上半期の刑法犯15%減 コロナ禍で街頭犯罪少なく

新型コロナ
社会・くらし
2020/7/30 11:39

2020年上半期(1~6月)に全国の警察が認知した刑法犯の件数は前年同期より5万6010件少ない30万7644件(15.4%減)だったことが30日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が影響したとみられ、街頭犯罪が大幅に減った。

ひったくりや路上強盗、自転車盗などの街頭犯罪は9万9573件で、前年同期比で22.4%減った。月別に見ると、1~3月は5.8~10.3%減で推移し、緊急事態宣言下で外出自粛が続いた4月は31.8%減、5月は43.2%減だった。宣言解除後の6月は27.8%減だった。

未遂を含む罪種別で見ると、全体の7割を占める窃盗犯は21万1409件で17.8%減った。暴行や傷害などの粗暴犯は2万5371件(9.2%減)、詐欺などの知能犯は1万6354件(9.6%減)、殺人や強盗などの凶悪犯は2219件(5.7%減)。

窃盗犯のうち、店舗を狙った出店荒らしは8.3%減で、空き巣などの他の侵入盗と比べて減少幅が小さかった。コロナ禍で営業時間を短縮したり休業したりした店が狙われたケースがあったことも影響した可能性がある。

オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺は14.4%減の6861件。被害額は約128億6千万円で15.6%減った。警察庁の担当者は「コロナ禍で同居する家族の在宅時間が増えたことも被害防止につながった可能性がある」と話す。

年間の刑法犯認知件数は02年の約285万4千件をピークに03年から減少が続いており、20年は戦後最少を更新した19年(74万8559件)を下回るペースとなっている。

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