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現在のバランスについて②「後衛WPの自己完結力」

by
ガガガプリースト
ガガガプリースト
ガガガプリーストでございます。前回の投稿ではたくさんのいいねをしていただき、ありがとうございます。

特に前置きすることもないので早速ですが、今回は「後衛WPの自己完結力」について話そうと思います。

ここでの自己完結力とは、主に「対応できる射程、またはキャラやWPの多さ」「自衛力」「拘束武器等を自分で回収する力」の3つを重点とした場合の、そのWPの完成度を示します。
※決して誰が使っても強いWPと言う意味ではありません。人には向き不向き、好みがあるわけですから、自己完結力の高いWPにしか価値がないという内容ではないということをあらかじめご了承ください。また、今回の内容は「そのWPにおいて、ある程度の熟練度がある」という前提で進めます。極端に上手い人や、練習不足の人が使った場合はまったく想定していないということも、ご了承ください。

本題に入る前にまず、前提として「射程が長い武器の方が強い」という事実があります。相手に攻撃の機会を与えずに一方的に仕掛けられるわけですから、当然のことです。
しかし、ガンストではこれに「4vs4」「キャラクターごとの移動速度、当たり判定の大きさなどの違い」があるため、状況次第ではそうとも言い切れません。それがこのゲームの大きな魅力の1つでもあります。

また今回は近距離、遠距離など、武器の射程距離に関する内容について多く触れます。
目安として、~30mを近距離、~70mを中距離、それ以上が遠距離、という認識を持っていただけると、読みやすいかもしれません。


前提について確認したところで、結論から言います。「前衛WPの自己完結力」に対して「後衛WPの自己完結力」が高すぎる、という問題が今のガンストにおいて存在します。当然すべてのWPにおいて当てはまるわけではありません。

まずはいくつか例を挙げながら、前衛WPの自己完結力について評価してみましょう。

突撃ストライカー コスト1800 耐久値660 パワータイプ
ダブル右 鉄球ハンマーガンLv3
ダブル左 鉄球ハンマーガンLv3
サイド  ビームショットガンLv4
タンデム マルチボムランチャーLv4

王道2落ち前衛WPであるこのWPは、両手に鉄球ハンマーガンを持っているのが最大の特徴と言えるでしょう。鉄球ハンマーガンはリロードの概念がなく、放った鉄球が戻ってきさえすれば再び発射できるため、基本的に弾切れによる隙を晒しにくいという長所があります。このWPはジョナサン特有のスーパーアーマーを活かし、サイドのビームショットガンや17mという長い格闘射程も相まって、近接戦において無類の強さを発揮します。対シールドの局面においても非常に強く、スーパーアーマーがあるため、シールド持ちWPではダブル右の武器のみで迎撃しきれないことが多いでしょう。また、その巨体からあまり目立たないが、ダッシュの最終速度(ダッシュ後ステップを踏まずに移動し続けた際の速度)がそれなりに高いため、自分の得意な距離で戦うことが比較的容易と言えるでしょう。しかし、このWPの最大の役割は「より多くのターゲットを集めること」なので、積極的にタイマンの構図を作ることは好ましくありません。
このWPの弱点は、なんといってもその巨体ゆえ、奇襲をかけることがほぼ不可能であること、単発でダウンを奪いやすい武器に対して抵抗しにくいという点があります。オンスロートやバトルマスターなどの両手マグナム系持ちや、遠距離からアンチマテリアルライフル、ロングバレルビームライフル、キャノン砲を貰い続けると、戦線の維持が困難になり、愚直に突撃するだけではターゲットを集めることなく、いくら通常キャラの1.5倍近い耐久値があるとはいえ無駄にコストを消費することになりかねません。
加えて、最も長い射程の武器が即効性に欠くマルチボムランチャー(最大射程はせいぜい5~60m程度)であるため、鉄球ハンマーガンの射程25mを超える位置にいる敵に対して、有効打を持たないという点も挙げられるでしょう。
自身がその存在感で敵のターゲットを集めている中、そこにカットを入れる準前衛、中衛のカバーが必須です。特にマグナム系を防げるシールド持ち準前衛はストライカーの心強いパートナーとなってくれることでしょう。

標準ウォーリア コスト1700 耐久値470 パワータイプ
ダブル右 鉄球ハンマーガンLv5
ダブル左 指向性シールドLv3
サイド  フルオートショットガンLv3
タンデム スタンボムランチャーLv3

こちらも突撃ストライカーと双璧をなす2落ちWPと言えるでしょう。
ジョナサンとは違い、シールドを持っているのが特徴です。羅漢堂はダッシュの最終速度が全キャラ中トップクラスに早く、より距離を詰めることに特化した性能になっています。そのため比較的奇襲を狙いやすく、状況によっては正面から突撃してターゲットを集めることもできるポテンシャルの高いWPです。レバー↓格闘以外は単発で高い威力を確定で出すことができるため、混戦状態でもハンマーを外した後のリカバリーが効きやすいという点もあります。
こちらの弱点はスーパーアーマーがそれほど強くないため、中距離からの攻撃や、複数の敵から攻撃を受ける状況での反撃が難しい点にあります。また、シールドを持っているとはいえ、図体の大きさに対して耐久が低めなので、遮蔽物等をうまく利用しないとあっという間に倒されてしまいかねません。シールドが割られた際の硬直も大きな隙となるので、対峙する相手や状況はよく見極めなければなりません。また、タンデムのスタンボムランチャーは空中の敵に対して有効性が低すぎるため、突撃ストライカー以上に中距離の相手に手出しができないというのも欠点です。

標準オンスロート コスト1600 耐久値320 スピードタイプ
ダブル右 ビームマグナムLv5
ダブル左 ビームマグナムLv5
サイド  ライトショットガンLv6
タンデム ライトマシンガンLv5
 サブ  5wayグレネードランチャーLv2

このWPはビームマグナムによる絶大な攻撃力とリカルドの素早さを活かし、敵に対してプレッシャーをかけながら奇襲をメインに仕掛けていくタイプの前衛です。先述の2種のWPに対し、通常の体格であるため、被弾を極力抑えながら戦うことができ、また抑えなければいけない立場にあります。高い攻撃力と素早さの代償として耐久値が非常に低いため、ギャンブラーのリカルドに見合った性能と言えるでしょう。見た目の威圧感やスーパーアーマーではなく、瀕死状態での補正との相性などを鑑みて、抑えなければいけないという意識を相手に与えることが可能です。また、取り扱いの良いライトショットガンや、ライトマシンガンを持つため、ビームマグナムに頼れない局面でもそれなりに器用に立ち回ることができます。
弱点はビームマグナムを主体とする関係上、シールドに対してめっぽう弱く、ライトショットガンの射程に入れば挽回のチャンスがあるとはいえ、反射型指向性シールドやエリアシールドには手も足も出ないという点です。当たり判定が大きく若干の誘導が効く鉄球ハンマーガンと比べると、マグナム系の宿命としてプレイヤーに求められるAIM力がそのまま前衛力に直結してしまうという特徴もあります。

標準ヴァンガード コスト1700 耐久値440 パワータイプ
ダブル右 ヘビーマグナムLv4
ダブル左 指向性シールドLv3
サイド  ヘビーショットガンLv4
タンデム ガトリングガンLv3

丁度標準ウォーリアと標準オンスロートの中間点に位置するWP。編成次第では1落ちと2落ちの両方をこなすことができる器用さを持ち、標準ウォーリアほどではないにせよシールドに対する力が高い割には射程が長めであることと、標準オンスロートのように安定した火力を出しながらもシールドを持っているために対応できる相手が非常に多いのが最大の長所です。
鏡磨は瀕死状態での攻撃力の補正が他のキャラより高く(最大1.5倍)敵からの注目を引きやすい代わり、致命的に移動速度が遅く、遠距離から狙撃されることが何よりの弱点です。動き回るのが苦手なため、ラスキル候補として目を付けられてしまうと逃げ切ることができず、うまくタイマンに持ち込んで敵を完封するためには中距離からの遊撃で敵を散らせることができる味方の存在が重要になります。
また、鏡磨で2落ち前衛をする場合、より武装やコストの軽い軽装ヴァンガードが好まれることもあります。

軽装ヴァンガード コスト1500 耐久値420 パワータイプ
ダブル右 マグナムLv3
ダブル左 軽量型指向性シールドLv5
サイド  ショットガンLv2
タンデム 火炎放射器Lv3

標準ヴァンガードよりも瞬間火力が下がった代わりに多少の小回りが利くWPです。火炎放射器の射程は短くないものの、敵をダウンさせる性能に関してガトリングに大きく劣ってしまいますが、ジョナサンなどの高耐久キャラクターに対して効率よくダメージを与えられるのはこれ以上ない強みです。

強襲スキャンパー コスト1900 耐久値500 スピードタイプ
ダブル右 ヘビーハンドショットガンLv4
ダブル左 ブースターLv5
サイド  スタンラインガンLv3
タンデム レーザーガトリングガンLv3

ブースターによって読まれにくい動きと、瞬間的に間合いを詰めることを得意としながら、レーザーガトリングガンによる中距離からの攻撃手段にも優れた万能構成が売りのWPです。格闘倍率が1.1倍あるため、スタンラインガンの回収にもそれなりの火力を期待できますが、図体に対して耐久がかなり低い点と、ボーラやスタンの耐性が低く、若干のスーパーアーマーの影響で被ダメージが大きくなるために、繊細な立ち回りができないと天敵となりうるWPが比較的多く、それによって動きを大きく制限させられてしまうという弱点があります。逆に言えばブースターと図体を活かし、プレッシャーをかけながら射線を切ってブースターの回復を待つ動きを織り交ぜることによって、敵に攻撃したくてもできない時間を作らせることができる非常に上級者向けWPと言えるでしょう。また、もともとのダッシュ性能が平均並みなので、スピードタイプ覚醒の恩恵が少ないという難点も抱えています。

標準インフィルトレーター コスト1700 耐久値360 スピードタイプ
ダブル右 マグナムLv3
ダブル左 ステルス装置Lv4
サイド  ライトショットガンLv4

タンデム グラビティランチャーLv2

軽装強襲アサシン コスト1500 耐久値350 スピードタイプ
ダブル右 アサシンソードLv5
ダブル左 アサシンソードLv5
サイド  ロングバレルショットガンLv3
タンデム シャボンランチャーLv3

これらは攻撃力や耐久力に欠けるものの、高い機動力とダウンの取りやすさで奇襲をかけることに重点を置いた前衛WPです。その素早さを活かし、短い射程を補って余るほど中距離以上の敵にちょっかいをかけやすく、敵のラインを乱すことに長けています。しかしどうしても攻撃力が低いので、無視されがちな点と、敵に無敵時間を増やす一方では有利には結び付きにくい点があるため、他の味方に低い攻撃力を補ってもらう必要があります。


ざっくり前衛WPについてまとめてみました。(今回は主に武装構成について話をします。私はこれらのWPをそれほど使っているというわけではないので実際の使用感について解説はこれ以上できませんし、今回はするつもりもありません。それぞれの詳しい解説についてはもっと上手い人からアドバイスをもらったほうが有益かと思います。)
どのWPにもほぼほぼ共通して言える点は「近距離の強さの代償として、中距離以上に手出しがしにくい」という特徴があります。その弱点をいかに4人で補い合うことができるかが勝利に直結します。

そもそもなぜ2落ち前衛枠が必要なのでしょうか?

その答えは最初に確認した「射程が長い武器の方が強い」を覆すためにあります。長射程で活躍できるキャラを、狙撃に専念させないために前衛は存在します。いわゆるラインを形成し、敵を押し込み、射程の有利を潰し、あるいは敵を散らせることで味方の援護を期待できない状況を作り上げることが前衛の最も大きな役割です。体を張って敵の注意を引くために敵陣に突撃しなければならない立場であるがゆえに、2回落ちる権利がもらえるわけです。
この「前衛は後衛を止め、後衛は前衛を止める」という鶏と卵のような理論を、多岐にわたるWPの組み合わせによって生まれる相性の差によって先に制したチームが勝つようにできています。

ここで「後衛WPの自己完結力の高さ」が問題となってきます。
簡単に言うと、後衛たちは極論、前衛の手を借りなくても自分だけでなんとかできてしまえるということです。
前衛が近距離においてのみ強さを発揮するならば、後衛は遠距離においてのみ強さを発揮するのが道理です。
今回は特に深く触れませんが、レンジャーやカーネイジなど、マシンガンやガトリングガンをメインに戦う中距離武装の揃ったいわゆる中衛というものも存在します。彼らの役割は味方前衛の援護、向き合っていない敵前衛への妨害、ライン上げ後の敵後衛のケア(要は全て)が主です。攻撃力や向き合った状態での戦闘の面において前衛や後衛たちに一歩劣る立場である代わりに、自分の役割をこなすために中衛は自己完結力が高くできています。

遠距離における強みとは、長射程に加えた攻撃力の高さです。自分が近距離に寄られたら弱くなる分、味方からの援護をもらいながら距離を保ち続けることのリターンが必須です。また、攻撃力が低い後衛をわざわざ相手にする理由もなくなります。そのため、前衛が2落ちするためにコストを極力節約する(よほどのことがない限り、2落ち枠は1900以下が望ましい)ために、余ったコストでなるべく武装のレベルを上げることが重要になってきます。(インコスト編成も重要ではありますが、時と場合によります。)

ここでまたいくつか例を挙げていこうと思います。

標準シャープシュータ― コスト2000 耐久値380 スナイプタイプ
ダブル右 インパクトガンLv3
ダブル左 指向性シールドLv2
サイド  アサルトライフルLv4
タンデム スナイパーライフルLv7
 サブ  ズーム機能

典型的後衛WPの構成。スナイパーライフルLv7は単発で145、HS倍率は圧巻の1.6倍を叩き出せるため、180mという超遠距離において絶大な攻撃力を誇ります。アサルトライフルもフルヒットで180以上のダメージを出すことができるため、いるだけで相手のプラズマ波動砲や反物質ロケットランチャー、ヘビーガトリングガンなどの重い武器の使用を大きく制限することができます。
そのかわり耐久値は決して高くなく、スナイパーライフルの宿命としてカメラ追従率(武器を構えている間に敵が動いたとき、どれだけ敵を画面の中心に据えることができるかを示すステータス。これが悪いと敵が素早く動いたときに追い切れず、画面の外に逃げてしまう)が非常に悪く、中距離での迎撃をダウンまでにそれなりのHIT数を要求するアサルトライフルに頼らざるを得ません。さらに寄られるとレベルの低いシールドと、装填数の少ないインパクトガンが最後の生命線になってしまします。オルガは垂直ジャンプのスピードは高めであるものの横の移動が遅く、逃げることも難しくなります。

捕縛タクティクス コスト1800 耐久値410 スナイプタイプ
ダブル右 ビームマシンピストルLv5
ダブル左 ビームロッドガンLv3
サイド  シャボンランチャーLv2
タンデム 衛星ビーム砲Lv4
 サブ  衛星迫撃砲Lv5

捕縛の名の通り、拘束武器を2種持ち、タクティクスの最大の強みである射程無限の衛星ビーム砲のサブに衛星迫撃砲も付けたWPです。タクティクス全般に言えることですが、衛星武器は射程が無限であり、上空から放たれるという性質上敵から撃たれるリスクを冒さずとも攻撃することができます。その代わり、衛星武器は着弾までにタイムラグがあるので、相手の動きを読む力が要求されます。衛星ビーム砲は1発を芯で当てることができれば200以上のダメージを出すことができ、衛星迫撃砲も単発で鉄球ハンマーガンとほぼ同等の110ダメージを出すことができます。さらに、動き回る相手には当たりにくいという弱点を補うために完全に足を止めることができるシャボンランチャーを持っています。
欠点としては、シャボンランチャーも弾速が遅いため、素早い敵を見るのには少し不向きである点と、拘束までに複数回HITさせなければいけない関係上、コンボダメージ補正がはたらき、追撃のダメージがやや低くなってしまう点が挙げられます。衛星ビーム砲も複数回のHITでダメージを稼ぐため、相性がいいとは言い切れない構成をしています。また、中距離に対しての有効な迎撃手段がなく、対シールドにおいてもほぼ無力であるという致命的な弱点を抱えています。ビームロッドガンでの拘束に成功したとしても、動きを完全に止めることはできないため、リスクを冒して格闘を振るか、ビームマシンピストルで妥協するか、確実に追撃を入れるために衛星ビーム砲を複数発使わざるを得ないという点も挙げられます。幸いにして片手にしかないとは言えビームマシンピストルには連射性能とビーム系武器特有のダウンの取りやすさ、弾持ちの良さがあるので、なるべく早い段階で敵を寝かせて持ち前の垂直ジャンプの速さで逃げるのが吉でしょう。

高火力クレヤボヤンス コスト2200 耐久値420 スナイプタイプ
ダブル右 インパクトガンLv5
ダブル左 ハンドスタンラインガンLv2
サイド  貫通式レーザー砲Lv5
タンデム 反物質ロケットランチャーLv6

ただでさえクレヤボヤンス系は貫通式レーザー砲以外のダメージソースに欠けるという点があるのを突き詰めたWP。その割に貫通式レーザー砲Lv5はLv4と攻撃力は5しか変わらず、後に登場したLv7に劣っています。最大の利点は遮蔽物を無視した攻撃ができるという点です。射程は70mと後衛と言うには短めの部類ですが、その性質上物陰から出てこないこのWPを相手するために長距離を移動しなければならないため、後衛の中でもタクティクスと並んで対処が面倒なWPであると言えます。攻撃力もLv7に劣ると言いましたが、単発で120、お手玉で190弱のダメージ(反物質ロケットランチャーの爆風とほぼ同じダメージ)を出すことができるため、1発/150Fというリロード速度も相まって、安定した高火力を期待できますが、弱点はなんと言っても自衛力の低さです。ハンドスタンラインガンは弾速が非常に遅く幅も狭いため当てるのが難しく、どちらかと言えば建物の角に向かって撃つことで敵と向き合うことを防止するための役割が大きいでしょう。そしていざ向き合ってしまうと弾数も攻撃力も低いインパクトガンしかないため、地形によっては飛ばしきれずに再び襲われてしまう可能性さえあります。幸いにしてインパクトガンには高い対シールド性能があるため、相手によって全くの無抵抗になってしまう事態だけは防ぐことができます。唯一貫通式レーザー砲がサイドについているため、咄嗟の自衛に使えなくもありませんが、トリガーを引いてから発射までが長いため、要求されるAIMの高さが目立ちます。タンデムにはなぜか最高レベルの反物質ロケットランチャーを持っていますが、これを撃つ間に貫通式レーザー砲を少なくとも3発撃つことができる上に、遠すぎると当たらないこの武器をそれなりの距離で活用しようとした際、やりたいこととだいたい同じことが貫通式レーザー砲で十分にできてしまうため、わざわざ射線を通してまで撃つ価値はほぼないと言ってもいいでしょう。完全に空中で停止してしまうことと、リロードが非常に重い点から、自衛を兼ねた誘導で使うにも無理があります。強いて言うならばリスポーン後に味方との合流を待つ間、敵陣に撃つことで撹乱する程度の用途です。

(とても長い余談で申し訳ないのですが、以前にガンスト2の公式生放送で「リカルドがプラズマガンを持つのはアーロンと同僚だから、鏡磨が回復銃を持つのは鏡華の兄だから、真加部流が他の弟子たちと武器を交換するのも、本来キャラクターのアイデンティティともいえる武器を他のキャラクターが持つのに納得できる理由がありますが、なぜシュリが長い間レミー専用武器だった反物質を持っているのですか?」という質問に対し、開発側の回答は「これからシュリとレミーの関係を描いたストーリーについて追加、公開する予定です。」などと言っておきながら結局特に何もなかったうえに、アニメではフロンティアSのレミーと第十七極東帝都管理区のシュリがすでに死亡している状態でストーリーが進む理由についても特に触れられないまま最終回を迎えたことがあります。非常に広い爆発範囲で敵味方見境なく殲滅するというレミーの暴虐性を形にしたような武器をなぜシュリが持ち続けているのか、今からでも理由が知りたいです。ガンスト2が発表された時のPVの段階ですでにシュリが反物質を撃つシーンがありますが、もし客引きのために変わったシーンを作ろうとしただけでこのWPを作ったというのならば私は自分たちのゲームの運営と発言への責任感のない開発の方々への憤りを隠せません。)

上記3つのWPは後衛として攻撃力や射程などの尖った性能を持ち、その代償として自衛力の低さと要求されるAIMや立ち回りなどの技術の高さがあり、前衛たちとのバランスが取れていると言えるでしょう。

ここからは問題の「自己完結力の高いWP」を挙げていきます。

掃滅タイラント コスト2300 耐久値410 サポートタイプ
ダブル右 鉄球ハンマーガンLv2
ダブル左 サイキックインパクトLv4
サイド  サイキックバインドLv7
タンデム キャノン砲Lv2

サイキック系武器特有の癖の強さは抱えていますが、中~遠距離で輝くWPの中では非常に完成度が高い武装構成をしています。タンデムのキャノン砲はLv2とはいえ175もの攻撃力を誇り、ガンストにおいて一撃で与えられるダメージが最も高い武器です。敵が重い武器を構えた時や、着地に撃ち込むだけで一瞬にして大損害を与えることができます。難点として射程が長い割にはズームがなく、やや遅い弾速故の当てにくさ、弾が1発しかないため外すとリカバリーが効かないという点がありますが、サイドのサイキックバインドがそれを補ってくれます。サイキックバインドは単発77と、拘束武器の中では破格の攻撃力があり、コンボダメージ補正が緩いため、そのまま2発目による追撃にも向いています。ちなみに、ダウン値はかなり高めであるためサイキックバインドによるスタンを複数HITする武器で回収すると総ダメージが思うように伸びないという特徴がありますが、キャノン砲のような単発の攻撃力が高い武器では逆にそのまま当てるよりも大幅にダメージを伸ばすことができます。中距離に対応する武器を持っていないという欠点がありますが、レミーの当たり判定の小ささや、ステップ時の隙の少なさ、ダッシュ回数の多さから、回避に専念すれば物陰へ容易に隠れることができることと、サイキックバインドLv7は他のレベルよりも攻撃範囲が広いため、射線を切った場所からでも見えない場所を狙いやすいようになっています。ダブルもシールド対策、スーパーアーマー対策ができ、連射が効かないとはいえサイキックインパクトの攻撃判定の大きさもあり、自衛力が高いどころか、状況次第では大型武器のリロードを待つ間にある程度積極的に攻めることさえ可能です。サイキックバインドを使用中は完全に停止してしまうという弱点がありますが、構えた瞬間は慣性である程度の移動ができることと、近距離であればあるほど隙は減るため、その大きな当たり判定でもって自衛に使うことも可能です。また、サイキックバインドの射程は無限で、キャノン砲も140m届くので、逆に弱点となりうる敵後衛にぶつけるという手段も取ることができます。弱点は連射が全く効かないため、素早い敵を正確に狙うことが難しいことです。すべての距離においてエアレイダーは天敵と言えるでしょう。

火力特化アシスター コスト2000 耐久値380
ダブル右 ビームマシンピストルLv5
ダブル左 ウォールシールドLv4
サイド  ロングバレルビームライフルLv5
 サブ  ズーム機能
タンデム ジャンプアシスト兵器Lv4

ロングバレルビームライフルLv5自体は単発145ダメージと、スナイパーライフルよりも高いとはいえ、ビーム弾のため距離によって威力減衰が発生し、115mと少し短めの射程も相まって後ろに下がるだけでは思うようにダメージを稼ぐことが難しい武器ではありますが、2発装填のウォールシールドがその弱点を完全にカバーできてしまいます。ウォールシールドは決して破壊されることなく、480F(8秒)必ず展開されます。それに対しリロードは1発/520F(8.67秒)なので、ウォールシールドが使えない瞬間は1秒も存在しません。2枚同時に展開することでほぼすべての角度からの攻撃を完全にカットし、ロックオンも受け付けず、近寄られた場合でもウォールシールドの間を動き回ることで攻撃を防ぐことができます。また九美は全キャラ中最多のダッシュ回数を誇るため、格闘も躱しやすく、レバー↓格闘に大きな吹き飛ばし効果のあるカウンターも持っているため、対抗できる手段が少なく、最悪レバー↑格闘からの追撃でさらに手痛い反撃をされる可能性があります。素早い動きで翻弄しようにも多くの場合九美より先に着地してしまうため、目の前からロングバレルビームライフルを貰いかねません。ビームマシンピストルも片手持ちとはいえ比較的ダウンを取りやすい武器であり、フルヒットを許せば130ものダメージが出るため、自衛力が高いという次元を超えています。それでも弱点を挙げるならばウォールシールドで防ぐことができない貫通式レーザー砲と、爆風はウォールシールドを貫通するため、広い爆発範囲を持つ反物質ロケットランチャーなどが挙げられますが、後者は頭にロングバレルビームライフルを貰わないように狙うタイミングには細心の注意を払いましょう。あと格闘の射程内に2人以上の侵入を許してしまうと反撃は非常に困難になりますが、そもそもその状況ならばほぼすべてのキャラで同じことが言えます。

標準リカバリー コスト1700 耐久値380 サポートタイプ
ダブル右 レーザーハンドマシンガンLv4
ダブル左 レーザーハンドマシンガンLv4
サイド  レーザーガトリングガンLv4
タンデム 衛星回復兵器Lv4
 サブ  衛星弾薬補給兵器Lv4

回復役のため後衛とは少し違いますが、同じ回復役である鏡華や九美と比較した場合、射程と射線を完全に無視することができる衛星回復兵器を持つため回復自体は遅効性であるものの、残り耐久に関わらず一定量の回復が保証される点や、少し射線を切るだけで緊急事態に対応しやすく、もとより自身は最初から体を晒す必要がないというメリットを持っています。また自身の戦闘能力も異常に高く、レーザーガトリングガンによる中距離でのカット、自衛、ありとあらゆるシールドを飴細工のように破壊する性能、フルヒットさせた際の攻撃力もおよそ鉄球ハンマーガンと同じダメージが出せる点は見逃せません。ダブルも両手に弾持ちの良いレーザーハンドマシンガンを持っているため、リューシャの移動速度の遅さをカバーしつつ、その弾幕性能からスーパーアーマーを持つジョナサンでさえも考えなしに接近することは困難です。実弾と比べるとほんの少し総ダメージで劣るという欠点はありますが、近距離から中距離まで万能に自衛ができるというのは他の回復役には見られない長所です。

上記3つのWPは極端な例で、この他の後衛WPでも自衛力が高いだけで(積極的ではないとはいえ)近距離と遠距離の両方に対応できる分、自己完結力が高いと言えるでしょう。
自衛力の主な条件としては「シールド対策ができるか(前回の投稿で触れたとおり、特に対策せずともシールドは破壊できてしまう)」「ダウンを取りやすいか(スーパーアーマー持ち対策ができるか)」「弾持ちがいいか」「中距離の早い段階で対応できるか」で評価できます。レーザーガトリングガンやヘビーマシンガンはこの条件を満たしやすく、両手に連射武器を持つことも高い自衛力につながります。

そもそもターゲットを引くのは前衛や準前衛の役割であるため、後衛の自衛力の目安としては1人をかろうじて追い返せるぐらいが丁度よいはずですが、マシンガン系などの扱いやすい中距離武器を持つだけで、ある程度の自衛をこなすことができてしまい、1人相手の自衛に問題がないと、2人以上の人員を割かざるを得なくなります。それだけでなくダブルの武器にも自衛力の高い武器を用意しすぎると、せっかく奥まで突破してきた前衛に対するリターンが失われてしまいます。後衛が単体で前衛を迎撃することができてしまい、後衛は後衛が見るという勝負になってしまった場合「射程が長い武器の方が強い」という部分が目立ち、現代日本をバトルステージにし、自由自在に開けている上空を飛び回ることができるガンストでは小まめに遮蔽物を利用し続けることが難しいため、結果として「空中に浮かぶシールドのついた人工ユニット」が必要な事態に追い込まれてしまうわけです。

ですが、後衛の自衛力を下げすぎると、野良における編成の合わせにくさ(特にオルガ)が発生するため、自衛力を犠牲にした高火力の後衛、自衛力や汎用性を高めた代わりに最高ダメージや主力武器の性能を抑えたWPで調整を取るしかありませんが、後者を増やしすぎた結果が現状なので、理想としては前衛キャラのスーパーアーマーの相対的な上方(連射武器ではダウンしにくくなる等)や、連射武器の連射間隔の下方(これについては後日取り上げて投稿しようと思っています)などが必要かと思います。

少し話は反れますが、無印の頃に圧倒的な人気を誇っていた池袋ステージですが、いまや日本橋と半々ぐらいの割合で選ばれることが多いかと思います。
池袋は遮蔽物が極端に少なく、高低差が大きいため、いかに素早く中央のビルの上を占拠するかが重要となってきます。ガンスト無印の時よりも武器の数は大幅に増え、中央さえ占拠してしまえば昔よりも下の道路や、周りに建つビルの上にいる敵に手出しが非常にしやすくなっており、後衛は射程の有利を活かせる場所が失われつつあります。逆に中央へ行かずとも周りのビルから中央への手出しも容易になっているため、「ストライカーやウォーリアは池袋の屋上で寝ているだけでいい」というわけにもいかなくなりました。前衛は中距離に手出しができない以上、中央で寝ているだけではプレッシャーを与えるに値しないからです。総じて池袋に向いているのはダッシュ性能にすぐれ、ステージを回るように駆けながら自身の器用さを活かせる中衛となります。
それに対して日本橋は細長いステージの構造上、脇をすり抜けることが困難であり、前衛は味方を引き連れて前に出れば出た分だけプレッシャーを与えることができます。しかしステージは長いため、後衛も射程の有利を十全に活かすことができます。バスやステージ中央の交差点、凹凸の多い建物の形状から小まめに射線を切ることができるため奇襲も仕掛けやすく、多くのキャラクターが本来の役割を活かしやすい構造をしています。
選ばれるステージは、環境の変化とともに変わっていくということを表していますね。

もう少し付け加えて言うならば準前衛、中衛キャラは大幅に増えましたが、いまだにストライカーとウォーリアを超えるような前衛キャラがほとんど追加されていません。正直ガンストにおける勝利につながる役割の数に対して、キャラが増えすぎているため、前衛、中衛、後衛の数のバランスが崩れていますし、圧倒的に多い中衛はお互いの役割を取り合っている状態です。そのためそれぞれのキャラクターの役割の幅を広げようとした結果、前衛の対処がしやすく、活躍の場を奪っていると言えるでしょう。キャラクターごとの役割を明確にすると謳っても、Σにはすでにキャラクターが多すぎるかと思います。


今回の内容をまとめると、
・前衛は中距離以上の敵に手出しがしにくいという状況はガンスト無印の時からほとんど変わっていないのに対し、中後衛にはキャラクター、WPの多さから差別化を図り、役割を取り合ってしまわないようにキャラクターごとにできることが増えた結果、シールド特攻武器や、自衛力の高さなどの優遇が多く見受けられ、前衛メタが進んでしまった。
・その結果前衛はその役割に対するリターンが薄くなり、後衛も自衛力の高いWPの存在から、本来の遠距離での尖りきった性能を発揮する機会が少なくなるようなバランス調整がなされている。
・前衛が後衛メタとして機能しなくなってしまった結果、前衛がラインを形成しきれないうちから中衛たちは射程の差を埋めるようにある程度前に出ざるを得ない状況が生まれてしまう。

今回も非常に長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
皆さんのより多くのコメント、いいねをお待ちしております。

投稿時 ver.2.20
更新日時:2017/10/18 01:02
(作成日時:2017/10/18 00:41)
コメント( 6 )
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2017年10月18日 8時50分

この問題は、もう解決できないでしょうね。
記述通り、キャラが多すぎる。でも、キャラ削除やキャラのコンパチ化は行わないでしょうし。
せっかくΣで削減したWPも、普通に復刻させているものもあるし、新WPも、しっかり考えて作ったものとは思えない。
若本ボイスのキャラも、性格や容姿や声的に、前衛の役割を担えるキャラにすれば良かったのに。
汎用キャラが増え、前衛メタも増えていても、前衛キャラの革新は一切ない。そりゃ、元々多くない前衛使いが更に減って、野良は中後衛偏重になりますよね~。
バーストでさえも、今じゃジョナや番長いなくても行けるようになってしまいましたし…。

小鳥遊 千夜
小鳥遊 千夜
2017年10月19日 2時52分

良い考察だと思います。
確かに、今は前衛が不遇で役割分担の意味が無くなってしまっていますね。 増えてしまったキャラを減らすのは色々と難しいと思いますが、別の方法でもその辺りのバランス調整をして頂きたいですね。

ジョナは死んだ!何故だ!
ジョナは死んだ!何故だ!
2017年10月22日 9時0分

運営は全員この投稿を100回読んでほしい。
ジョナで言うなら現行の自己完結力の高いWPが増えまくった環境でスーパーアーマーがほぼ機能していないのが明白なのになんの対策もされていない為、すぐ寝る割にすぐ死ぬジョナが出来上がりました。後衛が中近距離でハンマー1発分の火力を手軽に出せるため、リスク冒して接敵してもリターン取る前に無視出来ない被害を被っている状況に陥ります。
もはや野良前衛はボランティアとまで言われる様になった現行ver。ジョナ一徹でやってた私にとって、もう潮時かなと思わせるには十分すぎる運営の無能さよ。

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