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「サルの楽園」南伊豆・波勝崎苑、9月末で休園、営業譲渡を模索

(2019/9/23 07:54)
9月末で休園することが分かった波勝崎苑=22日午後、南伊豆町伊浜
9月末で休園することが分かった波勝崎苑=22日午後、南伊豆町伊浜

 ニホンザルの餌付けで知られる南伊豆町伊浜の観光施設「波勝崎苑」が入園者数の減少による経営難のため、9月末で休園することになった。22日、運営会社「波勝崎苑」(斎藤要社長)への取材で分かった。同社は別会社への営業譲渡を模索している。
 施設は1957年、東海自動車などが中心となり開園した。野生のニホンザル約300匹を餌付けした「サルの楽園」として親しまれ、観光客も餌やりを楽しむことができる。現在は地元の伊浜区住民が出資した同社が運営している。ピーク時の73年には年間入園者が46万人を数えたが、90年代以降は減少。2018年は最盛期の20分の1の2万人にまで落ち込むなど厳しい経営環境が続いていた。
 斎藤社長は、町の主要観光地の一つであることから「複数の業者に事業の継承を打診している」とし、営業再開を模索する。外部からクラウドファンディングを活用して老朽化した施設を再生する提案もあるという。
 同社は休園後も当面はサルへの餌やりを続け、周辺への農作物被害が起きないようにする。同町伊浜の夕日ケ丘展望広場で運営中の夕日ケ丘休憩所も9月末で休業するが、会社組織は存続させる。

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