4月10日に鳥取県で感染者を確認以来、約3カ月半にわたり「国内唯一の感染ゼロ」が続いた岩手県。初の新型コロナウイルス感染者が確認された29日、県民からは「ついに出たか」と声が漏れた。午後8時から緊急記者会見した達増拓也知事は緊張した面持ちで「誰でも感染する可能性がある。県民は引き続き冷静に感染対策に努めてほしい」と訴えた。
速報ニュースが流れた直後、盛岡市の盛岡大通商店街で友人と夕食に向かっていた女子大学生(19)は「驚きはない。以前から『実は既に感染者がいるのではないか』と思っていた」と話した。帰宅途中のパート従業員の女性(51)は「ついに出たかと思った。感染した人をたたくことはしないでほしい」と気遣った。
客待ちをしていたタクシー運転手伊藤昭一さん(52)は「自粛の波がさらに広まれば、タクシー業界や飲食業界は耐えられないのではないか」と不安を吐露した。(共同)