厚生労働省クラスター対策班に協力してきた西浦博・北海道大教授は17日、産官学でつくる「関西健康・医療創生会議」などによるオンラインシンポジウムに登場し、「感染者は第1波より増える」と警鐘を鳴らした。医療現場などにはより厳しい負荷がかかるとし、新しい対策が必要だと指摘した。
西浦氏は人と人との接触を8割減らすことで早期に流行を抑え込む対策を訴えてきたが、第1波の後、政府が経済への影響を懸念し、休業要請に消極的になっていると指摘。「第2波の制御にどのような光明が差すか、相当厳しい見込みをもっている」と語り、「8割おじさんの再登場はなかなか難しい」と感染拡大が続く現状を憂えた。
東京都では保健所が新宿区のホストクラブなどの検査を積極的に進めているとして、西浦氏は「感染リスクの高い人への流行を防ぐ手立てを1個ずつ考えないといけない。新しい挑戦が必要なフェーズに来ている」と話した。
シンポは自治体や医療関係者、一般市民を対象に開催。4~5月に院内感染が発生した神戸市立医療センター中央市民病院の木原康樹病院長も参加し、第1波での対応などについて講演した。