REITについての基礎基本を教えていきます!そもそもREITって何??ってところから、何を見て投資してあげればいの???ってところまでを解説!
知識0から中級者の第一歩を踏み出しましょう!
この記事では以下のことをお伝えしていきます
- REITっていう商品自体の説明
- REITの中の種類の解説とそれぞれの特徴
- REITの根本である配当金戦略について
- 不動産市場でいかに東京が重要か
この記事を読み終わる頃には
REIT指数がなぜ上がったのか、下がったのかについて理解ができるようになっています。
10分で理解できますので、10分間頑張りましょう!
REITって何??
そもそもREITってなんでしょう??
名前は聞くけど、よく解くわからないなんて人も多いんではないでしょうか??
REITとは『不動産投資信託』という名前はついていますが、これだけではよくわかりません。なぜならREITとは2つの意味があるからです
- 不動産に投資をしている会社のこと
- 不動産に投資をしている会社(上記と同じ)に投資をするための金融商品
つまり、REITというのは、会社の名前であり、同時にその会社に投資をするための『投資信託』のことなんです
意味が違う2つのものに同じ『REIT』という名前がついているため、非常に理解が難しくなってしまいます
しかし、一般的には
REIT=不動産投資会社へ投資をする商品と考えてもらえれば問題ありません
REITについて考える際には、例えば三菱地所のような『不動産会社(デベロッパー)』と一緒に考えてあげるとわかりやすいです
多くの不動産会社は上記のグラフのように様々な事業を営んでいます
ビルを開発し、管理したり、住宅を設計したり、顧客に賃貸として貸し出したり、、、などなどの様々なことから収益をあげています
その分、事業分散もはかれますし、日本だけに収益を頼ることもありません。
一方でREITと呼ばれている会社の収益モデルはそうではありません
主に『賃貸ビジネス』のみの収益構造になっています。つまり、
不動産の開発などはせず、不動産を購入し、賃貸として貸し出し、家賃として収益を得る
という非常に単純なビジネスモデルになっていることが多いです。
(厳密には売上変動型など、様々な携帯がありますが、上記の考え方で基本的には問題ありません)
つまり、REITとは、不動産に対して投資をしている会社の株式
と言うことです。
REITがつまりは何か??と言うことがわかった後は、企業分析の基本である
『収益構造、つまりビジネスモデル』の把握をしていきましょう
REITの場合ですと、収益は100%が不動産投資から得ているので、
『どんな物件に投資をしているのか?』について考える必要がありますよね。
では、どんな不動産に投資をしている会社(REIT)が多いのでしょうか??
見ていきましょう
REITには種類がある!
REITを考えるときに、この部分こそが最も重要と言ってもいいかもしれません。
一般人が投資できる不動産にも様々な種類がありますよね。ざっくり言うとこんな感じでしょうか
- マンション(1棟 これは金額的に難しいか?)
- マンションの一室〜何部屋か
- ワンルームマンション
- 地方アパート
- 都内一軒家
まだまだあるでしょうが、こんな感じでしょうか?
しかし、これは個人の話。投資法人であるREITは当然ながら、もっと規模が大きいです
REIT投資をする対象としては大きく以下の6つがあります
- オフィス
- 商業施設
- 物流・インフラ施設
- 住宅
- ホテル・リゾート
- ヘルスケア
当然ながらREITの株価も、得られる分配金も(後述しましすがREITは配当金が非常に大きいです)収益が上がれば大きくなります
つまり、投資対象によって株価の変動も異なってくるということです。
なぜなら、例えばホテルへ投資をしているREITの場合、外国人需要が減少したり、外出しにくい環境が続いてしまうと、
『収益が悪化しそう→今のうちに売っておこう』
となって、オフィスなどに投資をしているREITよりも大きく株価が下がってしまいますよね
なので、ここからは上記6つの投資対象によって変化する『特徴』をそれぞれ学んでいきましょう!
日本のREIT全体感
まずは日本全体としてのREIT市場について確認していきましょう
ざっくりですが分類するとこのような市場構成になっています
複合系は、不動産投資対象を組み合わせているということです
上記の円グラフを見ればわかりますが、
日本の場合ですと、『オフィスREIT』のウェートが非常に高く、全体の3分の1を占めていることがわかります。
つまり、日本のREIT指数(東証リート指数)を考える際は、オフィス系を中心に考えていけばいいと言うことです。
では、最初はオフィスREITの特徴を中心に抑えていきましょう
オフィスREIT
まずはオフィスREITの特徴を学んでいきましょう。
特徴はこのような点が挙げられます
- 景気変動に大きく影響される
- 東京都内の特に大きい3区(5区)の動向に左右される
では、それぞれについて考えていきましょう
景気変動に左右されるオフィスREIT
まず、オフィス不動産の顧客というのはは、一般企業ですね。
過去のREIT市場の推移を確認してみると、企業業績の好調な伸びと連動する形でオフィスREITの市場規模は大きく拡大してきました
なぜなら、企業は業績がいいと、家賃が上昇したととしても賃上げを受け入れる傾向にありますし、
いまだに『賃料が高い=ステータス』という思考も存在しています。
なので、好景気の際は大きく業績を上昇させ、それに伴い株価も上昇するのが『オフィスREIT』の特徴です
逆に、不景気の際は、、、いうまでもありませんね笑
東京の一部の重要性の高さは異常
もう一点、オフィスREITには忘れてはならない点があります。
それは
『東京のオフィス街、つまり3区(千代田・中央・港)の重要性が高い』
と言うことです
不動産市場自体が非常に東京のウェートが高いのですが、その中でもオフィスREITの東京中心地の重要性の高さは群を抜いています
- 3区【千代田 中央 港】
- 5区【上記+新宿 渋谷】
- 6区【上記+品川】
以上の地域の重要性が非常に高いことが特徴です。
財務省のデータによると、2019年〜2023年に供給された、されているオフィスビルの7割が【3区】に集中するということがわかっています
その事実から考えても、
『オフィスREIT=東京中心地に本社がある企業業績次第』
と言えるでしょう。
また、オフィスREITは日本のREIT市場の34%を占めますが、その半分を
日本ビルファンド
ジャパンリアルエステイト
の2社で占めています。
以下の2つの資料を見てみましょう
どちらも主要物件であったり、保有資産の大半を東京の主要部分に集中させていることがIR資料からわかりますね。
『オフィスREITは東京3区の企業次第!だからこそ、景気に大きく左右される』
このことをよく覚えておいてください
また、賃料契約形態は2年間の固定賃料を採用している場合が多いですので、2、3ヶ月程度で元に戻るような短期的なダメージは響きにくいということも追加しておきます
商業施設REIT
商業施設REITとは、まさに名前その通りで、ショッピングモールや百貨店などが主な投資対象になっています
商業施設REITの場合、
さらにその中から『どんな商業施設に投資をしている比率が高いのか』についても考える必要があります
なぜなら、百貨店へ投資をしている場合は、大きく景気変動の影響を受けるでしょう(百貨店で売っているものは、いわゆる贅沢品が多いから)
一方で、日用品を売っているようなスーパーマーケットなどに投資をしている場合は、当然ながらそこまで大きく影響は受けません
なので、商業施設 REITの場合は、特に中身まで見ることが重要です。
大きく分けると投資対象はこの3つです
- アウトレットなどの郊外にある商業施設(モール的なもの)
- スーパーマーケットなどの都市の生活密着型
- 銀座や渋谷にあるような都市型の商業施設
中身ごとにもちろん特徴は異なります。
先ほどもお伝えしたように、銀座の商業施設とスーパーマーケット。この2つは同じように考えることはできません。なぜなら景気への反応も、客層も、販売品も全てが違うからです
なので、商業施設REITに投資する際は、他のREIT以上に中身に気を配るようにしましょう。
また、オフィスREITとは違って東京重視の特徴はそこまで強くありません。
主な投資対象に『郊外型モール』がある時点で推測できるかもしれませんが、都市近郊、中堅都市を含めて考えてあげることをお勧めします。
さて、ここからが重要なのですが、商業施設REITの収益源である『賃貸料金』ですが、ここには他のREITとは違った特徴があります。
それは『固定賃料+変動賃料の組み合わせ』だということです
固定賃料は、名前の通り、家賃は年間100万!などのように固定のものです。
しかし、商業施設の場合は、さらに売上の〇〇%を家賃として追加で支払うというような売上によって変動する『変動する賃料』が組み合わされていることがある
ということを抑えておきましょう(ホテルREITでもある)
また、商業REITは賃貸借契約期間(何年ごとに賃貸継続か、出て行くか決める)が比較的ですが、長期になっているケースが多いです。
そのため、比較的景気変動には強い特徴があると考えることもできます。(変動賃料もあるので一概にそうとは言えないですが、一時的な不況なら)
投資をする際は、そのREITが投資をしている先の契約更改までの期間も合わせて確認してみましょう。(賃貸借契約期間残存を確認するということ)
物流・インフラREIT
このタイプのREITは他のREITと大きく特徴が異なります。まず、投資対象については
- 鉄道などのインフラ施設
- 倉庫などの物流施設
大きく分けて、この2つです。
インフラと物流に関する物を一緒にしては、景気に対する感応度が違ってこないだろうか??と思うかもしれませんが、
契約形態が似ていることが多いので一緒にすることにしました。(bloombergカテゴリも一緒だし。。。)
では特徴を抑えていきましょう
- 長期契約
- 固定賃料
- 企業業績に左右されにくい
まず、このタイプのREITの契約期間は非常に長いことが多いです。
インフラに関しては数年単位で移動させるような種類のものではないので、当然ですが、物流施設に関しても同じことが言えます。
倉庫の契約だけなら、すぐに契約して、景気が悪くなれば契約解除!
というのもできるでしょうが、倉庫には当然ながら『荷物』があります
景気が悪いと、荷物は当然ながら『倉庫に保管』しなければなりません。
そんな状況で、景気が悪いからと倉庫を解約すると、『在庫を捨てるor引っ越す金』がかかります。
加えて、このタイプのREITは賃料形態が固定100%で構成されていることが多いです。
契約期間が長く、固定賃料、そして景気に左右されにくい特徴
というのが物流・インフラ系REITの特徴です。
また、このREITは都市近郊の不動産が対象になっていることが多いです。
一例として、この種類の中で最大のREITである、『日本プロロジスリート』の代表物件を見てみましょう(割合は35%ほどです。超大きい!)
東京に近い千葉あたりの不動産への投資が主な主要投資物件のようですね。
東京ではなく、そこへのアクセスがいい都市近郊というのがキーワードです
住宅REIT
マンションなどに投資をして、その賃料などで収益を上げているREITがこの住宅REITですね
住む場所自体は誰しもが必要で、需要が減少することはありません。
そのため景気に対する感応度は低く、安定した収益を生むということが特徴です
しかし、注意したい点は
『契約期間が短い』ということです。
これはみなさん経験があるかもしれませんが、住宅の引っ越しって別に珍しいことじゃありませんよね。
全体としての需要は『人口増加率や失業率』で変化は多少しますが、あまり大きくは変わりません
しかし、自分が投資をしているREITの収益がどうなるか?は先読みが難しい問いになっています
実際に住宅REITに投資する際は、
『そのREITの特徴は?』『ターゲットエリアは?』『顧客層は?』など
自分たちにも関わる分野だからこその視点を重要視してみていってください。
なお、住宅系REITもやはり重要拠点は『東京』です
家賃が高くて、人口が多い。
当然東京が最重要拠点になります
ホテル・リゾートREIT
ホテルREITに関しては、外国人観光客の多さを重要視してみましょう。
確かに、観光客(特に外国人)だけが収益源ではないので、一概に『ホテルREIT=外国人観光客』とは言えませんが
主要なREITの戦略を確認すると、やはりホテルREITを見る際に外国人観光客は非常に重要なファクターだとわかります
少し具体例を見てみましょう!
以下の画像をは日本のホテルREIT割合のの4割を閉める『インヴィンシブル』のIR資料です
同社発表によると『国内ホテルの8割が外国人宿泊数上位10の都道府県に立地』
書いてあります。
外国人観光客動向というのは、最近は少し携帯が変化しています。
地方への移動であったり、モノ消費からコト消費へなどが典型例ですね。
そうした変化で多少外向人観光客独自の動きが出てきていますが、
基本的には、日本人にも人気の所=外国人観光客にも人気
という構図は崩れません。
実際に業界2位のホテルリートである『ジャパンホテルREIT』についても外国人戦略を重要視していることを示すIR資料が多くあります
もし、外国人動向について把握したい場合は、この記事を読んでいただければ情報の入手方法も含めてわかりますので、ぜひ読んでみてください
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html
上記は観光庁HP
ヘルスケアREIT
こちらについては、日本のREIT市場でシェアが0.4%ほどしかなく、歴史もかなり短いので、ざっくりと現在の状況をまとめていきたいと思います
ヘルスケアREITの投資対象は『老人ホーム』です
収益源としてあげられるのは2つ
- 国からの補助金という形で得られる介護報酬
- 老人ホーム入居者から得られる施設利用料
です。
基本的に老人ホームの契約というのは長期契約です。1回入った老人ホームを変えるということは基本的にはかなりのレアケースです
そして収益源の1つは国からの補助金
つまりこのREITは景気に対して、かなり安定感の強いREITだということが特徴です。
また、ホテルにも言えますが、一部のREITは投資先の不動産をかんり、運営する『オペレーター』という存在がいます
彼らの力量はかなり収益に直結する部分ですので、もし、投資をする際は、
『オペレーターの力量』についても考えていきましょう
配当金戦略を学ぶ!
さて、ここからはREIT全体に共通する基本的な内容について再び考えていきましょう。
REITについて説明してきた部分で何度も『配当金』と言った言葉を出しましたよね
なぜなら、
『REIT投資の最重要部分こそ配当金』
それはなぜかと言えば、REITの仕組みの部分に理由があります。それは
『収益の9割を配当金として投資家に還元することで法人税を減税する』
ということが認められているからです。
なのでREITに投資をする場合に、重要になってくるのが
- 配当金戦略
- 投資対象などの、個別の情報
です。
一般的な高配当銘柄よりも
収益=配当金というように収益との関連性が低いので、通常よりも十分にビジネスモデルの理解が必要です!
個別の情報に関してはざっくりと上記で説明したので、今からは、配当金戦略について少し考えていきます
債券代替としての株式(高配当株)
説明していきます。
絶対的に安心な債券にも利回りが存在します。もってるだけでほぼノーリスクで得られる金額割合ってことですね
しかし、債券に人気が集中したり、いろいろな原因で債券利回りが下落することがあります。
そんな時に人気が出る(株価をあげる)のが高配当銘柄。(今回の例だとヘルスケア)なんです。
債券ではもう利回りが低すぎる→代わりに高配当ディフェンシブ株を買おう!
こんな感じです。
逆の場合も考えていきましょう
世界的に好景気になり、債券よりも株式に人気が集中!債券利回りが急上昇しました。
では、債券の代わりに買われていた、高配当ディフェンシブ銘柄はどうなるか
もっと儲かるシクリカル銘柄に人気をうばわれ、売られてしまいます
2019年11月で、SP500指数は最高値を更新していく中、公益セクターの指数は下落しているという事実のカラクリがこれです
REITを買う人というのは、もちろんREIT自体の株価の増減も重要視していますが、それ以上に配当金を重要視している人が多いです
そして、その配当金は必ず、債券などの金利とセットで考えられる
つまり、上記のような金利との相関性が非常に高いため、債券についての知識も求められるのが『REIT投資』というわけです。
REIT投資の際は東京こそ全てだ!
では、最後に、不動産市場の東京の重要性について考えていきましょう
この記事では一貫して述べていますが、日本のREITにおいて東京こそが最重要地域です。大阪は考えなくても大丈夫と言って良いレベルです
日本のREITをまとめた指数というものがあります。
『東証REIT指数』という指数の割合では全体の3割以上をオフィスリートが占めています。
オフィスリートは先ほどでも述べましたが、収益のほとんどを3区(千代田、中央 港)であげています。
そのような東京特化型のREITが全体の3分の1以上を占めています
加えて、こんなデータがあります
これは収益ベースで、物件がどこにあるのかを割合にしたものです
つまり、日本のREIT市場では収益の8割は関東から得ているということです。
だからこそ、東京の危機(感染症の蔓延など)は不動産株価を一気に押し下げる要因となってしまうことを覚えておきましょう
まとめ
では、今回の内容をおさらいしていきましょう
- REITで重要なのは配当金
- 投資対象によって特徴が大きく異なる
- 東京が何よりも重要
この3つさえ押さえておけば、REITの初心者は卒業!と言えるでしょう
是非、何度も読み返して勉強してみましょう!
きっとこのブログを読んでくださるような向上心溢れる皆様なら、10分で理解することも可能!!!なはずです笑
では、またお会いしましょう!