©2017「武曲 MUKOKU」製作委員会
Q.ラップのリリック作りに夢中という今どきの高校生ながら、洪水で死にかけたというトラウマを抱えた融役を演じました。剣での対決シーンもあり、演じるには大変な役柄だったのではないでしょうか。
身体的な苦労はありましたが、熊切組をずっとやってみたかったこともあり、融を演じることはとても楽しくて、幸せな瞬間でした。僕は剣道の経験はありましたし、音楽と剣道は身近なカルチャーで、そういった意味でも等身大の役だったと思います。原作も読みましたが、男っぽさが細かく描かれていて「これは燃えるな」と思いました。
Q.融は初対面で、研吾から剣をズバッと突きつけられます。とても衝撃的な出会いでした。
実はあのシーンは、クランクインのファーストシーンだったんです。融としては“怖い”という感情がありました。何か得体の知れないものという感じ。融の目線では「なんだ、コイツ」と思うような初対面ですが、映画としてはすごく面白い始まりですよね。でも融は、そういう人に会いたかったんです。それくらいの強烈な刺激を求めていた。その人に会うことで、関わることで、何か答えが見つかるんじゃないか、見つけられるんじゃないかという出会いだったと思います。
Q.では初共演となった綾野さんとの初対面は、どのような印象でしたか?
綾野さんとは、何年か前に仕事終わりで呼ばれたお酒の席で初めて会いました。その時、僕はティーンエイジャーだったのでもちろんお酒は飲みませんし、「次の日も早いから、もう帰ろう」と思っていたんです。それで綾野さんに「帰ります」と挨拶をしに行ったら、3、4回くらいハグをされて(笑)。『2つ目の窓』という僕のデビュー作を観てくださっていて、あの映画の良さや僕にとってうれしい言葉を伝えてくださって。綾野さんは酔っていたんですが(笑)。不思議な出会いでしたね。