『ゴミ清掃員の日常』©滝沢秀一/講談社

レジ袋有料化は「エコ」じゃない…? ゴミ清掃芸人が明かす「意外な真実」

『ゴミ清掃員の日常』からわかったこと
7月から始まった、レジ袋の有料義務化。スーパーなどでは先行して始まってはいたが、コンビニや百貨店でも有料となり、否応なく国民的関心事となった。レジ袋自体をそのまま捨てていた人も、ゴミ出しに活用していた人も、レジで「買う・買わない」、あるいは「要る・要らない」の決断を迫られたことだろう。
今後消費者としてどう行動すべきか、お笑いコンビ、マシンガンズとして活動する傍ら、ゴミ清掃員としても働く、ヒット本『ゴミ清掃員の日常』の原作者滝沢秀一氏に聞いた。
『ゴミ清掃員の日常』©滝沢秀一/講談社

レジ袋「有料義務化」になったけれど…

―レジ袋の有料義務化がスタートしました。滝沢さんはレジ袋、買われていますか?

滝沢秀一氏(以下滝):実は、今回の有料化以前からレジ袋をあまりもらわなかったんですよ。カバンやポケットに前もらったレジ袋が突っ込んであって、破れたらまたもらってという感じで使っていました。一応ゴミを減らす意識は高いです(笑)。

―環境省によると、年間300億枚のレジ袋が消費されていたとあります。ざっくりとですが、日本国民が111枚程度使っているような計算になる。これを減らすのが行政の目的です。

:有料化すれば確かに減りますよね。僕だって買うとなるとためらいます。そしてマイバッグの持参が推奨されてますよね。

でも本当のエコを突き詰めて考えると、実は紙袋もエコバックも使い続けることがとても大事になってきて、紙袋なら約11回、布のエコバックだと約840回、オーガニックコットンのバッグだと約2400回使わないと、レジ袋よりエコだとは言えないという研究結果もあるのです。

『ゴミ清掃員の日常』©滝沢秀一/講談社
 

―なるほど。すると滝沢さんが実践されているレジ袋の使いまわしは相当エコですね。

:そうでしょう?(笑)「マイバッグ」ってレジ袋ではないものをイメージしますが、レジ袋でもいいじゃないですか。 たまに破れてしまいますが、かなりの回数使えますよ。エコバックより軽くてかさばらないし、レジ袋代の節約にもなるし便利です。国民全員が3日使いまわすだけで、300億枚が100億枚まで減りますね!結局1人1人のちょっとした意識の積み重ねなので、その位の努力でもあっという間にゴミは減ります。

―そう言われると出来る気がしてきます。地域によっては、レジ袋をゴミ袋として使っていた人もいますが、清掃員としてはレジ袋で捨てられることに問題はないのでしょうか。

:僕が仕事している地域では指定ゴミ袋でなくてもよいので、結構レジ袋で出す方は多いです。結局手数の問題なので、大きいゴミ袋で出してもらえる方が、小さなレジ袋沢山になるよりは時間の短縮になって助かります。

あとはレジ袋自体がポイ捨てなどで風で飛ばされ、海洋プラスチック問題にもなっているのでそれも減るといいなと思いますね。