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転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~ 作者:夜州

第七章 マリンフォード教国編

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第三話 護衛任務

いつもありがとうございます。

 

 カインがマリンフォード教国へ向かうことが決定してから一週間後。司教の護衛として数人の教会騎士、冒険者が揃ってマリンフォード教国へ向かうことになった。


 

「よ、カイン。久しぶりだなっ!」

「バカっ!! 辺境伯様に何やってるのよっ!!」


 片手を上げ気軽に声を掛けるクロードにその頭を叩くリナ。その後ろにはミリィとニーナが笑みを浮かべていた。

 今回、マリンフォード教国へ向かうのにあたり、三組十二人の冒険者が護衛と同行することになった。冒険者の費用を王国が捻出するにあたり、ギルドと打ち合わせを行いカインが助言をし、信用のある冒険者としてクロードたちが選ばれた。

 実力的にもクロードとリナはAランク、ミリィとニーナはBランクであり問題なく許可された。特に四人はイルスティン共和国の襲撃時に王女達を守った実績があることから国王もすぐに認めた。


「クロードさんっ! お久しぶりです。依頼を受けてくれて良かったです」

「まぁな。王国からの指名依頼だし、カインもいると聞いてたから受けない訳にはいかないだろう?」


 叩かれた頭をさすりながら笑みを浮かべるクロードにカインも笑顔になる。


「カイン……様? 久しぶり。元気そうで良かった」

「カイン久しぶり」


 上級貴族当主となったカインにどう対応していいか困惑しているミリィと相変わらず表情を変えないニーナ。


「今回は冒険者として同行するんですから、今まで通りカインでいいですよ。その方が僕もありがたいです」


 カインも冒険者として今回は同行する。クロード達四人とカインを合わせ五人組の臨時パーティーとして依頼を受けることになっている。

 カインの変わらない態度にミリィは安心したように息を吐いた。


「良かった。上級貴族になってそれらしくなってるのかと思ったよ。じゃぁ今まで通りカインと呼ばせてもらうね」

「うむ、安心」


「とりあえず他のメンバーにも紹介するからな」


 クロードがカインを連れて今回護衛にあたる他の冒険者パーティーにも挨拶することになった。

 あくまで貴族という立場を隠しての同行になるので、クロードがカインのことを紹介すると「なぜこんな子供が?」という納得できない顔をしていたが、あくまで冒険者の護衛団のリーダーはクロードになるので反対意見などは出なかった。


 準備が整い出発する合図をしていると、司教にカインは呼ばれた。


「カイン様。カイン様は私と一緒に馬車に乗っていただければ。私如きと同乗で申し訳ありませんが……」


 司教は申し訳なさそうに頭を下げる。


「いえっ。司教様、気にしないでください。今回は冒険者としての護衛ですから。貴族としての立場も隠しておりますし」

「そうは言いましても……」


 申し訳なさそうな表情をする司教にクロードが後ろから助言を出す。


「カイン、司教様の馬車に乗って構わんぞ。何かあれば出てきてもらえばいいんだしな。馬車の中からでも警戒はできるだろう」

「……わかりました。では、司教様。護衛という形で同乗させてもらいますね」


 カインは司教の馬車に同乗し、一行は出発することになった。


 マリンフォード教国に向かうにあたり、いくつかの村や街を経由していくことになる。

 以前、カインがヒナタを迎える際に通ったラグナフ伯爵が治めるシルベスタの街もある。カインは思い出しながらも苦笑した。

 熱狂的なマリンフォード教の信徒であるラグナフは、カインが泊まった際にマリンフォード教のことについて熱心に語っていた。それはもう嫌になるほど長時間に渡ってである。


「……あ、今回は司教殿がいるので問題ないな……」

「私が何かありましたか……?」


 カインの独り言に隣に座る司教が反応する。


「いえ、マリンフォード教国に向かう途中にシルベスタの街があるのですが、そこを治めるラグナフ伯爵が熱心な信徒なんです。なので司教様とお話ししていただければなと……」

「ラグナフ伯爵ですね。熱心な信徒ということは聞いております。もちろんお相手させていただきます」


 司教は笑みを浮かべ力強く頷いた。

 これで前回の苦行を味わうことはないと安心したカインは、探査サーチを使い周囲の警戒にあたることにした。

 何事もなく一行は街道を進んでいく。普段から冒険者ギルドに依頼をして街道の魔物の駆除をしているお陰か、魔物と戦いも起こらずにシルベスタの街へと到着することになった。


 事前に連絡していたことにより、シルベスタの街の入り口には兵士が整列しており、その中央にはラグナフ伯爵が出迎えのために待っていた。

 ラグナフ伯爵は馬に乗り先頭に立ち領館までの案内を始めた。正直、屋敷で待っててくれれば良かったのにと思った カインであったが口には出さず、同乗している司教は街をあげての歓迎に感心している。

 街は歓迎ムードで溢れ、住民が両脇に並んで手を振っていた。


「司教殿、すごい歓迎ですね……」

「エスフォート王国内でもここまで歓迎していただいたのは初めてです。私としてもエスフォート王国の教会をとりまとめていますが、ここまでされると申し訳ない気がします」


 馬車は歓迎する住民の中を通り抜けながら屋敷へと辿り着くことになった。


 


 


書き溜めしましたので、ストックが切れるまでは週に二話更新になります。(毎週火、金7時更新)

ちなみに今日は予約するの忘れてました笑

予約投稿は10話までしてありますのでよろしくお願いします。


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