三菱UFJ銀、顧客書類3億枚を電子化　米社と連携

三菱UFJ銀行は22日、3億枚以上ある顧客の書類を全て電子化すると発表した。人工知能（AI）を使った書類の自動読み取り機に強みを持つ米スタートアップのリップコードと連携し、データベースに集約する。書類の詳しい記載内容を店舗で確認するには現物を置く倉庫に連絡する必要があったが、様々な端末からすぐに情報をとれるようになる。

個人の口座開設時などに記入する印鑑票と呼ぶ書類を電子化する。過去の詳しい取引内容や本人確認の資料も含む。

届け出印の印影と署名は専用端末でみられるが、それ以外の内容は現物がある遠隔地の倉庫で確かめなければならず、問い合わせは毎日数百件にのぼる。確認する間、顧客は店で10分程度待つことになるという。

リップコードが開発した書類自動読み取り機を日本に持ち込み、2021年から電子化を始める。AIやロボットを組み合わせて自動でホチキス留めを外したり、書類を一枚ごとに分けてスキャンしたりできる特徴がある。2000人強の人手で約1年かかる作業を、30人体制で約5年で完了させる計画だ。

電子化した書類は原則として破棄する予定で、倉庫の利用料を抑えられる。今後は融資の契約書や入出金の伝票など他の書類の電子化も検討する。