おしろ宮殿

一寸一杯お気軽に

「アンコール!」の大合唱をやめるべきという提案

7/17(金)に開催されたナイトメアの有観客ライブ(新木場コーストでキャパは250人)に参加しました。

本編とアンコールの間に起きた5分間にわたる「アンコール!」の合唱について問題提起をしたく、この文章を書いています。

メンバーから「ライブ中はマスクをしていれば声出しOK」とMCでアナウンスが‬ありました。これは一旦受け入れます。現場に来ている時点である程度のリスクは受け容れざるを得なく、曲間にメンバーの名前を呼ぶ程度なら、得られる解放感とのバランスを考えると絶対にやめるべきだと皆を説得できないなと感じました。

青字で追記します。指定席から立ち上がって良いのか、声を出していいのか等のガイドラインは当日まで周知されていませんでした。ライブが始まり、着席したまま動かない観客を見て戸惑ったメンバーがMCで「その場を動かなければ立っていい/マスクをしていれば声出しOK」と言うまで、誰にも細かなルールは分からない状況でした。自ら参加を選んでおいて、ガイドラインにある以上の規制を望むな、という反論に対しては「ガイドラインは周知されていなかった」と回答します。(そもそも、ガイドラインが少しでもあやふやな現場にノコノコ出向くなというご批判は甘んじて受け入れます。反省しています)

曲中にある観客合唱パート(Quintsや極乱心天国等)はボーカルのYOMIさんがかわりに歌ったり、パートごとカットしたりして「歌え!」と煽られる事はなく配慮されていました。また、MCで「いつかみんなで合唱できる日が来るといい」という様な事も言っていたので、シンガロングはやめようと事前に対策を決めていたのでしょう。この点には安心しました。

しかし、観客自ら「アンコール!アンコール!」の大合唱を、本編終了からメンバー再登場までの5分間(配信で測りました)にわたり行ってしまい、これには目眩がしました。

曲中の数十秒から長くて1,2分のシンガロングパートよりもずっと長い時間、250人の観客が(もちろん声を出していない人は多いです)大声で合唱し続けるという、手指消毒やディスタンスなどでは到底対処しきれないリスクが巻き起こっている中で、ここでクラスターが起きたらどうなってしまうんだろうと不安に駆られました。

メンバー個人がステージやSNSで発信している言葉から、きちんとリスク対策をした上で少しでも楽しめる方法をと真面目に考えてくれいると、ファンとしては受け取りました。
行政のリードや補償が不十分な中、スタッフも面倒なプロセスを厭わず対策をしてくれていたと思います。
公式に「声出しOK」とアナウンスされたからには、「こんな状況だからこそ少ない人数でも大きなエールをメンバーに届けたい」というファン心理から叫んでいたファンも、決して悪くはないでしょう。
でも「声を出す」「飛沫を飛ばす」行為の感染拡大リスクの高さを、無視する事は許されないと思います。
再開される歌舞伎公演では「大向こう(○○屋!等の掛け声)」は禁止されるそうです。海外では教会の合唱等で多数のクラスターが起きています。日本でもカラオケのリスクは報道されている通りです。

ライブをやるからには「何を解禁して、何を自粛するか」のルール決めの為に、「楽しさ」と「リスク」の天秤掛けジャッジが必要になってきます。費用対効果のようなもので、少ないストレスで高い効果が期待できるもの(手指消毒、マスクなど)は絶対に外せないとして、「着席してライブを見る」などの、行政が発表したガイドラインに文字としてはあるものの効果が疑わしい制約については、適宜判断して解禁して良いと考えています。

では5分間にも及ぶ大勢での「アンコール!」合唱はどうか?とあらためて考えて欲しいのです。みんなで大きな手拍子をして待つのではダメなんでしょうか?メンバーが悲しむ?想いが伝わらない?そんな事はないと思います…。
大勢での合唱に潜む大きなリスク、そしてライブ中の「シンガロングしない」等の努力を無意味にしてしまう整合性の取れない行動は、今後やめませんか?
…という提案をしたくて、この長い文章を書きました。

本来は、運営がきっちりと仕切るべきです。今回感じたリスクは、今後のためにも事務所には問題提起として伝えたいと思っています。
ライブ初日、メンバーが「最初みんなが座っていてどうしようかと思った。戸惑っていただけなんだよね?」といったMCをした時、「メンバーは私たちがどんなガイドラインを周知されてライブに参加しているか知らないのか」と驚きました。

まだコロナ禍のイベント再開は始まったばかりで、不慣れな事も沢山あると思います。探り探りで仕方ない面もあるでしょう。
でも、この世情では観客にきっちりとルールを示して統率をはかるべきです。
甘さは、何か起きた時に巨大なブーメランや私刑の槍として返ってきてしまいます。

クラスターが起きた舞台がバッシングを受けている事に対し、明らかに私刑でありやり過ぎだと感じる部分が多々ありますが、今後もこの傾向からは逃れられないでしょう)

 

ここからは今更私に言われるまでもない、基本のきのような内容になってしまいますが…
じゃあ居酒屋の宴会は?政治家はパーティーしてるのに?他で感染が拡大してる中エンタメだけ生真面目に守ってて意味あるの?といった「他に比べて不当に抑圧されている」という思いは理解できます。というか散々私自身が不満を口にしてきた内容です。
けれど我々は個人情報を運営に預けておりクラスターが追跡できる状況です。それ自体、適切な対策であり良いことではありますが、何かあればバンド名、ファンの個人情報を挙げて袋叩きに遭う可能性が、満員電車や居酒屋や夜の街より高い事は明白です。

何より、メンバーや友人が感染して苦しむ姿は見たくありません。私もまだ死にたくないですし。感染者数が増え続ければ永遠にこの不自由な生活からは解放されず、心置きなくライブが開催される日は来ないでしょう。医療関係者の皆さんにも申し訳が立ちません。

現状、何が正しい対策なのか専門家の間ですら議論が行われている状況ではありますが、小さな我慢でリスクを減らせる可能性があるのならコツコツやるべきです。

以上、現場からのレポートと問題提起、アンコール合唱なんてやめませんかという提案でした。
「お気持ち表明」と揶揄されるメモ帳スクリーンショット芸のようだと躊躇う気持ちもありましたが、思い切って書きました。
文章力の乏しい長文を読んで下さり有り難うございました。

ナイトメアのライブは素晴らしかったです!