【パリ=白石透冴】新型コロナウイルスの感染者の約6割に意識障害、自律神経障害などの神経系の症状が出ていたことがスペインでの研究で分かった。新型コロナは当初、肺炎の症状を引き起こすことで知られたが、ほかにも広い範囲で体に害を及ぼすという研究結果が相次いでいる。
スペイン紙パイスが29日までに報じた。同国中部の病院で診断された感染者841人が対象の調査によると、57%に少なくとも1つの神経系の症状が認められた。
高齢者を中心に2割弱が意識障害を経験した。不眠症、不安感など精神系の障害が出た人も約2割いた。最も多かったのが筋肉痛、頭痛、目まい。少数だが筋疾患、自律神経障害を患った例もあった。ほかにも複数の研究で神経系への症状が報告されている。
症状の多くは、免疫の過剰反応が原因だとみられる。脳が直接、ウイルスに攻撃されている可能性もあるという。