採用支援ツール「engage(エンゲージ)」とは?特徴や導入メリットを徹底分析
[公開日]2020.07.28
[更新日]2020.07.27
[更新日]2020.07.27
テレビCMが放映されている『エン転職』で有名なエン・ジャパン株式会社様(以下エン・ジャパン)が採用支援ツールを提供していることはご存じでしょうか。
今回はエン・ジャパンが提供している採用支援ツール『engage(エンゲージ)』について、その特徴や他の採用ツールとの違いを解説します。
engage(エンゲージ)とは
『engage』とは、『エン転職』や『エンバイト』などを運営するエン・ジャパンのサービスの一つです。
エン・ジャパンは、2000年に設立され、2020年現在東証一部に上場している企業です。『エン転職』などの求人情報媒体の運営や人材紹介サービス事業といった、人材に関連したさまざまな事業を行っています。
『engage』は、2016年8月からサービスを開始した採用管理システム(ATS)※で、全国25万社以上(2020年7月時点)の企業が利用しています。
アカウント作成から求人作成、応募者とのやり取りをオンラインかつ、自社のみで完結できる採用管理システムです。
※採用管理システム(ATS)とは? 「求人票」や「応募者情報」、「選考ステータス」など人材募集から入社に至るまでのさまざまな業務を管理するシステムです。 Applicant Tracking Systemの頭文字を取ってATSとも呼ばれます。採用管理システムごとに「いろいろな求人検索エンジンに掲載可能」や「無料でオシャレな採用サイトを作成できる」「入社後のフォローシステム」など、特徴が異なります。
全国25万社以上から利用されている『engage』ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
engage(エンゲージ)の特徴
『engage』は、職種・業種や会社規模を問わず、さまざまな採用現場に広く導入されています。その特徴は大きく分けて2つです。
- 幅広い機能を利用できる
- エン転職・エンバイトとの連携が強い
幅広い機能を利用できる
詳細は後述しますが『engage』は求人作成から応募者管理、内定者フォローまで幅広い機能を利用できます。
- スマートフォン表示に対応した求人の作成(上限なし)
- SNS連携やIndeedなどの求人検索エンジンへの掲載
- 応募者対応や選考ステータス管理、入社後のフォロー
など、採用活動に必要なツール機能を一貫して利用できます。
また、電話やメールでの活用サポートも充実しており、採用管理システムをはじめて使う担当者でもサポートの支援により豊富な機能を使いこなせます。
エン転職・エンバイトとの連携が強い
前述したとおり『engage』の運営元であるエン・ジャパンは、『エン転職』や『エンバイト』といった求人サイトの運営も行っています。中でも『エン転職』は800万人以上の会員数を誇る国内で有数の求人情報媒体です(2020年6月時点)。
もう一つの特徴は、それら自社サービスとの連携が強いことです。例えば『engage』を利用することで、800万人以上の『エン転職』会員の中から条件に合う求職者に対して直接スカウトメールを送り、やり取りを行えます。
また『エン転職』への求人掲載実績がある場合は、掲載している求人をコピーすることで『engage』用の求人ページを作成できます。後ほど詳しく説明しますが、有料オプションにより『エン転職』や『エンバイト』への求人広告の掲載も可能です。
engage(エンゲージ)を導入するメリット
母集団形成と選考以降のフェーズに分けて、それぞれの視点から導入のメリットを紹介します。
- 【母集団形成の視点から】「攻め」の採用を行える
- 【選考の視点から】適性テスト・入社フォローが行える(一部有料)
「攻め」の採用を行える
『engage』は、求人票作成はもちろんのこと、Indeed・Googleしごと検索・Facebook・LINEキャリアなどの求人検索エンジンや求人媒体に自動連携できます。また、Twitterとも連携しており、簡単にSNSで求人情報や自社採用サイトの更新をお知らせできます。
また、『エン転職』に登録しているユーザーにスカウトメールを送るといった「ダイレクトリクルーティング」を行えることは、他の採用管理システムにはない『engage』独自の集客方法です。
ただ単に求人を掲載し、応募を待っているだけではなく、SNSやスカウトメールといった「攻め」の採用を行えるのが『engage』のメリットです。
適性テスト・入社フォローが行える
『engage』のアカウントを作成することで、
- Talent Analytics(オンライン適性テスト)
- Video Interview(動画面接サービス)
- HR OnBoard(入社者フォローサービス)
といったエン・ジャパンの人事向けサービスを無料(3件もしくは3名分まで)で利用できます。一定の応募が集まったのち、「Talent Analytics」で適性検査、「Video Interview」で動画面接といった選考を行い、内定者・入社者には「HR OnBoard」でフォローするといった業務も『engage』で一貫して行えます。
無料で使えるって本当?
『engage』は基本的に全ての機能が無料で使えます。
前述のとおり採用効果を高めたい企業向けには、有料オプションとして『エン転職』や『エンバイト』への有料広告掲載も用意されています。
<エンゲージの有料オプション>
『LINEキャリア』への上位掲載や『エン転職』や『エンバイト』の掲載が行えます。『エン転職』や『エンバイト』への広告掲載は、成果報酬型となっており、応募数によって料金が変動します。
ここからは具体的にどのような機能があるのか見ていきましょう。
『engage』にはどういう機能があるのか?
『engage』では、以下の機能が利用できます。
採用サイトの作成
スマートフォンに対応した採用サイトを作成できます。
パネル写真(イメージ画像)の提供
採用サイトで一番目を引くトップにパネル写真の設定が可能です。職場の雰囲気や社員が写っている写真を利用し、視覚的に自社をアピールできます。また、写真の準備ができない企業向けに、『engage』では50種類のイメージ画像素材が用意されています。
デザインの設定
テーマカラーを10種類もしくはカラーコードから選定し、パネル写真や企業カラーに合わせた採用サイトの作成ができます。
ロゴ画像の登録
会社のロゴ画像を登録できます。また、ロゴ画像は変更可能です。
コンテンツの作成
採用サイト内に、より自社を理解してもらうためのコンテンツを最大6つまで作成・設置できます。『engage』で作成した採用サイトに掲載できるコンテンツは以下9つです。
- メッセージ
- 会社の事、会社概要
- 事業内容
- 働く環境
- 一緒に働くメンバー
- 福利厚生
- 自由記述欄(3つ)
それぞれのコンテンツには文章と複数の画像を掲載できます。コンテンツを充実させることで、求職者に求人情報だけでは伝わらなかった職場のイメージや社内メンバーなどの自社の魅力を伝えられます。
求人の作成
入力フォーマットに沿って求人情報の各項目を埋めていくだけで求人ページが作成できます。
職種別のテンプレート
求人専門のコピーライターが作成した職種別テンプレートや入力例があります。参考にすることで、応募効果のポイントを押さえた求人ページが簡単に作成可能です。
求人の複製
「簡単コピー機能」を利用することで、3ステップで求人の複製ができます。
【注意点】 2020年4月20日より、1求人に登録できる勤務地が1つに限定されました。複数勤務地の求人を登録する際は、上記の簡単コピー機能を利用し複数の求人を作成する必要があります。
『エン転職』の求人を複製
過去に『エン転職』に求人を掲載していた、もしくは現在求人を掲載中の場合は『エン転職』のアカウントと『engage』のアカウントを連携することで『エン転職』で利用していた求人を流用・複製できます。
求人のアクセス数を増やす
採用サイト・求人を作成したら、今度はアクセス数を増やし応募へつなげる必要があります。
求人検索エンジンや求人媒体への掲載
求人を作成するだけで、Indeed・LINEキャリア・Facebook・Yahoo!しごと検索・Googleしごと検索・求人ボックスに自動連携されます。
※求人検索エンジンや各媒体の掲載基準に満たない場合は掲載されない場合もあります。
SNSとの連携
『engage』は各種のSNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)と連携しており、求人をこれらのSNSに投稿することで、SNSを活用した採用活動を行えます。
バナーの作成
『engage』で作成した採用サイトを自社コーポレートサイトで表示できる「リンク取得・バナー作成」機能もあります。バナー作成テンプレートは18種類用意されている他、自社で用意した写真をバナーに挿入して作成し、自社コーポーレートサイトに設置できます。
『エン転職』へのスカウト
求人ページを掲載するだけでなく、800万人以上の『エン転職』会員の中から条件に合う求職者に対して直接スカウトメールを送り、やり取りを行えます。
応募者の管理
応募者とのメッセージのやり取り
個々の応募者と『engage』のメッセージ機能を利用してチャット形式でコミュニケーションが取れます。
選考ステータスの管理
応募者確認ページでは、応募日時・どの求人の応募か・プロフィール・対応状況が確認できます。どの応募者が選考のどの段階にいるのかが一目で分かる仕様です。
応募者情報のダウンロード
応募者情報はエクセルデータで出力が可能です。
他の採用ツールとの違い
無料で利用できる採用支援ツールは数多くありますが、『engage』は
- 利用者数(導入企業数)の多さ
- 無料で利用できる機能の多さ
に大きな強みがあります。ここからは、他の採用ツールと『engage』の違いを見ていきます。
『Indeed』との違い
前述のとおり『engage』は求人を作成し、応募者を管理する「採用管理システム」です。一方『Indeed』はインターネット上にある求人情報を集めて求職者に提供する「求人検索エンジン」という点で仕組みが全く異なります。
しかし近年では、『Indeed』でも求人ページや採用サイトに代わる「企業ページ」を作成できるほか、応募者に対してアクションを取らなかった場合に不採用通知を自動送付できる「採用企業アシスタント機能」や「選考ステータスの管理の機能」など、採用管理システムに劣らない機能が強化されています。
『ジョブオプLite』との違い
『ジョブオプLite』は、『タウンワーク』や『はたらいく』といった求人媒体を持つ株式会社リクルートジョブズが提供する採用管理システムです。
『engage』は『エン転職』『エンバイト』に、『ジョブオプLite』は『タウンワーク』といったように両者とも自社求人媒体との連携が強いことが特徴です。『ジョブオプLite』には、『engage』のような自社求人媒体の会員に対してスカウトメールを送れる機能はありませんが、80種類もの豊富なデザインテンプレートで採用サイト作成できるなど、デザイン面が優れています。
『採用係長』との違い
『採用係長』は株式会社ネットオンが提供する採用管理システムです。
ネットオンは『エン転職』や『タウンワーク』のような自社の求人媒体を持っておらず、媒体連携の面では劣ります。ただ『採用係長』では、完全オリジナルデザインかつ独自ドメインを使用した採用サイトを作成でき、これらの点は『engage』や『ジョブオプLite』にはない強みと言えます。
媒体連携はできませんが、
- 仕事内容・PR文自動作成機能による、テンプレートに頼らない自社だけの求人票作成機能
- 求人ページ分析機能
といった『engage』や『ジョブオプLite』にはない機能があるのも特徴の一つです。
求人媒体から求人票を取り込んでそのまま利用することはできませんが、採用係長サポートチームによる求人作成代行サービスもあります(別途料金)。
採用管理システム機能比較表
採用サイト・求人作成において
engage | ジョブオプLite | 採用係長 | |
テンプレートデザイン | 10種類(テーマカラー) | 80種類 | 6種類(テーマカラー) |
完全オリジナルデザイン | × | × | 〇 |
サンプル写真の提供 | 〇 | 〇 | × |
ロゴ画像の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
サイト内コンテンツ作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
求人検索 | × | × | 〇 |
求人テンプレート | 〇 | 〇 | 〇 |
求人コピー | 〇 | 〇 | 〇 |
求人のポスター出力 | × | × | 〇 |
応募者集客
engage | ジョブオプLite | 採用係長 | |
Indeed/Googleしごと検索への自動掲載 | 〇 | 〇 | 〇 |
求人媒体との連携 | 〇 | 〇 | × |
Indeed有料広告枠掲載オプション | × | 〇 | 〇 |
SNS連携 | 〇 | 〇 | 〇 |
バナー掲載 | 〇 | × | × |
スカウト機能 | 『エン転職』会員にスカウト可 | × | × |
求人ページ分析機能 | × | × | 〇 |
応募者管理・その他
engage | ジョブオプLite | 採用係長 | |
対応ステータス管理 | 〇 | 〇 | 〇 |
メッセージのやり取り | 〇 | 〇 | 〇 |
応募者への自動返信メール | × | 〇(定型文のみ) | 〇(自由設定) |
応募者情報のダウンロード | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホ対応 | 〇 | 〇 | 〇 |
独自ドメイン | × | × | 〇 |
まとめ
今回は、『engage』についての特徴や導入のメリット、他の採用支援ツールとの機能比較を紹介いたしました。『engage』をはじめ、世の中にはさまざま無料で利用できる採用管理システムや無料で求人広告を掲載できる採用サイトがあります。
無料で求人広告を出す方法を以下の記事で解説しています。
⇒無料で求人広告を出せる12種類のサイト | 効果の出し方について
『engage』を含めた採用管理システムの比較については以下の記事で解説しています。
⇒採用管理システム全70個を徹底比較【2020年 最新情報】|特徴・料金から最適なサービスを導入しよう
自社の採用課題にマッチした採用管理システムを利用することが大切です。『engage』などの採用管理システムを有効活用してぜひ採用活動を効率化し、成功に導いてくださいね。
関連記事
この記事を書いた人
Miyuki.U
2019年コンサルとして新卒入社。が、半年後オウンドメディアに心奪われマーケティングアシスタントへ転向。Webライティング能力検定1級所持。 小豆と読書(自己啓発系)、アニメ・ゲームが好きなサブカル系女子。