茗荷(読み)ミョウガ

  • ×茗荷
  • ×茗荷/×蘘荷
  • みょうが めう‥
  • みょうが〔めう〕
  • めが
  • 茗ミャウ荷・蘘荷
  • 茗荷 (ミョウガ)

デジタル大辞泉の解説

《「めが(芽香)」の音変化という。「荷」は当て字》
ショウガ科の多年草。地下茎が横に伸び、地上茎は高さ50センチ~1メートル。葉は長楕円形で、互生。夏から秋にかけ、地際に苞(ほう)が2列に重なって卵状の花穂をつけ、苞の間から淡黄色の3弁花を出す。全体に特有の香りがあり、茗荷の子とよぶ花穂や若芽を食用にし、栽培される。熱帯アジアの原産。めが。 子=夏 花=秋》「日は宙にしづかなるもの―の子/林火
紋所の名。ミョウガの芽や花を図案化したもの。
おろかな人。1をたくさん食べると物忘れするという俗説からいう。
「大門を這入(はひ)る―に出る生姜」〈柳多留・一二二〉
ミョウガの古名。〈和名抄

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「茗荷」はあて字)
① ショウガ科の多年草。アジア熱帯地方の原産で、本州・四国・九州の山野に生え、野菜としても栽培される。高さ〇・五~一メートル。地下茎は円柱形であまり肥大しない。葉は広披針形で長さ二〇~三〇センチメートル。八~一〇月、卵状楕円形で赤紫色の包片を多数たけのこ状につけ、その間に径五センチメートルぐらいの白い不整斉花を数個開く。まだ花の出ない苞(ほう)を「はなみょうが」、茎の若いものを「みょうがたけ」といい、ともに芳香に富み、食用にする。漢名、蘘荷。
▼みょうがの花《季・秋》
※異制庭訓往来(14C中)「芥子、苣、蘘荷、薺、牛房、大根」 〔日本植物名彙(1884)〕
② 愚鈍な人。愚かな人。①を多く食べると物忘れするという俗説からいう。
※雑俳・都とり(1741)「めうがの子・かげとひなたの母の海」
③ 紋所の名。①の芽や花を図案化したもの。花抱き茗荷、抱き茗荷、違い茗荷、抱き茗荷菱などの種類がある。
[語誌](①について) 日本で古くから栽培されてきた野菜の一つで、古くはメカと呼ばれていたようである。遅くとも室町期にはミャウガと呼ばれると共に、あて字「茗」が用いられ始めた。他の作物の育たない所でも育ち、夏ミョウガ・秋ミョウガとも野菜の端境期に収穫できたので重宝された。ミョウガを食べると物忘れするという説は、俗説として定着しており、小咄などにもよく用いられた。

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