◇第69回西日本学生選手大会・体操競技の部◇6月2日◇スカイホール豊田
[男子団体]
10位 関大 349.250
関大器械体操部男子団体が14年ぶりに全国出場を決めた!関西インカレから約1カ月半。各々が成長を遂げ挑んだ西日本インカレで2部5位の成績を収めた。「助け合いながらチームでできた」と木村僚太主将(商4)の言葉通り、それぞれの種目でカバーし合いながら、総合力で全国を勝ち取った。
第1種目は平行棒。トップバッターの藤田空知(政策1)は大学初の大会で「緊張していた」と話したが、ミスのない演技で関大に弾みをつける。しかし、6人目の木村は出だしでまさかのミス。「普段絶対にやらないミス」に、演技後は悔しい表情を見せた。
続く鉄棒では北村俊輔(経1)が2つ目のはなれ技で鉄棒をつかみそこない、落下してしまうが、次の藤田がノーミスの演技で立て直す。九重宏海(文2)は3つのはなれ技もミスなく決め、着地もピタリと止めた。この種目でのチームベストを出し、「よくやってくれた。助けてくれた」と木村主将も九重の活躍をたたえた。
3種目目はゆか。「ゆかくらいから持ち直して」と、木村主将が調子を取り戻すと次の山崎雅春は13.000の高得点をマーク。勢いづく関大はさらに、6人目の藤田が高いジャンプと美しい着地で1年生とは思えない堂々とした演技を披露。「ゆかは良かったです」満足げな顔を見せた。
あん馬では芳之内智郎(社4)が初めに登場。安定感を見せ次につないだが、その後山崎雅春(商3)、九重が落下してしまう。それでも、関西あん馬1位の実力者である北村が躍動。関西インカレ時より0.300高い13.400点をたたき出した。
残す種目はあと2つ。比較的関大の得意とする種目が残った。つり輪では、藤田、九重、山崎と大きなミスなくやり切り、その後の芳之内も高得点で続く。「取るべき種目で点数を残せた」と役割を全うした。次の木村も流れに乗り、演技後は笑顔を見せる。最後の北村は、つり輪が得意種目だったが、最後に着地でミスをしてしまい、惜しい演技となった。
最終種目は跳馬。3人目の山崎、藤田が高得点を出し、ここまで順調だった九重にバトンをつなぐ。九重は高くジャンプするも、着地で大きくミス。渋い表情でベンチに戻り、最終演技の木村主将に全てを託した。息を吸って走り出す木村は、しっかりと踏み切り高く宙に舞う。着地で半歩下がったものの、全種目通してこの日のチーム最高点をたたき出した。最後は気持ちよく主将自らが関大の挑戦に幕を閉じた。
念願の団体での全国出場が決まった。この大舞台は1年間の、そして4年生にとっては大学4年間の集大成だ。「6人が自分の力を出し切る全日本インカレにしたい」と木村主将。14年ぶりにつかんだ栄光の先で、関大はさらなる光を放つ。【文/写真:勝部真穂・竹中杏有果】
▼木村主将
「自分の演技は1種目目(平行棒)の1発目の技で普段なら絶対にやらないミスをして、そこから体が重いなっていう感じだった。ゆかくらいから持ち直してなんとかやり終えたという感じ。(平行棒のミスはどうして)よくわからない。コーチもわからないって。普段なら絶対やらないので。持ち直せて良かった。鉄棒も(いつもなら)やらないようなミスやって、今日ちょっとやばいかなっていう感じだった。でも、なんとか収めるというか、まとめれたので。しんどかったですけど。(調子はどうだったか)試合前から肩が痛くて、朝起きたら上がらないくらい痛くて。注射打って挑んで。それもなんとか乗り切ったって感じ。1週間くらい前は体調も崩していた。熱が結構出たりとか。内部も外部もいいコンディションじゃなかった。でも、目標にしていた全日本インカレ、団体は達成できたので、ここから全日本インカレに向けて調整していきたい。(チーム全体としては)今日はところどころでミスはあったが、みんなそれぞれの役割を果たしてくれた。チーム全体としてはいい流れかなと。今日はほんと僕が、しっかりしてないといけないところでやらかした。申し訳ない気持ちもあるが、目標は達成できたので良かった。(1年生も2人出ていますが)北村は関西(インカレ)から出てたんですけど、藤田がこの前の最終チェックでチーム入りすることになった。藤田は今日たぶんノーミス。めっちゃ緊張もしていたが、やり切ってくれたので(チームにとって)大きかったかなと。(他の選手は)山崎はいつも通り、ミスのない演技でいい流れをつくってくれたし、九重は関西であんまり調子悪かったんですけど、今回は最後の跳馬以外は(笑)。よくやってくれたかなと、助けてくれたかなと。助け合いながらチームでできたので。北村はあん馬で。あん馬が一番点数取れるんであいつ。完璧にしていってほしい。つり輪がちょっと残念だったが、うまいこと調整していけば点数はあがるから頑張ってほしい。(全日本での目標は)今年は初めていくので。14年ぶりらしいんですよ。まず1年目は、チームみんなで、今年のシーズンの終わりも全日本インカレなので、6人が自分の力を出し切る全日本インカレにしたいなと思う。そしたら点数も付いてくる。(木村さん自身も最後の試合になると思いますが)そうですね。僕はもう自分の力を出し切って終わります。今日みたいな演技だったら悔いが残るので。やり切りたいなと思う」
▼山崎
「個人としては、いつも通りの演技ができました。可もなく不可もなくって感じで。チームは取るべき場所で(点を)取れてたので、ミスはあったんですけど、ギリギリ耐えたっていう感じですね。全カレ(全日本インカレ)がかかっていたので、落ちるわけにはいかないとみんな頑張っていたかなと思います。(全日本インカレ出場が決まりましたが?)大きな目標だったので素直にうれしいです。1、2年の時はけがをしていたので。1年生の藤田は、1、2週間前くらいに(メンバーに)決まったのに、とてもよく頑張ってくれたかなと思います。(意気込みは)安定した演技ではなく、攻めの姿勢で挑みます。今回よりも点数を上げて、ノーミスできるように頑張りたいです」
▼芳之内
「僕が総合得点では全然取れていなくて。種目ごとにしか点数を取れないので、取るべき種目で、ミスはあったんですけど何とか点数を残せたので良かったなと思います。後半の種目に点数を出すべきものが多かったので、最初の方は結構リラックスできて。そのままいけましたね。藤田が1種目目の1番目で通ってくれたので、最悪の流れにはならなかったですね。去年も出れるかもって感じだったんですけど、僕がけがしてしまったので。今年は出れて良かったというか、やっとやりたかったことができたって感じです。(今回の試合は)調子は悪くなかったんですけど、結果はあまり良くないですね(笑)調子は良かったです(笑)細かいところを練習の時から詰めれていなかったので、失敗した後に『あーここが悪かったか』ってくらいの練習しかできていなかったんだなって感じました。(全国に向けて)けがしないように頑張ります」
▼九重
「(今日の演技を振り返って)あん馬と跳馬失敗してしまったので、自分の仕事的に半分くらいしか役割に貢献できなかったかなっと。全カレ(=全日本インカレ)に向けて、失敗した種目調整して、次は全部ノーミスでいけるようにしていかなあかんなと思った。(関西インカレと比べて)前は体調不良みたいな感じで、前日何もできてなくて、種目終えるごとにつる箇所が増えてきて全然動けなかった。今日は万全な状態だったが、それでも種目終えるごとにしんどくなってきて、体力不足だなとは思った。(試合前の調子は)良かった。試合前のアップはすごく調子良くて。アップで動きすぎたかなって。アップでちょっと体力が減っちゃった感じがする。(チーム全体は)雰囲気良くできた。種目通してそんなに大きなミスがあったわけでもない。良かった。(全日本団体出場は14年ぶりと聞きましたが)団体で出るっていうのがすごくうれしい。チームで全国の舞台でいい演技をできるように今から頑張っていきたい」
▼藤田
「ゆかは良かったです。全体としては小さいミスはあったんですけど、大きいミスはなかったのでそこは良かったと思います。でも、小さなミスが続いているので、そこは全日本に向けて修正していきたいと思います。(大学初の試合はどうでしたか?)緊張しました。練習が詰めれてないまま試合を迎えて、結構緊張していたんですけど。始まってからはそんなになかったです。ギリギリ耐えれてよかったです。14年ぶりの全国出場の時に団体メンバーに入れてうれしいです。調子は良かったんですけど、練習で失敗していたところが試合にはでるなって思いました。(全国に向けて)けがしないように、もっと難度を上げて頑張っていきたいと思います」
▼北村
「今日はちょっと、ボロボロでした。最初の種目の平行棒で降りまで良かったが、降りでこけたので、ちょっとダメでしたね。鉄棒はもともと苦手やったんですけど、落ちたのでやっぱりダメで。ゆかはそれなりにできたので良かった。あん馬は良かった。練習通りの演技ができて。つり輪はちょっと緊張して、静止するとこ静止しすぎて降りで力尽きちゃってこけちゃったので、ダメでした。跳馬は普通通りできたので良かった。(関西インカレと比べて心境の変化は)関西ほど緊張はしなかったんですけど、ちょっと慣れたかなくらい。さすがにちょっとまだ緊張はする。(全日本に向けて)先輩たちに迷惑をかけないように、しっかり演技できるように練習積んでいきたい」