・確かにソビエト連邦と違って、中国はグローバル経済に深く統合されている。だがわれわれが彼らに依存する以上に、北京の方がわれわれに依存しているのだ。
・いまこそ自由国家が行動する時だ。すべての国は、中国共産党の触手から、いかに主権を守り、経済的繁栄を保護し、理想を維持するかということを理解していかねばならない。
・だが私がすべての国のリーダーに呼びかけたいのは、アメリカ方式から始めてほしいということだ。すなわち、シンプルに相互主義、透明性、説明責任を要求していくということだ。自由国家はやり方を改め、同一原則で行動するのだ。
・まさにこれこそが、アメリカが最近、中国の不法な南シナ海での主張を一度完全に拒絶したことなのだ。
・われわれは過去のミスを繰り返すわけにはいかない。中国の挑戦は、民主国家――ヨーロッパやアフリカ、南アメリカ、それに特にインド太平洋地域――に努力と労力を要求するものだ。
・もし今行動を起こさなければ、最終的に中国共産党は、われわれの自由を侵食し、われわれの社会が懸命に築き上げてきたルールに基づいた秩序をひっくり返すだろう。いまわれわれが膝を屈したら、孫たちは中国共産党の慈悲の傘下に下るかもしれない。それほど中国共産党の行動は自由世界にとって喫緊の挑戦だということだ。
・われわれが許さない限り、習総書記は中国内外で、永遠に暴君でいられる運命ではないのだ。
・これはこれまで直面したこのない複雑で新たな挑戦だ。ソビエト連邦は自由世界から閉鎖されたが、共産中国は、すでにわれわれの国境の中に入ってきているのだ。
・そのためアメリカ単独では立ち向かえない。国連、NATO、G7、G20など、われわれの結合した経済力と外交力、軍事力によって、明確に大きな勇気を持って指針を示していけば、この挑戦に必ずや、十分対処していける。おそらく、志を同じくする国々が、新たな民主の同盟を作る時なのだ。
・自由世界が変わらなければ、共産中国が確実にわれわれを変えてしまうだろう。
・中国共産党から自由を守ることは、われわれの時代の使命である。そしてアメリカは完全に、これをリードしていく。なぜなら建国の原則が、機会を与えてくれるからだ。
・確かに、リチャード・ニクソンは1967年、正しいことを書いた。「中国が変わるまでは世界は安全にならない」。いまこそこの言葉に心を留めるべき時だ。
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以上である。何とも大変な世の中になってきたことが分かるだろう。
「トゥキディデスの罠」という言葉があるように、歴史的に見て米中2大国の激突は、早晩起こるべきものだったのかもしれない。しかし新型コロナウイルスのパンデミックによって、一気に津波のように襲ってきてしまった。
新型コロナウイルスさえ制御できないでいる日本は、にわかに始まった米中新冷戦の乱世に、うまく対応して行けるだろうか?
【今週の推薦新刊図書】
『世界ウイルス戦争の真実』
著者=日高義樹
(徳間書店、税込1,650円)
本文で述べたポンペオ演説や領事館閉鎖合戦など、米中新冷戦の開始を、ワシントン取材半世紀を超える著者が、現地から生々しく伝える新著だ。新型コロナウイルスの渦中で行われる今秋のアメリカ大統領選挙の最大の争点は、「対中国」だという。それは、与党・共和党と野党・民主党のどちらが、より強硬な対中政策を取るかということだ。ワシントンから日高氏が説く米中の「熱い戦い」は、当然ながら日本も対岸の火事ではいられない。その意味で、格好の米中新冷戦の指南書と言える。