感染出た集団、濃厚接触なくても全員PCR検査へ 埼玉県
2020年7月27日 23時19分
新型コロナウイルス感染症の広がりを早期に把握し拡大を防ぐため、埼玉県は27日、感染者が出た場合に周りの無症状者へ行うPCR検査などの行政検査の対象を拡大する方針を発表した。これまでは原則として感染者との濃厚接触が確認された人だけに限定してPCR検査などを行ってきたが、感染者の見つかった同じ集団内に別の感染者か症状のある人、濃厚接触者が1人以上いる場合は、濃厚接触がない人を含めて全員を検査する。
感染症法に基づく行政検査は、保健所が必要だと判断した人に行われる。これまでは感染者が出た場合、濃厚接触者を対象にし、キャバレーなどでクラスター(感染者集団)が発生して広がりがつかみ切れない場合などは範囲を拡大して検査する例はあったが、基準がなかった。
国が15日に濃厚接触者以外も対象にできる通知を出したことを受け、県は今回、各保健所が積極的に検査できるよう方針を明確化。集団の範囲について、医療機関なら同じ病棟内、高齢者施設や保育所などでは施設全体、会社では同じフロア、接待を伴う飲食店では同じビル内または繁華街―などと例示した。
濃厚接触者の検査の場合は、陰性と判定された後も2週間の健康観察が必要だが、範囲を拡大した検査では陰性の場合はすぐに日常生活に戻れる。
大野元裕知事は「クラスター(感染者集団)を形成させず、仮に発生しても早期発見することで、より安心してもらえる仕組みを作りたい」と狙いを述べた。(飯田樹与)
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