エンジンの役割をするのがモーター
モーターは低振動でスムーズ
エンジンとモーターの大きな違いは、ガソリンで動くか電気で動くかということなのですが、エンジンの場合には吸入・圧縮・爆発・排気という工程を経て回転する力を得ますが、モーターの場合にはそのまま回ります。
またエンジンはピストンの直線運動をクランクの回転運動に変換しているので、爆発やストロークによる振動が出ます。これに対してモーターは、完全な回転運動なので振動も無く非常にスムーズなのです。
乗り物に合った出力特性を持っている
誤解されている電動バイクのパワー
「でも電動バイクって、エンジンバイクほど走らないじゃない」という人もいると思います。実はこの理由は、電動がエンジンより走らないのではなく、基準がまったく違うからなのです。
エンジンの場合にはボアとストロークで排気量を算出しているので、この排気量で法律的な線切りをしていますが、電動バイクの場合には、モーターの「定格出力」というもので線切りをしています。原付1種の場合は排気量50cc未満、電動の場合は定格出力600W以下と定められています。
単純に比較するならば、定格出力600Wというのは0.816psしかないのです。しかも定格出力とは一定の電圧の時の数値ですから、一番状態のいい走る前の満充電でこの数値以下ということになります。
これを知ってしまうと「その割には良く走るんじゃない?」と思うはずです。それがモーターの効率の良さと、乗り物に合ったトルク特性によるものなのです。
インホイールモーターは優れた形態
これは非常にスペース効率に優れたもので、動力を駆動するホイールで完結してしまう方法です。バッテリースペースを作るためにも、おそらくこの方法がベストと考えてもいいでしょう。
ですがホイールが、重くなってしまうのは事実です。しかしホイールの総重量は重くなっても、実際の回転部分はアウターと磁石だけなので、回転に対してはそう重くなりません
またバネ下重量は確かに重くなるため、路面の突き上げ感を感じる場合があるかもしれませんが、一般的なスクーターの場合には、エンジン・マフラー・駆動ユニットのスイングする部分もバネ下重量に含まれるため、しっかりとサスセッティングされている電動バイクでは、普通のエンジンスクーターと大差ありません。
モーターを制御するのがコントローラー
エンジンの場合にはキャブレターの開閉やFIの場合にはスロットルの開閉によって、吸気を制御することでエンジンの回転をコントロールします。電動バイクの場合には、この役割をコントローラーというユニットが行っています。
モーターの特性としては電流を多くするとトルクが出て、電圧を高くすると回転が上がります。コントローラーはこのモーターに掛かる電圧を制御することで、回転をコントロールしているのです。
電圧を調整するというとボリューム(可変抵抗)を連想するかもしれませんが、抵抗での電圧制御は余分な電圧を熱として捨ててしまうので非効率。そのため電動バイクではPWM制御という方法で、電圧をコントロールします。
これは簡単にいうと電圧を高速でオン・オフし、そのオン・オフの時間の差を変えることで電圧を変える方法です。これだと抵抗のように電気を捨てることがないので、非常に効率的なわけです。
次回は電動バイクの肝の部分でもある、バッテリーについて解説しましょう。
文/おまかせ牧田
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