Javaのthrowとthrowsの使い分けをする方法【初心者向け】
初心者向けにJavaのtry...catch文におけるthrowステートメントとthrowsステートメントの使い方について解説しています。これらは両方とも例外処理に用いられます。2つの違いと記述方法、実行した場合の処理を実際に書きながら覚えていきましょう。
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Javaのtry…catch文におけるthrowステートメントとthrowsステートメントの使い分けについて解説します。
実際にプログラムを書いて説明しているので、ぜひ理解しておきましょう。
そもそもJavaについてよく分からないという方は、Javaとは何なのか解説した記事を読むとさらに理解が深まります。
なお本記事は、TechAcademyのオンラインブートキャンプJava講座の内容をもとに作成しています。
今回は、Javaに関する内容だね!
どういう内容でしょうか?
try…catch文におけるthrowステートメントと throwsステートメントの使い方について詳しく説明していくね!
お願いします!
throwステートメントとthrowsステートメントとは
どちらも例外処理を記述する際に使用します。
1. throwステートメント
「throw」を使用すると任意のタイミングで例外を発生させて、例外処理を行うことができます。
例えばある変数の値が指定した範囲にないときに必ずエラーにしたいとします。
(例)
if(i < 0){ throw new Exception("iが指定範囲を超えています"); }
上記の例ではiが負の数の場合に例外を発生させる様にしています。
throwステートメントは「throw new 例外クラス」と記述します。
この場合はExceptionクラスを使用しています。例外の発生後はこのthrowステートメントに対応するcatch節に処理が移ります。
(例)
try{ if(i < 0){ throw new Exception("iが指定範囲を超えています"); } } catch(Exception e){ e.printStackTrace();//throwの後ここに処理が移る }
2. throwsステートメント
例えば、複数のメソッドを使用した処理を書く際、例外処理を各メソッドの中ではなく呼び出し元でまとめて行いたい場合があります。
そういった場合、各メソッドの宣言時にthrowsステートメントを加えることで例外処理を呼び出し元に移譲することができます。
(例)
private void func() throws Exception{・・略・・}
throwsステートメントはメソッド引数定義の後に「throws 例外クラス」と記述します。
例外クラスはカンマで区切って複数指定することも可能です。
上の例の場合、funcメソッド内で例外が発生すると、その呼び出し元のcatch節に処理が移ります。
(例)
public static void main(String[] args) { try{ func();//呼び出し元 } catch(Exception e){ e.printStackTrace();//funcメソッド内で例外が発生するとここに処理が移る } }
上記の例で使用しているExceptionクラスは全ての例外に共通の親クラスなので、どんな例外でもキャッチできます。
ただ、実際は発生しうる例外に合わせて処理を分ける方が望ましいです。(サンプルプログラムを参照)
実際に書いてみよう
下記のサンプルプログラムは実行後にコンソール画面でキー入力してください。
Enterキーで入力内容を確定します。
キーが未入力、数字以外の入力、1か2以外の数字を入力、これらのいずれかの場合に例外が発生します。
例外発生時は各場合ごとに異なるメッセージを表示します。
- キーが未入力の場合:「キー入力してください」
- 数字以外の入力の場合:「数字を入力してください」
- 1か2以外の数字を入力:「1か2を入力してください」
例外の発生箇所とそれがどこで処理されるのかをみて、throwとthrowsの使い方を再確認してください。1か2を入力した場合は「正しいキー入力を受け付けました」という文言を表示します。
ソースコード
import java.util.Scanner; public class ExTest { public static void main(String[] args) { ExTest exTest = new ExTest(); //コンソールでのキー入力を要求する String input = exTest.read(); try { int no = exTest.getNo(input); System.out.println("入力結果:"+no+" 正しいキー入力を受け付けました"); //getNoメソッドで発生した例外はここから下のcatch節で処理する } catch (NumberFormatException e) { System.out.println("数字を入力してください"); } catch (IllegalArgumentException e) { System.out.println("1か2を入力してください"); } } private String read(){ String input; Scanner scan = new Scanner(System.in); input = scan.nextLine();//コンソールで入力した文字を取得する scan.close(); try { if(input == null || input.equals("")){ //何も入力せずにEnterが押された場合は例外を発生させる throw new IllegalArgumentException(); } } catch (IllegalArgumentException e) { //上でスローされた例外をキャッチする System.out.println("キー入力してください"); System.exit(1);//プログラムを終了する。 } return input; } //このメソッドで発生した例外は呼び出し元で処理する private int getNo(String s) throws NumberFormatException,IllegalArgumentException{ //数字に変換できない文字を入力した場合はNumberFormatExceptionが発生する int i = Integer.parseInt(s); if(i != 1 && i != 2){ //1か2以外の数字を入力した場合は例外を発生させる throw new IllegalArgumentException("1か2を入力してください"); } return i; } }
監修してくれたメンター
堀田 悠貴
以前はSEとして某大学病院の電子カルテシステムの保守・開発に携わっていました。 基本業務はJavaでしたが案件次第で色々他のことにも手を出す必要があり、その都度苦労した記憶があります。 |
内容分かりやすくて良かったです!
ゆかりちゃんも分からないことがあったら質問してね!
分かりました。ありがとうございます!
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