絶滅の恐れのある二ホンウナギ。

その稚魚であるシラスウナギを国外に密輸しようとした疑いで男7人が逮捕されました。

【記者リポート】

「主犯とみられる坪田容疑者の身柄が平野警察署に入ります」

関税法違反の疑いで逮捕されたのは、大阪府泉大津市の坪田利昭容疑者(59)と韓国籍で千葉県の趙仁成容疑者(54)ら7人です。

坪田容疑者らは今年1月、関西空港から香港に向かう飛行機で二ホンウナギの稚魚「シラスウナギ」約60キロをスーツケースに隠して不正に持ち出そうとした疑いが持たれています。

これは押収されたスーツケースです。

包装された袋の中には、大量のシラスウナギが詰め込まれているのが確認できます。

坪田容疑者は、趙容疑者からシラスウナギを仕入れて、男らに密輸の依頼をしていた疑いがあり逮捕された運び屋の1人は「坪田容疑者から1回につき5万円を手渡されていた」と話しているということです。

国際機関によって絶滅危惧種に指定されている二ホンウナギ。

今年のシラスウナギの取引価格は1キロあたり約150万円と、近年、高値で取引されていることなどから、専門家は違法な漁獲や密売が横行していると指摘します。

【中央大学 海部健三 准教授】

「定められたルートで売り買いをする場合は、安い値段がつけられているので、それ以外に売った方が高く売れる。年によって大きく変わるが日本で養殖されている半分程度のウナギは不透明な流通を経ていると考えている」

坪田容疑者らは、全員容疑を認めていて、警察は組織的に密輸を繰り返していた疑いもあるとみて流通経路についても調べる方針です。