【PCDJ講座】DJソフトで音楽ファイルが再生できない時のチェックポイントと対処方法

DJソフトを使っていると大なり小なりトラブルは頻繁に起きるものですが、それらを解決してきた中で得たノウハウを、いくつかにまとめて書いていこうと思います。

更新日: 2013年04月14日

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この記事は私がまとめました

pcdj_info_jpさん

今回はDJソフトで音楽ファイルが再生できない場合の原因の調べ方と、解決方法についてです。

Traktor PRO2での例を書いていきますが、他のソフトでも同様の方法で対処できると思います。

Native Instruments Traktor PRO2

Native Instrumentsのこちらの[KNOWLEDGE BASE]に記述されている内容を元に、更に実際に自分が経験した事を加えて解説していきたいと思います。

TRAKTOR ERROR MESSAGE: "<FILENAME> COULD NOT BE PLAYED DUE TO A MISSING OR CORRUPT FILE...."

ポイントその1 DJソフトが対応している形式の音楽ファイルか?

Traktor PRO2の場合、以下の形式に対応しています。

・MP3(拡張子はmp3)
・AAC(拡張子はm4aかm4p) *注1, 注2 ,注3
・WAV(拡張子はwav)
・AIFF(拡張子はaifかaiff)
・WMA(拡張子はwma) *注1, 注4
・FLAC(拡張子はflac)
・OGG Vorbis(拡張子はogg, oga, ogx)
・オーディオCD

http://www.native-instruments.com/jp/products/traktor/dj-software/traktor-pro-2/specifications/

これ以外の音楽ファイルは再生できません。

今回は詳述しませんがAudacityなどのツールを使って、対応している形式に変換すれば再生できるようになります。

*注1:
DRM(デジタル著作権管理)でプロテクトされているファイルは再生できません。

*注2:
(AACだけでなく)Appleロスレス形式のm4aファイルも再生できます。

*注3:
WindowsでQuickTimeがインストールされていない場合、再生できません。
QuickTimeは以下のページからダウンロードできます。
http://www.apple.com/jp/quicktime/download/

*注4:
Mac版では再生できません。

ポイントその2 DRM保護されていないか?

DRMは音楽ファイルの再生やコピーを制限する仕組みです。

DRM保護についてもう少し詳しく書いていきます。

AAC形式のファイルはiTunes Storeやmoraなどで販売されていますが、現在販売されているものにはDRM保護は掛かっていません。

2012年以前はDRM保護が掛かっているものと掛かっていないもの、両方が混在していました。

見分け方は、
拡張子がm4a → DRM保護が掛かっていません。そのまま再生できます。
拡張子がm4p → DRM保護が掛かっていますが、iTunesからMP3やWAVに変換するかCD-R(オーディオCD)に書き込んでAAC以外の形式に変換すれば、DRM保護が解除されます。
但し、使っているパソコンが「認証済み」(=自分で購入したファイル)でないと解除の操作は出来ません。

※ iTunes Storeで購入したDRM保護付きのファイルは、iTunes Matchというサービスが開始されればDRM保護無しにアップグレードできる事がアナウンスされています。


WMA形式でDRM保護されているファイルも同様で、「認証済み」のパソコンで一旦CD-Rに書き込むと解除されます。

ポイントその3 管理情報の整合性に異常が起きていないか?

・一度Traktorで再生した曲を別なディレクトリに移動した、
・Traktor以外のソフトでその曲を再生し管理情報が書き換わったため、Traktorが認識している情報と一致しなくなった
などが起きると管理情報の不整合が生じて曲が再生できなくなることがあります。

Traktorには"Check Consistency"という機能がありますので、それを使って修復できる場合があります。

詳しくはマニュアルの「5.10 コレクションメンテナンス」(バージョン2.61の時点では57ページ)に記述されています。

もしくは一旦コレクション(プレイリスト)から削除してから再度登録し直すと、問題が解決する場合があります。

ポイントその4 ファイルが破損していないか?

この場合判別方法は非常に難しいのですが、ファイル内の管理領域のみ破損している場合は修復できる可能性が高いです。

iTunesやAudacityなど他のソフトで再生してみて問題なく再生できればその時点で修復可能だと判断できます。
再生ソフトで一度読み込んでから「書き出す」操作をすれば、修復されているはずです。

MP3の場合、Native Instrumentsのこちらのページに修復方法が詳しく書かれています。
http://www.native-instruments.com/knowledge/questions/1273/TRAKTOR+crashes+when+loading+a+track+to+a+Deck

Windowsの場合 → MP3VAL
Macの場合 → MP3 SCAN+REPAIR
というツールを使った例が紹介されています。

その他の形式の場合はシェアウェア(有料)になりますが、All Media Fixerなど修復専門のソフトも存在します。
http://www.realconvert.com/MediaFixer/index.htm

ただ、これにお金を払うなら破損した曲だけ買い直したほうが安いかもしれません。

また過去にTraktorではなく、別のDJソフトのバグでファイルが破損され、再生できなくなったことがありました。破損が起こる頻度が多い様ならユーザーサポートに問い合わせてみたほうがいいと思います。

どのソフトで再生しても同じ箇所でノイズが入ったり再生が止まったりする場合は、データ部分が破損していると考えられるため修復は難しいです。


ここまでで原因がわからない場合、問題が起きているファイルを他のパソコンで再生できるかどうか確認して、再生できるなら環境の違いから原因を探る手段が有効です。
・MacとWindowsの違い
・OSのバージョンでの違い
・DJソフトのバージョンでの違い
・オーディオインターフェイス/デバイスドライバでの違い
などが要因として考えられると思います。

もしくは再生できるファイルと再生できないファイルの相違点に、何らかの規則性があるかどうか調べる事も原因究明の手段として有効です。
例えば特定のサイトから購入したファイルだけ再生できない、特定のソフトで作成(あるいはリッピング)したファイルだけ再生できないといったことです。

PCDJを続けていくにはファイルのマスター管理や定期的なバックアップも非常に重要になってきますが、それはまた別の機会にしたいと思います。

このまとめがPCDJユーザーの皆さんのトラブル解決の一助となれば幸いです。

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