気休めファッションマスクとは異次元の防染機能を備えたエアリズムマスクだが、日常生活における防染はともかく、通勤電車やイベント会場など三密状態での防染には心許ない。三密対策にはBFE規格より高機能なPFE規格(0.1ミクロン濾過)のマスクが必要だ。
PFE規格マスクと言えば医療従事者用のN95などが挙げられるが、医療機関でも不足する状況で価格も200円以上と高騰も収まっていない(平時でもBFE規格マスクの5倍以上高価だった)。布マスクにPFE級の防染機能など期待すべくもないと思われていたが、必要は発明の母で開発が進み、近々に発売される。そうなれば、防染機能を軽視したファッションマスクは市場から消えていくだろう。
需要の急激な拡大と供給不足で一時はドラッグストアの棚から消えた不織布マスクは、それまで一枚あたり8円程度だったのがピークでは50円を超えたが、国内の増産に中国の過剰生産も加わって5月末頃から豊富に出回り、急激に値下がりして流通在庫が積み上がっている。
供給不足がピークだった4月初め頃には手に入りさえすれば品質を問うどころではなかったが、供給が回復するに連れ価格が下がり品質も選別できるようになり、消費者の意識も変わっていった。
マスクの防塵機能(同時に防染機能でもある)は米国材料試験協会規格によれば、濾過できる粒子の大きさによって以下の三つの規格があり、それぞれの濾過試験で何パーセントを濾過できたかが製品のパッケージなどに表記される。