作品概要
《絵画芸術(絵画の寓意)》は、画家のヨハネス・フェルメールによって制作された作品。制作年は1665年から1668年で、美術史美術館に所蔵されている。
最も著名な作品のひとつ
《絵画芸術》はオランダの画家ヨハネス・フェルメールの最も有名な作品の1つに挙げられる。別名《絵画の寓意》や《画家のアトリエ》として知られている。
本作品には、窓辺に立ってポーズをとる青いドレスを着たモデルと、それを描く芸術家が描かれている。モデルの背後の壁には大きな地図がかけられている。モデルの右側にはフェルメールの署名が書き込まれているが、日付はない。専門家の多くは1665-68年に描かれたとみているが、1670-75年に描かれたとする専門家も存在する。
フェルメールのお気に入り
フェルメールは本作品がお気に入りで、生涯売ることなく所有し続けた。本作品に描かれている芸術家はフェルメールの自画像で、モデルの女性はフェルメールの娘であると考えられている。高貴でオシャレな芸術家の出で立ちは、ルーベンスの自画像など他の画家の作品でもよくみられるものである。
フェルメールは本作品に様々なアトリビュートを配している。机上に置かれた石膏マスクは模倣、布や革は自由芸術の象徴として描かれている。床の大理石のタイルや光輝くシャンデリアの表現は彼の職人芸であり、彼の遠近法についての知識も示している。
描かれた寓意
壁にかかった地図は1636年に製作されたもので、ネーデルランドの17州を示しており、著名な20の都市が配置されている。地図は西を上にして南北が折り目によって分断されており、これは北オランダ共和国とハプスブルク家支配の南部諸国の分裂を示していると考えられる。
モデルは月桂冠をかぶりトランペットと本を持っていることから、歴史の女神を表しているとされている。
中央のシャンデリアに描かれている双頭の鷲は、神聖ローマ帝国ハプスブルク家のシンボルであり、低地諸国の旧支配を示している。
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