千代田区長が議会の解散表明、刑事告発に対抗 議会側は「法的効力ない」と反発
2020年7月29日 06時00分
東京都千代田区の石川雅己区長は28日、議会の百条委員会での虚偽発言を理由に刑事告発されることになったのは「実質的な不信任」だとして、議会に解散を通知した。
地方自治法178条は、首長が議会を解散できるのは不信任が議決されたときと定める。石川区長は、刑事告発のための議案が27日の区議会で可決されたことを「実質的な不信任」と主張しているが、議会側は「告発は不信任ではない」として、解散は認められないと主張している。
石川区長は、一般には売りに出ない「事業協力者住戸」と呼ばれるマンションを購入した問題を巡り、議会で追及を受けている。解散が必要な理由について、区長は、議会に提案した区民全員に一律12万円を給付する一般会計補正予算案が「『疑惑隠し』と言われ、建設的な議論ができなくなっている」ことなどを挙げた。給付金案については「議会は存在しなくても執行の判断はする」と、専決処分で対応する可能性も示した。
一方、議会側は「解散通知に法的効力はない」とする声明を、全会一致で表明した。総務省への照会で不信任議決に何があたるかについては「議会において判断されるもの」と回答があったことを根拠にしている。
小林孝也議長は「コロナ対応を急ぐと言いながら、議会を形がい化させる暴挙に出た。二元代表制を無視した独裁者的行動と言わざるをえない」と批判。その上で「議員の身分には何の影響もない」として、議会は、予定通り開会していくと強調した。(浅田晃弘)
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