陽南子たちが「女子高生」になって数日経った2019年4月半ば。
 セーラー服をまとうようになったというなら前年夏から。
 それでもセーラー服に陽南子も紗由美も慣れなかった。
 『乙女』を象徴する服そのものに思えた故。
「少女」の記号を身にまとっていると思うと、いやでも自分たちが女に変えられたことを突き付けられる。

 三人以外は誰も「彼女たち」を普通の女子とうたがわない
 ただしその個性が接し方を違わせる。

 愛恋はその派手な見た目で最初は警戒されていたが、元々心が女で演技抜きで女の子でいられたため馴染むのも早かった。
 陽南子には辛らつだが男だったころは誰にも言えない苦しみを抱えていたのもあり、見た目に反して優しい女の子として女子に慕われていた。
「優しい女の子」は男子も魅了する。
 ギャルそのものだがその派手さが華やかさにとられ、男子にも人気だった。

 正反対が陽南子だ。
 元々女子になりきるつもりはないし「心は男」という自覚があった。
 それだけに男子相手に親し気にしていた。
 最初こそ男子に媚びているようにも思われたが、下手すると男子よりもがさつで完全に男子高校生のノリ。
 男子生徒は陽南子に「女」を感じないから接しやすく、逆に女子は陽南子の「ボーイッシュ」さに惹かれていた。

 うまくいかないのが紗由美だ。
 彼女は女として生きる覚悟はなく、警戒心ばかりが強い。
 かつての自分がそうだったから、近寄る男子がすべて自分の体目当てに思えて距離をとってしまう。
 そのために次第次第に浮いた存在になっていく。


城弾シアター20周年記念シリーズ
「TransPanic」



Chapter03
「乙女セーラー」

「紗由美ってば自意識過剰」
 愛恋の一言がクリティカルヒット。
「そ、そうかな?」
 食事を止めて話に応じる紗由美。
 現在は昼休み。
 中庭のベンチに三人で座り、それぞれ持参のものを食べていた。
 紗由美はコンビニのおにぎり。
 愛恋もコンビニで買ったサンドイッチ。
 意外にも陽南子が手作り弁当だ。
 ちなみに寿音は別の付き合いゆえ学食での昼食だ。
「そうよぉ。いくら何でもそんな『男はみんな女を性的搾取している』なんてアナザーフェミみたいなことは言わないでよね」
「アナザーフェミ? なんだそりゃ? たつひ……」
 全部言い終わる前にひきつった笑顔の愛恋がキスできそうな距離に詰め寄る。
「何度言えばわかるのかしら? アタシはエ・レ・ン」
 男時代の名前は愛恋の禁句だ。
 陽南子も嫌がらせというより「秘密を知る者のみの昼食」で気が緩んで口が滑った。
「お、おう。悪かった。それでなんだ? そのアナザーフェミってのは?」
 迫力に押されて素直に詫びた陽南子。
 それに満足し愛恋も機嫌を直して説明する。
「最近ネットでも目立つ美少女キャラを使ったキャンペーンとかかみついている連中。フェミニストを気取っているし自称しているけど別ものと思って」
「フェミニストて確か『女に優しくするとか女の権利を守る』とかだったな。姉貴にも散々な」
「弟」から「妹」に立場は変われど、かつての記憶はそのままの陽南子たち。
「そうよ。だから区別のためにアタシはああいうのをアナザーフェミって呼んでいるの」
 一緒にされたくないと一言付けたして愛恋は説明を終える。

「ボクも前は『何言ってんだ? コイツら』と思っていた。けど、今は少しわかる」
 紗由美が独白する。
「男の頃のボクがそうだった。女子を見れはやらせてほしいって」
「うわ。ケダモノ」
 ばっさり切り捨てる愛恋。何しろ男の時から心はすでに女子だったのだ。
「そういうけどさ愛恋。君だってかつてはそのけだものと同じ体だったんだよ。ならわかるよね? どうしようもなく抑えられないものだって」
「そ、それはそうかもだけどぉ」
 歯切れの悪くなる愛恋。かつては「思春期の男子」だったのだ。身に覚えもある。
「そして今は立場逆転。ボクはやられる側だ。だから『性的搾取』という主張もわかるよ」
 半ば興奮してまくしたてていた。

「なぁ。ちょっといいか?」
 (女子ではあるが)珍しく紳士的に陽南子が話に入る。
「何よ?」
「思うんだが……女って性欲ないのかな?
「は?」
 愛恋と紗由美。二人そろって虚を突かれた表情。
「だってさ、オレら中学の時に悟の外にもいつも『女ほしー』ってうるさいのがいたけど、女にはいなかったんだよな。だから女はそういうのないのかと思って」
「アタシはそんな恥ずかしいこと口にしてなかったわよ」
「みんながみんなってわけじゃないのかも。愛恋ほどじゃなくてもその辺たんぱくなのが」
「じゃあ逆に言えば女にも色々いないとおかしいじゃん?」
 ここであきれ顔。そして上から目線で愛恋が口を挟む。
「ばっかねぇ。ないわけないじゃない。なかったら赤ちゃんどうやって作るのよ?」
 確かに女性に性欲がないと「合意」が成立しない。
 世の中の妊産婦は全て強引になされたことになる。
「女の子は恥じらいがあるから言わないだけ。何時か愛する人の子供を身ごもる覚悟はあるし、そのためなら受け入れるつもりにもなるわよ」
 まだ女になって一年にもならないのに、既に経験したかのように語る愛恋。

 引き気味の紗由美と陽南子の二人にとどめとばかしに言う。
「あんたたちだって例外じゃないわ。女の子……『ヒト科のメス』である以上、やがて本能で男の人を受け入れるようになるわ。それも喜んでね」
「はっ。そんなの夢にすら見ないな……」
 言い放ってから陽南子の脳裏にイメージが浮かぶ。
 ベッドの上で裸の天弥に組み敷かれる「陽南子」のそれ。
 白い肌。優しげな顔立ち。華奢な方。たわわな胸。細い腕。くびれたウエスト。大きく丸い尻。
 そして本来の歴史では生まれてからずっとともにあったものがない。
 愛する男と一つになれる喜びに打ち震えている。
 その妄想に陽南子は瞬間的に赤面した。
 とっさに頬を両手で隠すが逆に内心を明かしていた。
(な、なんであの野郎のイメージが? バスケの試合で抱きかかえられたから? たったそれだけで?)
 陽南子は混乱に陥っていた。
(オレも『女』ってことなのか?)
 激しく逡巡する。

 陽南子は思考で。そして紗由美は口に出す。
「待って。ボクたちみんな女神によって『女として生まれてきた』ということになっているけど、記憶も人格もそのままなんだ」
「そうね。隠していたけどアタシも男だった時から魂は女だったわ。つまり変わったのじゃなくて隠さなくなっただけ」
「ボクだって同じだ。たぶんヒナも」
「ったりめーだ。龍彦の逆で体は女でも魂は男だぜ」
 また忌み嫌う男時代の名前を呼ばれて不満顔になるが、話の腰を折らないように口を出さない愛恋。
「ボクは体こそ女子でも恋愛対象は男じゃない。男にやられるなんてとんでもない」
「でも、そんなこと言ってもアタシたちの体はしっかり女の子。男だったころの紗由美が女の子を欲したように、女であるからには男の人と結ばれるのよ」
 覚悟を迫るように言う愛恋。
 迫られて反発し紗由美は思わず口走る。
「同性愛という例外はあるっ! そうだ。ボクは」
 興奮して立ち上がり、女の高い声で大きく叫ぶ。

「女の子が好きなんだ!」

「それ、本当ですの? 紗由美さん」
 いないはずの寿音。紗由美のルームメイトで純正の女子がその場にいた。
「あ、あれ? 寿音さん。用事はどうしたの?」
 青くなる紗由美。
 よりによってルームメイトに聞かれた。
「思ったより早く終わりまして。相手もそれぞれ予定があると言うので別れて。わたくしも紗由美さんを探してましたの。けど」
 一体どこから訊かれていた?
 それが一番重要だった。
「それにしても驚きましたわ。紗由美さんの大声。おかげでここがわかりました」
 つまり声を荒げる前は近くにいなかったとなる。聞かれていない。
 とはいえ女の身で恋愛対象は女と口にしていたのである。
 同性だからと安心していた寿音に、引いた態度で接してられるのも覚悟した。
「今の聞いてた?」
 青くなる紗由美。聞こえてないとは思えない。
「今のですか? いいんじゃないですか」
 あまりにあっけらかんとした寿音の反応。
「恋愛は自由ですもの。好きになってしまえば仕方ありませんわ。ただ」
「ただ?」
 ここでダメ出しかと紗由美は身構える。
 傍観者とも言い切れない愛恋や陽南子も緊張してきた。

「ただ、個人的には男の子同士の方が好みですわ」

 ほほを染めて言う寿音。脱力する三人。
(そうだった。寿音さんは腐女子って奴だった)
 自身が男同士の恋を好むから、女同士の恋にも寛大なのだと解釈した。

「それで、どなたか心に決めた方がいらっしゃるのですか?」
 まるっきり「コイバナ」の乗りて訪ねてくる。
「い、いや。それないけど」
 これは本当。恋愛対象が女性というだけで恋した相手まではいなかった。
 何しろ今は女なのだ。
 女子と友達にはなれても、恋人になれるなんて考えられない。
「ふうん。でしたらわたくしなんていかがです?」
 笑顔で問いかける。
「え?」
 瞬時に「からかわれている」と判定した紗由美。
 陽南子や愛恋もいるのにそんな『告白』できるはずはないという理由だ。

 昼休みの終了を告げる予鈴が鳴る。
 あわてて教室へと戻る四人だった。

 昼食後の授業は家庭科だった。
 座学だと昼食後で眠気に見舞われ、授業にも身が入らない。
 家庭科は調理実習だったため立ち作業で眠くはならないものの、紗由美は昼休みの話を引きずっていて集中出きない。
「はい。それでは五人一組のグループは出来ましたか?」
 まるで少女そのものの声で尋ねる家庭科教師。南田ミスズ。
 見た目も少女のようだ。高校生どころか中学生でも通用する幼さ。
 身長も145センチとかなり小柄なうえにショートカットのおさな顔。
 しかしこれでも26歳なのだ。

「おい。た……山本。お前料理は出来るのか?」
 疑いのまなざしを向ける陽南子。
 龍彦と言いかけるが事情を知らない他者もいるので「山本」と呼びなおす。
 下の名で呼ばなかったのは、どうしても女子のイメージが強くて嫌だった。
「ふっ。愚問ね」
 自信満々に愛恋は真っ赤に彩られた手の爪を見せる。
「このネイルでお米が砥げると思う?」
「なんで偉そうなんだよ? てゆーかよくそれで風紀に引っかからねえな?」
 漫才コンビになってる同室の二人。そして男子3名のグループだ。

「それじゃ紗由美さん。わたくしと一緒に」
「うん。よろしくね。寿音さん」
 ことらも同室の二人と男子3名。
 反対に女子3名。男子2名のグループもあるのでバランスはとれている。

 調理実習が始まる。
 見た目と裏腹に手際のいい陽南子。
 男の時からやらされていたからである。
 一方、見た目通りに何もしない愛恋。
「おい。山本」
「なんだ?」
 一緒の班の男子が反応する。
 彼の名は山本幸助。
「お前じゃねぇ。山本。お前も働け」
「やってるだろうが!」
 野菜を切りながら山本幸助が反発する。
「区別が必要よねえ? 加藤さん
 意地悪く言う愛恋。
「え? 山本さんなぁに?」
 別の班の加藤明里が反応した。
「……分かったよ。愛恋。お前も動け!」
「だからアタシが料理したら食べられないわよ。盛り付けから協力するわ。ヒナ」
 働かない愛恋。
 そして「女のように」下の名で呼び合う羽目になったことに不満顔の陽南子だった。

 一方の紗由美のいる班。
 その紗由美がは手際が良くない。
 正確に言うと男子よりはいいが、もう一人の女子。寿音と比べるともたつきが目立つ。
「斎藤さん。コツを教えてあげるわ」
 巡回して各班を見ていた南田がここで口を挟む。
「誰か好きな男の子に食べさせるつもりになってみるといいわ」
 南田としては……否。女性としては「一般論」に過ぎなかった。
 しかし紗由美はややナーバスになっていた。
「……女だと……相手は絶対に男なんですか?」
「え?」
 予想もしない返しに戸惑う南田。
「だって……将来お嫁さんになったらお家でご飯作るでしょ?」
 これもごく普通の感覚である。
 しかし今の紗由美にしたら逆鱗だった。
 思わず相手が教師なのも忘れて食って掛かる。
「女だと男に身を任せないといけないんですか!? 好きで女になったわけじゃないのにっ!」
 冷静に聞くと明らかにおかしい『好きで女になったわけじゃない』の一言。
 これは紗由美が興奮していたから言い間違えたと解釈された。
「落ち着いて。斎藤さん」
 南田の甲高い声が響き渡る。
 異様な雰囲気に調理実習室は色めき立つ。
「おい。さと……紗由美。なにしてるんだ!?」
「ちょっと? 落ち着きなさい」
 同郷の二人の声も耳に入らない、
「紗由美さん!?」
 教師の胸倉をつかみかねない紗由美を寿音が制止する。
「はっ!?」
 やっと我に返る。
「……すいません。どうかしてました」
 神妙に謝り、場を取り繕う。
「ううん。いいのよ。そうよね。男の子が男の子を好きになるくらいですもの。女同士もありよね。うん」
 やたらに理解のある家庭科教師だった。
 まるで実例を知っているかのようだった。

 一日の授業が終わる。
 女子寮に戻った紗由美は一人だった。
 陽南子はバスケ部。
 愛恋はそれに付き合っているが明らかに男子バスケ部の大賀海飛目当て。
 同室の寿音とはともに帰ってきたが、着替えたら買い物に行ってしまった
 一人になった紗由美は、ねころんでぼんやりと天井を見ていた。
 どうにも思考がまとまらない。不安定だ。
 なんとなくカレンダーに目が行ったときに気が付いた。
 跳ね起きてスマホのアプリを立ち上げる。
 それで察した。
(ああ……そろそろだ。どうりでなぁ)
 生理が近いことを忘れていた。
(そういやストックあるかな?)
 中三の二学期。
 女子化して学校に行きはじめたころ、まだ習慣づいてなくて生理用品や痛み止めを切らしていて大変な目にあった。
 それで身についたが今度は進学や女子寮生活のドタバタで失念していた。
 早速確認にかかるがナプキンも薬も切らしていた。
 ナプキンは女子寮に自動販売機もあるから間に合わせは出来るが、薬は相性もある。
(仕方ない。買いに行こう)
 紗由美は外出用の服に着替え始めた。

 半袖のブラウスの上からジャンバースカートという姿。
 意識過剰になっている紗由美は、胸元を隠す目的で暑いの我慢してこの服にした。
 大きな胸故その膨らみで服が持ち上げられて太って見えるのは気にしなかった。
 やはり生粋の女子ではないからかもしれない。
 駅前のドラッグストアだと安くつくので、そこでまとめ買いしてきた。
(これで一安心)
 のんびりと商店街を歩いて帰ろうとしていた。だが
「紗由美さん」
 聞きなれた声で呼び止められた。
 振り返ると寿音。
 聞き覚えのある声の主だ。
「あれ? 寿音さん? 出かけていたけど?」
「はい。本屋さんに急いでました。下校時間が待ち遠しかったですわ」
 九時開店の本屋だから下校してからでないと買えないので筋は通る。
「へえー。どんな本買ったの?」
 単なる会話のキャッチボール。話をつないだだけである。特に答えは期待しなかったが
「BLのアンソロですわ。ひいきの作家さんの新作で待ち遠しくて」
 嬉しそうに本を開いて半裸の男子が絡み合う場面を見せる。
(聞くんじゃなかった……)
 紗由美は後悔した。そののち
(でも「男」も「性的搾取」されるわけか。だからって何も変わらないけど)
 また思考のループにはまる。
(この体でいる以上はどうしても男に恋愛の……さらに性的対象にされる。そして女でいる限り女の子の恋人を作るのはかなり難しい)
「紗由美さんもお買い物ですか?」
 思考のスパイラルを断ち切るかのように寿音が問う。
「ん? ああ。これを」
 外から大きな不透明な袋の中に入った生理用ナプキンを見せる。
「やだ。ごめんなさい」
 これは袋の中身を見えるようにさせたこと。
(うーん。BLの方が恥ずかしい気がするけどなぁ)
 紗由美は苦笑する。
(生理用品なんて大概の女性が使うもんだし、持ってるの当たり前。まぁボクはまだちょっと恥ずかしいけど)
 ドラックストアでこんな大きな袋で隠してくれた言うことは、それでも恥ずかしく思う女子もいるんだろうなと紗由美は思った。

 その頃の陽南子は女子バスケ部の部活に参加していた。
 そして愛恋もここにいた。
 部員でない彼女は見学である。
 陽南子の応援? 違う。
「きゃーっ。大賀せんぱぁい」
 この日は男子と合同練習の日。
 陽南子をだしにして大賀海飛目当てでここにいた。
 甲高い声を上げてアピールしていた。
(あのバカ……)
 友人というのは知られている。
 後から何か男女問わず言われると思うと、暗澹たる気分の陽南子だった。
「やっほー」
 お調子者の海飛は軽く手を挙げて返答する。
 愛恋はさらに興奮して騒ぎ出す。

「やかましいぞっ。そこのメスガキっ」

 陽南子より先にキレたのは竜ヶ守天弥。
「練習の邪魔だっ。うせろっ」
 確かに邪魔にはなっていたが、それにしても怒り方が普通じゃない。
 まるで親の敵にでも対面したかのようだ。
「なっ。なによっ。アタシは応援してただけでしょ?」
 食って掛かる愛恋。
 天弥も整っているがいささか荒っぽい印象の顔立ち。
 それは愛恋の趣味ではなかったらしく「イケメン」にも変わらず甘い態度にならない。
「まあまあ。竜ヶ守。公式戦じゃもっとすごい声援になるから、それよりは」
 当事者になる海飛が宥めに入るが火に油。いや。「油火災に水」というところか。
「おめーもだっ。大賀。デレデレしてんじゃねーよっ」
 その怒り方に不自然なのものを感じた愛恋。
(何かヤキモチ焼いているみたいな怒り方ね?)
 その奇妙さにメスガキ呼ばわりは頭から消えた。
「あッははは。ごめんごめん」
 軽い調子で謝る海飛。
「ったく。オメーは甘いんだよ。だからあんなのが寄ってくるんだ」
 まだ怒りのおさまらない天弥。

「ちょっとしつこいんじゃないスか? センパイ?」

 陽南子が割って入る。
 さすがに同郷の、そして(本人は喜んで受け入れているとはいえ)自分と同様の目にあっている愛恋への言いがかりは見過ごせなかった。
「あんまりねちっこいのは女子に嫌われますよ。男らしくないって」
「俺が男らしくないか? そういうテメーも女らしさとは無縁だな?」
 天弥にしたら挑発だったが、むしろ陽南子を得意にさせる。
「そう見えるってんなら目には問題なさそうっすね」
 まったく気分を害さないので天弥も毒気を抜かれる。
「……変わった奴だな? チビ助」
「はぁぁぁぁぁぁっ? またそれ。しまいにゃ切れますよ」
 やはり『男としては』チビ呼ばわりは気分が悪い。
 女性の場合「小さい」は可愛らしさにもつながるだけこのキレ方は予想外。
 しかしこれを天弥が気に入った。
 もはや練習を邪魔されたことなどどうでもよくなっていた。
「わかったよ。確か「加藤」だったな?」
「そうっスよ」
 これで収まると思ったら涼子がひとこと。
「それじゃあたしと紛らわしいわ。新人の彼女を名前の『陽南子』で呼んでよ」
 実は涼子には恋人がいる。
 それで他の男に下の名で呼ばれたくないため陽南子に押し付けた。
「確かに紛らわしいな。それじゃ今度からこう呼ぶぞ」
 心なし笑顔に見える天弥が、一呼吸おいてその名を呼ぶ。

「陽南子」

 自分よりはるかに背の高い筋肉質の男に、低い男性的な声で名前を呼ばれた陽南子は、ほほが瞬間的に赤くなったのが自分でも分かった。
「ちょ、ちょっと。いきなりそんな……」
 言ったら激怒するがこの時の陽南子は完全に乙女だった。
 ベリーショートにもかかわらず長い髪を揺らす少女のように見えた。
 恥じ入って、女子の中でも高い方に入る声でつぶやき続ける。
(なんで? オレが男に名前呼ばれただけでどきっとするなんて? 女としての名前を男に呼ばれたから意識したのか?)
 しかし事態が収束して練習再開となったので、その考えは後にした。

 その日の陽南子はフレーに精彩を欠いていた。

「あら? あなたたち」
 商店街で担任に声をかけられるとは考えてなかった二人は驚いた。
「先生? 南田先生にそれと……」
 馴染みのない女性もいる。
 並大抵ではない整い方をしている顔の美女。
 明るい色の髪をセミロングにしている。
 服装は四月という時期のせいか、それとも本人の趣味かフリルやレースを多用した少女趣味なワンピースだった。
「あなた達は選択は音楽で美術をとらなかっものね」
 事情を知る担任。北原シホリ。

「紹介するわ。美術の高瀬マリア先生よ」
「よろしくね」
 顔立ち以上に声が甘かった。
 女性に「甘い声」とはいわないが、それでもこれが最も的確な例えだった。
「あ、はい。こちらこそ。一年の斎藤紗由美です」
「同じく一年の伊集院寿音です。大変失礼しました」
「いいのよ。これからよろしくね。そうだわ。あなた達も一緒に来るかしら?」
「だめだよ。これから飲みに行くのだから高校生は連れてないよ」
 化粧していても補導員につかまりそうな南田がいう。
「お酒飲まなきゃ大丈夫じゃない?」
「もう。マリアちゃんたら」
「マリアちゃん?」
 職場の同僚。それも教師に対してはさすがにフランクすぎないかと紗由美は思った。
「ミスズ……私と高瀬先生。北原先生。それと後からくるけど体育の東瀬先生は高校の同級生なの」
 それは仲もよいはずだと寿音は考えた。
 東瀬はバスケ部顧問なのでそれで遅くなる。

「それで、あなた達はお買い物?」
 高瀬マリアは紗由美の荷物の形状で「女子に不可欠なもの」と察したので矛先を寿音に向けた。
「あなたは本ね。参考書かしら?」
「いいえ。漫画ですわ」
 それでとどまればよかったがこともあろうに中を見せてしまった。
 ボーイズラブの裸の男子同士の濃厚接触を。
「これは……ゲイ?」
 羞恥で赤くなるのではなく、青ざめている高瀬。
「ば、馬鹿ッ。しまいなさいそれ」
 確かに商店街で開くものではないが、それにしても慌て過ぎのシホリ。
 しかしもう遅かった。
 マリアの双眸から涙があふれだす。
「わああああああんっ。ユウスケぇーっ。どうしてわたしをふったのよぉーっ」
 人目もはばからず泣き出した。
「まさか男に彼氏とられるとは思わなかったわよぉぉぉぉおぉっ」
 それゆえにBLの場面で思い出した。
 トラウマから言わなくていいことまで大声で。
(この人、男に彼氏を寝取られたんだ!?)
(その古傷を知らないといえふれてしまうとは)
 愕然とする二人。
 特に紗由美は男が男を寝取るのに衝撃を受けた。
 だったら体が女の自分はもっと「危険性」があると。

「ああもう。落ち着いて。また『女を捨てる』なんて言い出さないでください。高瀬先生」
「あの時は髪の毛全部剃り落として男装して学校きてたもんね」
「その次は金髪の黒ギャルになるし……よくここまで立ち直れましたね」
「やめてよ。それも忘れたい過去なのに」
 拗ねたように高瀬は言う。
 おもむろにバッグを開け煙草を取り出すと口にくわえる。
 成人済みとはいえ愛らしい顔にはあまりに不似合いだ。
「ちょっとマリアちゃん。ここじゃダメ」
 南田が慌ててたしなめる。
 高瀬は平静になろうとして、つい出してしまっていた。
「そうよ。私だってずっと我慢してるんだから」
 北原のその言葉に驚く紗由美。
「え? (北原)先生(タバコを)吸うんですか?」
 紗由美はまだ斎藤悟という名の少年のころにファンだったグラドルがタバコを口にすると知り、軽くだが衝撃を受けた。
「え、ええ。たしなむ程度にはね」
「ふーん。6ミリのを四箱持ち歩くのが嗜む程度なら、わたしは非喫煙者みたいな物ね」
「高瀬さんっ。そればらさなくても」
「ミスズさんだってボトルキープしたらそれその日のうちにあけちゃうし」
「だって美味しかったんだもん。てへ」
「え、ええ?」
 紗由美も寿音も未成年ゆえに酒もたばこも口にしてないが、南田がうわばみで北原がヘビースモーカーなのはなんとなく分かった。

「はいはい。今日も話聞いてあげるから。予約してあるお店に急ぎましょ」
 南田が促して本来の移動目的を思い出す高瀬。
「うん。ごめんね。男に恋人とられた傷が癒えてなくて」
「それじゃ私たちは行くわ。二人とも、早く女子寮に戻りなさいね」
 担任らしくひとこと言って歩き出す北原。高瀬も南田もついていく。
 残された二人。茫然とする紗由美とどこか陶酔している寿音。
「……つまり先生たち高瀬先生の愚痴に付き合うための飲み会なんだね」
 オッドアイでない彼女たちは自分とは違い生まれてからずっと女だったのだろう。
 女として生きてきたから経験してきたようなこともあると紗由美は思った。

 それなら自分はどうなのだろう?
 男として生まれておきながら15歳の夏から女に。
 とてもではないが男に幻想など抱ける気がしない。

 それとも時が来れば本能的に男に惹かれるのだろうか?
 高瀬のように引きずるほど本気で男を愛するのだろうか?
 いったい自分は何なのかわからなくなってきた。
 愛恋のように女としての生き方を迷わず選べず。
 陽南子のように男であることに拘りも持てていない。

「ステキですね。先生たち」
「どこが!?」
 陶酔気味に言う寿音に思わず突っ込み、それで我に返る紗由美。
「高校時代からと言うなら先生たち。十年以上も続く友情なんですね。とてもすてき」
「ああ。そういうこと」
「あの三人に東瀬先生もくわえた四人。どなたとどなたがお付き合いしてるんでしょうねぇ
「そっち!?」
 BLだけでなく百合もありかと戦慄する紗由美。
 すっかり自分の苦悩は雲散霧消。
 しかしそんな二人に新たな頭痛の種が。
「彼女たち。可愛いね」
「僕たちとお茶でもどう?」
 商店街でナンパだった。

 学校。
 バスケ部の男女合同練習が終わった。
 陽南子は天弥に名前で呼ばれたのが尾を引いて精彩を欠いていた。
 一年生で片づけがすんでも体育館でたたずんでいた。
(何でだよ? たかだか名前呼ばれただけでなんでこんな意識を?)
 自分で自分がわからなくなっていた。
(去年の八月に女になったよな。今は四月だから八か月か? その時間でまさか心まで女になってきている?)
 奇しくも紗由美と同様の悩みが生まれた。
「おーい。陽南子ちゃん」
 軽い調子で海飛が寄ってくる。
 天弥とは対照的な軟派だった。
「……なんスか? あんま軽々しく(女としての)名前を呼んで欲しいくないんですけど?」
 つっけんどんな態度。
 なまじ男子同士だと「生意気な態度」に映るが、陽南子が女子なので「軽いノリの男子に対する警戒」に見えて揉めずに済んでいる。
「ああ。ごめんごめん。男女問わすバスケ部じゃ区別で君のことを下の名前で呼んでいいのかと思って」
 確かに紛らわしい。天弥と別に扱うのも意識しているようで嫌たから問わないことにした。
「それで? なんの用です? センパイ」
 まるで敬意のこもってない「先輩」だった。
 海飛は特に気にした様子もなく用件を切り出す。
「竜ヶ守のこと、悪く思わないで欲しいなと思って」
「はぁ」
 友人のフォローと分かったら気が抜けた。
「あいつ態度ちょっときついからさ。あの金髪の子にも伝えてもらえる?」
「愛恋です。アタシの名前は山本愛恋です。大賀海飛先輩」
 いつのまにか愛恋が近寄ってきていた。
 陽南子を待っていたら意中の海飛と話し始めたのでアピールに来た。
 同時に陽南子にとられないようにとも。
「や、やあ。山本さん? さっきは」
「そのことなら気にしてません。それより先輩。アタシのことも『愛恋』って呼んでください」
「くれませんか?」ではなくストレートに要求した。
「そうかい? ならそうさせてもらうよ。愛恋ちゃん」
『許可』というより「要望」だったので愛恋と呼ぶ海飛。

 商店街。
 紗由美と寿音に言い寄ってきた二人の少年は「顔だけは」確かによかった。
「どうだい。ちょうど2対2だ。お茶と食事したら二組に分かれて」
 文武両道。金持ちの息子でイケメンというハイスペックをぶち壊しにするスケベ面。
「自己紹介しよう。僕の名は武村ミツル」
 背の高い男が言う。
「大丈夫。こう見えても僕は女の子に優しいんだ」
 小柄な方はどことなく女性的な顔立ち。
 最大の特徴は銀色の髪。そして青い瞳なので純粋な日本人ではないだろうと紗由美は思った。
「僕の名は宇田ベータ。君たちの名前も教えてくれる?」
 愛想よく笑うが下心見え見えだった。
「そんな必要ありませんわ」
 冷たく言い放つ寿音。
 見知らぬナンパ師をあしらうにしてもそれだけには思えない。
 元は男の紗由美だから「寿音の男に対する嫌悪感」を感じ取った。
「さあ。帰りましょう」
 寿音は紗由美の手を取り歩き出そうとするが武村が遮る。
「帰る? それならもう用事は終わって暇なんだろう? 僕たちに付き合ってくれよ」
 冷たくあしらわれてもめげない「不屈のスケベ」だった。

 そしてかつてはそんなしつこいスケベだった斎藤悟という少年だった紗由美はおびえていた。
 生粋の女子ならナンパ師が何を考えているのかわからない。
 得体がしれないから怖い。
 しかし紗由美は男の考えがわかりすぎて怖かった。

「女の子二人だけなんてつまらないだろ。僕らと遊ぼうよ」
 ベータがしつこく迫る。
「あら。女の子の相手が男とは限りませんわ」
 目を鋭く細める寿音。
 握ったままの紗由美の手を手繰り寄せる。
「わたくし、彼女とお付き合いしてますから」
 どや顔じみた笑顔を見せる寿音。
(寿音さん。いくら嘘でもそんな?)
 本来男の自分はいい。元から恋愛対象は女性だ。たとえ女子に変えられていてもそれは同じ。
 しかしもともと女と思われる寿音に「女と付き合っている」などとは風評が付くのは考え物だ。
「またまたぁ。僕たちを追い払おうとしてそんなウソを」
「本当に女同士で付き合っているならエビテンスを求める」
 信じないのも無理はない。
 しかし『彼氏がいる』ならともかく、女同士でというのは信じ難かったので食い下がった二人。
「エビテンス? 証拠のことですね」
 まるで動揺してない寿音。誘導したかのようにすら思える。
「それでは、これでいかが?」
 いうなり寿音は紗由美の首に両手を回す。
 そして唇を接近させる。
 紗由美もあまりの事態に追いつけず。
 また反射的に目を閉じてしまってあたかも口づけを交わしているように見える。

「う、うそだろぉ」
 そう。武村の言う通り嘘である。
 寿音の頭に隠れたが約一センチの間があり唇は重なっていない。寸止めだ。
 だが互いの吐息が混ざり合う距離。
 それをそっと離す。
「いかがですか? 信じていただけました?」
「そんなはずは? 女の子の相手は男でないとおかしい。キスのふりを……」
「……ベータ!」
 女子の声が聞こえた。陽南子でも愛恋でもないが金髪は愛恋と同じ。
 それを二つに分けている。
「ね、姉さん!?」
「宇田アルファ!? どうしてここに?」
 どうやら銀髪の少年の姉らしい。
 少年が碧眼なのに対し、アルファと呼ばれた少女は赤い目をしていた。
 かなり小柄だが胸だけはアンバランスに大きい美少女だった。
「いったい何をしているのだ?」
 姉の問いに返答を躊躇する弟。代わりに武村が自信満々に答える。
「見ての通り。この美しい少女たちにお誘いをかけていたのだ。これだけの美少女たちを無視するのは失礼というものだろう」
「破廉恥!」
 一刀両断だった。
「二人とも説教してやるからこっちにこい」
 両者の腕をつかみひっ張り出す。
 負い目からか男二人はなすがままだ。
 アルファは足を止めて紗由美たちの方を向く。
「君たち。弟たちが迷惑かけたな。すまなかった。二人の代わりに私から謝る」
「いいえ。気にしてませんから」
 寿音はにっこりと笑う。それに見ほれたような表情になるアルファ。
「むう。私が男だったらやはり声をかけたかもしれないな」
「え?」
 紗由美の声には答えずアルファは二人を引っ張りその場から消えた。

(やっぱり、今のボクは男にとっての恋愛対象なんだな。でもボクはどうしても男相手に恋できる気がしない)
 声に出さないその思いを寿音が読み取ったのか寿音が言葉を紡ぐ。
「あの女性のおっしゃる通り。紗由美さんは魅力的ですわ。学校でも同じことが起きるかもしれませんね」
 それを聞いて暗澹たる気持ちになる紗由美。
「ひとつ、ご提案があるのですが」
 寿音の救いの手はとんでもなかった。

 女子寮に戻った陽南子と愛恋。
 上機嫌で鼻歌交じりつつ着替えている愛恋と、生理中を思わせる仏頂面の陽南子と対照的だった。
「んふふー。先輩に名前で呼んでもらえることになっちゃったー」
「……それのどこが嬉しいんだ?」
 陽南子は逆に名前を呼ばれたことでしかめっ面だ。
 正確にはその時の自分の反応のせいでだ。
「えー。なんか距離が縮まった感じじゃない?」
 確かに陽南子は男だった時は女子を下の名で呼んだことなど無かったが、それを何とも思ってなかった。
 しかし立場が逆になったら大問題だった。
「今にして思うと竜ヶ守先輩とヒナも急接近よね。あれだけ女子を毛嫌いしている人がヒナにだけは笑顔見せていたし」
「な!?」
 思わず陽南子はほほを押さえた。そして愛恋の容赦ない一言。
「何赤くなってんのよ? あ。もしかしてヒナも竜ヶ守先輩に恋する乙女?」
「そんなわけあるか!」
 言葉と裏腹に大声で認めているような反応だった。



 月曜日の朝。
 担任が来る前に教壇に立つ寿音。そして紗由美。
 ふたりの口から仰天発言。

「わたくし伊集院寿音と」
「ボ……ワタシ、斎藤紗由美は……こ、こう」
 堂々としている寿音に対して余裕のない紗由美は言葉に詰まる。
 その手を優しくとり寿音は言葉を続ける。
「交際しています。だから他の方とは交際できませんわ」
「「「「ええええーっっっっ」」」」
「女同士の交際宣言」に色めき立つ教室内。

(確かに既に付き合っている相手がいれば手を出されにくいけど、寿音さんはそれでいいのかな? ボクとしては相手はやはり女の子り方がいいけど)
 当事者なれど困惑してる。
 一方の寿音は安どの笑みだ。

 それが「偽りの彼氏」ならぬ「偽りの彼女」ですらないとわかるのには、さほどの時間はかからなかった。



次回 Chapter04『着せ替え少女』へ

あとがき

 男が女になるうえでそれでの常識が通じなくなるわけで。
 それもまたTSFの面白さの一つ。
 また女子となっては少なくとも他の男に性的な目で観られるのもまた避けられず。
 元々その「性的詐取をする側」だった悟は男の考えが手に取るように分かり。
 それゆえ「性的搾取をされる側」になった紗由美として恐怖しているという話でした。

 そして不可逆ゆえ次第に「男を異性と見做しだす」陽南子と愛恋。
 この辺りが主軸になります。

 今回登場は『PLS』南野美鈴ベースの南田ミスズ。
 実は教師にするのは詩穂理だけのつもりでしたがなぎさも出したので美鈴もと。
 彼女を教師にするなら家庭科だろうなと。
 北原シホリ。東瀬ナギサは設定中の仮の名でしたか、美鈴はそのままだったので改めて捩りと。

 そして同じく『PLS』から主人公・高嶺まりあを基にした高瀬マリア。
 高嶺まりあは恋が成就しましたがこちらは男に彼氏とられたという悲惨さで。
 本当はやさぐれて黒ギャルになってる設定でしたが、教師にしとけば何かと出せるので作中のように。
 こちらは仮の苗字が「西園寺」でしたが「西園寺マリア」ではちょっとまずいのでやはり捩って「高瀬」に。

 ふたりともどちらかというと大人バージョンがベースに。

 ナンパ師二人は名もない端役と思ったのですが、ちょうどいいのがいたので(笑)
 一人は「不屈のスケベ」の篁満から。

 そして宇田ベータとアルファは「後天性ツインズ」の生出平太と亜留葉。
 もともと便宜上「生出理人アルファ」「理人ベータ」から亜留葉・平太となったのである意味これも元に(笑)

 エピソードタイトルの元ネタは「戦乙女セーラ」
 かなりの力技です(笑)

城弾

 キャラクタープロファイル 03

斎藤紗由美(さいとう さゆみ)

本名・斎藤 悟(さとる)

2003年10月12日生まれ

身長158センチ。Dカップ。背中に達する茶色のロングヘア。

 男子でなくなったのは不本意だが、神罰では仕方ないと受け入れ女子としての生活に順応しようとしている。
 寮は二人部屋で唯一本物の女子である寿音と同室。
 好きになるものの自身も女のため言い出せないでいる。
 本来は男なのに女子に愛を告白できないでジレンマを感じている。

 素を出す時の自己代名詞は「ボク」
 女子としてふるまうときは「ワタシ」

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