恐れていた集団感染が、開幕5日目で米球界を揺るがした。大リーグ機構は新型コロナウイルス感染の検査のため、27、28日(日本時間28、29日)のマーリンズ対オリオールズ(マイアミ)2試合と、27日のフィリーズ対ヤンキース(フィラデルフィア)の中止を発表した。検査結果が良ければ、マーリンズは29日の敵地でのオリオールズ戦(ボルチモア)から試合を再開する。
発端は、26日(同27日)。マーリンズの4選手が感染。この日、新たに8人の選手、2人のコーチ、計10人の感染が確認された。マイアミに帰るはずだったチームは、フィラデルフィアに留まり、当地で再検査の検査結果を待つことになり、27、28両日のホーム開幕カード開催が中止となった。マ軍の集団感染は、週末の3連戦を戦ったフィリーズの本拠シチズンズバンク・パークにも飛び火。最低でも14人の感染者が使用したことになるビジタークラブハウスの消毒作業が行なわれ、選手、スタッフは新たな検査を受け、27日開催予定のヤンキース戦は中止になった。
26日に現地入りしたヤンキースは、マーリンズとは別の宿泊施設に滞在し、待機することになった。前日、マイアミ入りしたオリオールズは、この日、ボルティモアに移動するなど混乱に見舞われた。
このまま、感染者急増した場合はペナントレースがどうなるのか注目されるが、マンフレッド・コミッショナーはこの日、「選手とその家族の安全が第一。人々を安全に保ち、プレーし続けることができると私たちは考えている」と現状では、今季のレギュラーシーズンの中止などを考えていないことを強調。また、マーリンズのジーター・オーナーは「全ての選手、スタッフの安全が第一。(今回の)中止の決断は正しい」と声明を発表した。
一方、今季プレーしないことを発表したドジャーズのプライス投手はツイッターに「MLBが本当に選手の安全を第一にするか、今こそ、しっかりみる必要がある。マンフレッド(コミッショナー)は、選手の安全が最重要と言ったよね?、私が今、家にいる理由のひとつは、選手第一ではないから」と投稿し機構を皮肉った。
選手会と大リーグの長期交渉を経て夏季キャンプを消化。24日の検査10939件中陽性は6人(0・05%)と抑えられていた感染だが、移動を伴う公式戦開始で、いきなり、集団感染が発生。開幕から5日目で、早くも、難問に直面した。