review

「かぐや姫の物語」最大のミステリー? 御門のアゴはなぜ長い

1ページ目から読む
『一枚の絵から 日本編』という本がある。藤原豪信の描いた「花園天皇像」(現代の感覚で見るとなんだか気の抜けたマヌケな表情に見える!)の項で、高畑は次のように語っている。
日本の肖像画は、西洋の肖像画とは違う。立体ではなく平面。目や鼻や口などのパーツを組み合わせることで、線だけで特徴を捉えることができる。ただしその表現は、カリカチュア(特徴を大げさに描いた風刺画)と紙一重になる。
御門のアゴはまさにそれ。似顔絵を飛び越えて風刺絵にすら見えるが、「日本画をそのまま動かしたよう」と称される本作では避けられないことだったのだ。

ちなみに、本当に御門のようなアゴだったと言われている人たちがいる。「日の沈まぬ国」を作り上げたハプスブルク家だ。
近親婚を繰り返してきたハプスブルク家のアゴ長遺伝子は最強最悪に。カール五世は特に有名で、下顎が重すぎて常に口が半開きになっていたとか、噛み合わせが悪すぎて食事が丸呑みだったとか、散々なエピソードが後世に伝えられている。
そこまで育たなくてよかったね、御門。
(青柳美帆子)

あわせて読みたい

レビューの記事をもっと見る

トピックス

レビューニュースアクセスランキング

レビューランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2013年11月27日のレビュー記事

キーワード一覧

エキサイトレビューとは?

エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

その他のオリジナルニュース

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。