきた。世界保健機関(WHO)が9日に新しい指針を公表し、混雑した空間でマイクロ飛沫感染が発生している可能性を認めていた。
アドバイザリー・ボードは、接触感染や飛沫感染の具体的な事例も紹介した。ドアノブやタッチパネルに触った手指や、飲み会でウイルスが付いた食べ物を通じて感染する可能性を指摘。手洗いや手指消毒、マスクの着用を改めて呼び掛けた。