政府のGoToトラベルキャンペーンが始まった4連休、岩手・盛岡駅前の人出は前の土日に比べて減少したことがわかった。

首都圏での感染が拡大するなか、岩手県内ではこの連休にクラスター対策の研修会も開かれ、専門家が「特に医療機関で注意が必要」と呼びかけた。

携帯電話の位置情報をもとにしたNTTドコモの推計によると、7月26日までの4連休、盛岡駅前の人出は新型コロナの感染拡大前との比較でマイナス30%から35%程度となった。

前の土日と比べると3ポイントから9ポイント減少していて、東京などでの感染拡大の影響とみられる。

こうしたなか、県庁では25日、厚生労働省のクラスター対策班で従事する防衛医科大学校・加來浩器教授を招いての研修会が開かれた。

厚労省 クラスター対策班 加來浩器教授

「すごく大変です。最大で14日さかのぼって、何をしました、どこに行きましたと聞かなければならないのですが」

「なかなか教えてくれないことから、(感染者の)リンクを終えない人が増えているのが問題となっています」

この研修会は県内でのクラスター対策に役立てようと、いわて感染制御支援チーム「ICAT」が開いたもので、加來教授は次のように注意を呼びかけた。

厚労省 クラスター対策班 加來浩器教授

「クラスターを生みやすい曝露(感染)の場として一番多いのは、やはり医療機関です」「無症状の間に入院した心筋梗塞のおばあさんが(個室から)大部屋に移ったとたんに周りに広がったとか」

またクラスターは夜の街などの3密の状況で発生しやすいことを改めて指摘した。

そして現在の東京の状況については次のように述べた。

厚労省 クラスター対策班 加來浩器教授

「東京では何が起こっているか。掘り起しをしています。多くが無症状者ですが、どんどん唾液検査をしています。たくさん数字があがってきても、それは今まで同じような感じで増えていることを意味しない」

また無症状感染者の呼気も感染源となりうることや、ウイルスと結びつく受容体が多く存在するのは鼻や舌、腎臓、大腸などで、排泄物を介しての感染にも注意が必要と指摘。

接触確認アプリCOCOAを活用するなど感染拡大を防ぐ心がけが重要と語った。